~グランマのひとりごと~
許 澄子
2022年6月20日「ペガサスの記録」と言う本が出版された。待ちに待った桐島洋子親子4人で書き上げたその本が、グランマの手に届いたのは6月24日だった。
「ペガサス」ってなぁに?とまず調べた。私はどうしてこんなに「物」や「こと」を知らないのだろうか?
それで、まったく、よくこの年82歳半迄生きてきたなぁと思いながら、「ペガサス、ペガサス」ああー、みつかた!ペガサス(Pegasus): ギリシア神話中の翼を持つ神馬。ペルセウスに殺されたメドゥーサの肩の切口から生まれた。英雄ベレロフォンの持馬となり、怪物キマイラ退治やアマゾン族との戦いで活躍する。
また、ひづめで地を蹴って多くの泉を噴出させた。死後天上に昇って星座となった。天馬その本は223ページ、1日で読み終わった。「天馬」と題名とした本。読後、胸がいっぱいで言葉がない。
これって感動? なんだろう? それは、それはねぇ?ふっと気が付くと、その一ページに自分がいる様な気がするのだった。娘に話すと「ママ、バッカみたい~!」と笑われた。
でもね、4人執筆者の一人、次女ノエルちゃんが自分の記憶にない父親「ダッグ」の墓詣り行った時の事を書いていた。その旅にグランマも誘われ同行していた。
ノエルちゃん親子と洋子先生、そして、私。4人の旅だった。あの時、広々としたお墓に「母親と娘と孫」、3人が丁寧に地面にひざまずき、お参りしている姿、洋子先生が更に丁寧に墓石を手で撫でている姿。グランマはその姿を一所懸命写真撮影していた。
ある時、洋子先生が「数年前フロリダを旅行したおり、初めて子供たちの父親のお墓参りに行きました。別れて半世紀近く経ち、今更感傷はないけれど、“貴方のお陰で三人の子と七人の孫に恵まれました。本当にありがとう”と感謝を伝えました。いろいろあったけど、やっぱり彼と出会えてよかったと思う。もっといい男と出会って、もっと素晴らしい人生を送れたとしても、この十人の愛おしい子孫を別人に差し替えるのは、絶対に嫌だもの。子供や孫の顔を眺めていると、これこそが私の運命だったのだと、しみじみ納得するんです」と書いていた。
又、ある時、「洋子ファン」グループとラオス旅行途中、どうしてもサイゴン(ホーチミン)へ行きたいと彼女が言う。そして、私達2人でホーチミン市へ行った。
やはり、ダッグとの思い出の街なのだろう。(其の頃、彼女はダッグについて一緒に行ったベトナムで従軍記者として取材をしたことがある)。ホテルへ着くと間もなく、タクシーでグルーッと街を回り、その後でツアーにジョインした。行く場所、行く場所に、彼女には思い出が一杯なのだろう。「見て、見て、あのホテル、あそこに泊まっていたのよ」。街角にある小さな、「なんだか、これがホテル?」と思うような建物を指して教えてくれた。彼女がサイゴンにいた頃、戦争は1973年(米国関与期終戦)以前の事で今から50年近く前の事だからなぁ。
そして、今彼女が「アルツハイマー系認知症」グランマ、私は信じられない!ついこの間の彼女からの電話は一体何だったの?