GIFTS AND THINGS(バンクーバー市)、Whistler Smile Gift(ウィスラー)のグループ店、Smile Gift Tokyoが、2月1日東京で新規オープンした。
GIFTS AND THINGSとWhistler Smile Giftを経営する佐藤広樹さんは、非営利団体(NPO)「東京のCO2削減で都内観光を推進する会」の理事長も務め、プラスチック製品の使用削減をはじめ、さまざまな啓蒙活動を行っている。
カナダの店舗や新たにオープンした店の状況について(前編)、また3月に開催した環境啓蒙イベントについて(後編)、話を聞いた。
– (新型コロナウイルスによる)パンデミックのまっただ中でのオープンになりましたね。
オミクロン株による第6波が猛威を振るう中、また、まん延防止等重点措置の中でしたので、ほとんど来店客のない状態で開店しました。
東京に観光で来る人の動きもなく、週末に学生のみが遊びに来る状況。飲食街は時短営業の要請がされ、夜の街は人の流れもまばらな状態でしたが、現地社長のアイデアで経営も軌道に乗ってきました。
– どういったアイデアですか?
私どものような、主に観光客にお土産の販売をしている業種は、観光客が減ると売り上げも減ります。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが発表されると、売り上げが激減しました。
東京では買い物も控えられ、消費が減りましたが、その中で学生のみは動きがありました。そこで、エンターメント要素の多いアイテムなど、学生が好む商品に力を入れた結果、売り上げを増やすことができました。
コロナのような非常事態では、外出制限で行動範囲が狭くなり、消費が低下してしまいます。レジャーで楽しむこともできなくなるため、遊び心や趣味の要素を盛り込んだ商品を展開しました。そうしてお客様の心をつかんだことで、口コミ集客やリピート客獲得につながりました。
観光客向け土産物店からローカル客をターゲットにしたギフトショップへ
– 以前にお話をうかがったときには、カナダの店舗では、ローカルのお客様もターゲットにしているということでした。
コロナ禍で、観光客が顧客の中心だったウィスラーのスマイルギフトやバンクーバーのGIFTS AND THINGSは、お客様に来てもらえなくなりました。
そこで、インスタ(インスタグラム)などSNSの利用や、オンライン販売に力を入れました。日常雑貨を販売して、地元客もターゲットにしています。思いがけず雑貨も観光客に好評で、たくさん購入していただいたり、これらの試みで売り上げはコロナ前よりも2~3割増えました。
バンクーバーのGIFTS AND THINGSでは、インスタで反響があったスタジオジブリのグッズや、イヌやネコといったペット好きに人気が出そうなアイテムなどの販売に力を入れました。
さらに、店内各所にグリーン(植物)を置いてお客様にとって居心地のいい内装に工夫したほか、オンラインショップなども開設することで、ローカルのお客様の心をつかむことができました。
近年の小売ビジネスでは、ダラーショップのような格安店も増えていますし、物があふれています。従来の来客を待つスタイルでは競合店にお客様を取られて、集客が難しくなります。
これからは、ほかの店舗にはない独自性が必要だと考えています。内装や商材を工夫して、お客様に来店していただける魅力的な店作りがカギとなります。そういった工夫がクチコミやSNSで拡散されて、集客につながっています。
家賃高騰などで店舗経営のハードルは上がりました。しかし、良い店はSNSで拡散され、あっという間に売り上げや集客が上がります。コロナが世界的に収束する中、バンクーバーには観光客も戻ってきますし、ビジネスチャンスはあると思っています。
SNSや流行サイクルの急速な変化など、古い感覚ではついていけなくなってきています。これからは、新しい感覚を持った若い世代の方に、ビジネスで成功するチャンスがあります。活躍を期待しています。
GIFTS AND THINGS(バンクーバー)
インスタグラム: https://www.instagram.com/giftsandthings.ca
ウェブサイト: https://www.giftsandthings.info/
Whistler Smile Gift(ウィスラー)
https://www.smilegift.info/
Smile Gift Tokyo
https://www.odaiba-decks.com/floorguide/4f.html
(施設のホームページ。地図62番)
(取材 西川桂子)
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