刃物をはじめとした金属製品、金属ハウスウェアや洋食器などで、世界の注目を集める新潟県の燕市と三条市(燕三条)。職人が長年にわたり培ってきた技術で作り上げた優れた製品は、日本国内のみならず、世界各国に輸出されていて、燕三条は金物の街、モノづくりの街としても知られている。
そんな燕三条の「モノづくり」を支援して、地域産業の育成と発展を担う燕三条地場産業振興センターが、日本貿易振興機構(Japan External Trade Organization: ジェトロ)と協力。バンクーバー市内のキッチン用品や食器を扱う店Itsumoで、イベント「Made in Tsubamesanjo(燕三条製)」を開催中で、燕三条の製品を3月6日まで販売している。当初は2月28日までの予定だったが延長となった。
燕三条の金属加工産業は江戸時代までさかのぼり、信濃川の氾濫に苦しむ農民の副業として始まった和釘づくりに起因するといわれている。地域ではその技術を現代まで受け継ぎ、スプーンやフォーク、鍋やケトル、フライパン、ザル、包丁などのキッチンツールを今も製造している。
今回のイベントで、バンクーバーで販売されているのは、ステンレスのボウルや水切りラック、急須やスライサー、ピーラー、おろし金、おたま(レードル)、缶オープナー、ステンレス製ざる、カトラリーなどの台所用品、さらには剪定用ハサミ、園芸用ナイフのようなガーデニングツールなど。
急須をはじめ、一部、商品は好評ですぐに売り切れたため、現在、入荷待ちとなっている。
「新潟県燕三条地域の製品を紹介します。長年、職人が受け継いできた燕三条の技術は、現在、槌(つち)で起こす伝統的な金属工芸品や鋭利な道具の製造に利用されています。金属細工の職人技と伝統文化の製品をご覧ください!」(ジェトロ)
ジェトロバンクーバー事務所で同イベントを担当するゲイルさんは、仕事で燕三条の人と会い、製品に魅了され、2019年にプライベートで日本を訪れたとき、日本人の友人と地域を訪れたという。個人的に「プロモーション先としてバンクーバーを選んでもらえてうれしかったです」と語った。
新型コロナウイルスの感染拡大により、イベント開催も難しく、今回の「Made in Tsubamesanjo(燕三条製)」は2019年10月の日本酒プロモーション以来のインパーソン・イベントとなった。パンデミック以降、ジェトロ・カナダでは水素エネルギーについての「カーボンニュートラルに向けた北米太平洋地域コリドーの構築」など、バーチャルイベントを開催した。
ITSUMO
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火~土: 12:00 ~ 18:00
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月曜休業(プロモーション中。「燕三条」プロモーション終了後は月、火休業)
https://itsumo.ca/news/made-in-tsubamesanjo/
(取材 西川桂子)
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