現在、メイクアップ・アーティストとして活躍している澤渡祥子さんは、ノースバンクーバーのサザーランド・セカンダリースクールに高校留学後、ニューヨークでメイクについて学んだ。
これまで、「Harper’s BAZAAR Thailand」や「Harper’s BAZAAR Bulgaria」など、世界のファッション雑誌で仕事をしている澤渡さんにZoomで話を聞いた。2回に分けて紹介する。
ノースバンクーバーでの留学生活や日本でのアシスタントとしての仕事について聞いた、インタビュー前半はこちら。
後半ではニューヨークでの生活と今後の目標、新型コロナウイルス感染拡大の影響でマスクがニューノーマルとなっている中でのメイクのアドバイスなど。
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刺激は多いが、家賃の高さなどが悩みのNYでの生活
– ニューヨークでの生活で楽しいことと、辛いこと、苦労することを教えてください。
アーティストもダンサーもいれば、歌手、デザイナーなど、ニューヨークには本当にさまざまな人が暮らしています。とても刺激になりますし、楽しいです。
– 英語ができるので、日本人以外の友人も作りやすかったのではないですか?
英語が苦手な日本人は多く、日本人同士で集まることもよくあります。私は英語に問題ありません。
ニューヨークに来た当初は、日本人コミュニティは避けていて、日本人以外のルームメイトがいるアパートを探しました。今、思えば、この時が人生で最も英語を話したときだった気がします。学校だと必要最低限のことを話せばいいだけですが、ルームメイトとはそうはいきません。いろんな話をします。
ツラいのは寒いことです。日本にいると、カナダは北国で寒いというイメージですが、バンクーバー周辺はそれほど気温は下がりませんよね。ニューヨークではマイナス15度の中、バス停で1時間バスを待つこともあります。とにかく寒さはバンクーバーの比ではありません。
また、家賃が東京以上に高く、アパートは狭くて古いことがほとんどです。私がニューヨークに来て一番初めに住んだ月2,000米ドル(約20万円)の寮は、壊れたタンス、ツインベッド、電気があるだけで、部屋の水道からはさびた真っ赤な水しか出てきませんでした。電気も壊れていました。
2度目に引っ越した家は月1,500米ドル(約15万円)の小さなルームシェアの部屋でした。ベッドバグの被害にあった上に、爆弾テロが家の前で起こって怖い思いをしました。
その後は家探しもうまくなり、ブルックリンの比較的安く住めるエリアに住んでいましたが、それでも大変でした。物価も高く、ディナーを外食すると1人最低50ドルほどかかりました。
あと、冬は寒く雪も降るのですが、バンクーバーのように放課後に気軽にスキーに行ったりできる環境はありません。
– 最後に目標を教えてください。
成功して、もっと名の知れたアーティストになるのが目標です。いつか自分のブランドを作ることができたらと思っています。
メイクにしろファッションアイテムにしろ、身につけるものが変わるだけでハッピーになれたり、自信が湧いてきたりすることがあると思います。
自分が心からいいと思うものを、世の中の人にも気に入ってもらえて、喜んでもらえたら、最高にステキだと思います。
マスク着用時のメイクのアドバイス
ファッション雑誌などで活躍している澤渡さんに、マスク着用時のメイクについてアドバイスをもらった。
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マスク着用時のメイクは、マスクから出ている「眉と目」にインパクトを持たせることです。
マスクを常にすることで肌に新鮮な酸素が行き渡らなくなり、雑菌がたまり肌が荒れてしまう「マスクネ」が問題になっています。その対策として、ファンデーションはなるべく避け、肌を清潔な状態に保っておくことが大切です。
その代わり、眉毛やアイメイクで遊び心を入れるメイクが最近のトレンドです。最近また流行りつつある「細眉」で顔にメリハリをつけ、大胆なアイライナーや明るいカラーメイクに挑戦するのもおすすめです。例えば今アメリカの女の子が夢中なBella Hadidの細眉に憧れる人がたくさんいます。
メイクに正解も間違いもないので、自分の中の常識をいったん外して好きなカラーや気になるシェイプを試してみると、意外と自分に似合った新しいメイクに出会えるかもしれません。
参考
14 Stand Out Eye Looks To Wear With A Mask – Beauty Bay Edited
https://www.beautybay.com/edited/eye-makeup-looks-to-wear-with-face-mask/
前半
メイクアップ・アーティストとして、世界に挑戦する澤渡祥子さん 1
(取材 西川桂子)
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