「ふれいざー」ジャーナル・パブリッシング社主、宮坂まりさんへの令和3年度外務大臣表彰の伝達式が3月23日、在バンクーバー日本国総領事公邸で行われた。
新型コロナウイルスの規制が緩和されてからの開催となった伝達式には、ふれいざージャーナルのスタッフや宮坂さんの家族、友人ら、そして総領事館からは羽鳥隆総領事、今村香代領事の計13人が出席。宮坂さんの受賞を祝った。
羽鳥総領事は「宮坂さんがバンクーバーの日系コミュニティ向けの無料月刊誌『ふれいざー』を発行し、日本語で多岐にわたる情報をタイムリーに提供してきたことは当地に住む日本人の大きな支えとなった」と功績を称えた。
特に「コロナ禍で人々のつながりが希薄化する中、『ふれいざー』を通じて、日本語でカナダの情報をタイムリーに得られたことは、当地に住む日本人の大きな支えになったことと確信いたします」と述べた。さらに、日系コミュニティや日加の友好関係の促進のためにチャリティイベントを主導するなど、長年尽力してきたことに対して敬意と謝意を伝えた。
1992年に創刊された月刊「ふれいざー」
宮坂さんは、1992年に月刊「ふれいざー」を創刊。以後、日系コミュニティに、カナダや世界のニュース、コミュニティのお知らせをはじめ、多彩なエッセイなどを日本語で提供している。さらに新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年8月からは新たに「Fraser go Local」で、ローカル情報をはじめ日系コミュニティの動向やカナダのニュースなどを伝えてきた。
東日本大震災の年から5年間は月刊「ふれいざー」の主催で、チャリティーコンサートを行ったほか、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で大規模な山火事が発生した2017年には、その被災者のためのコンサートを開催。日本とカナダの両コミュニティの架け橋としても貢献している。
宮坂さんはバンクーバー補習授業校で国語教師として30年間教鞭をとり、当地の子女教育にも大きく寄与した。
受賞にあたっての宮坂さんのコメント
この度は、思いがけずこのような賞をいただいて、驚き、また感謝しております。今年「ふれいざー」は30周年を迎えましたが、これまで本当に多くの方々のご協力と援助をいただいてここまで来ることができました。すでに亡くなってしまった方々や今も支えてくださっている方々、スタッフの皆さんたち、みんながこの賞をいただいたのだと思っています。ありがとうございます。
ふれいざーで「自然と生きる」を寄稿している高橋清さん
今年の3月23日、月刊「ふれいざー」の宮坂まりさんが外務大臣賞を受賞され、長年の投稿者の一人として、3月23日、晩さん会を兼ねた総領事公邸においての表彰の伝達式に招待されました。10名ほどの「ふれいざー」誌の関係者、定期投稿者の皆さんから、今は亡きご主人とともにおつとめになったまりさんの功績と創刊以来のご努力を称えるお話を聞き、楽しむことができました。
僕は早期定年を決め、野生保護その他のいくつかのボランティアに関わってきました。創刊後間もなく野生動物の紹介と読者の皆さんの関心を深めることを願って、「光と風の中で」として、その後、一時中断後「自然に生きる」と題を変え、投稿してきました。個人的に、編集者としてのまりさんについて最も信頼できるのは、原稿掲載前に必ず検索、訂正をご丁寧に、かつ的確にお続けになっておられ、刊行責任者であるとともに、編集者としてのご責任も高いレベルで続けておられることです。いつも温かい批評をいただいてきました。そのようなまりさんのご功績を日本政府が認め、外務大臣表彰を受賞したことは我々の誇りです。
(取材 西川桂子)
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