在バンクーバー日本国総領事館羽鳥隆総領事の離任レセプションが9月7日総領事公邸で行われた。日系コミュニティを代表する文化団体・機関やバンクーバーの日系経済10団体の代表らが招待され、羽鳥総領事との最後の懇談を楽しんだ。
あいさつで羽鳥総領事は、総領事としては政財文化界の幅広い人々と食事をしながら懇談することも大事な仕事の一つだが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で食事を共にするということができず、「活動にも制限があった」と振り返った。
それでも在任期間が長かったおかけで多くの人との交流を楽しめたという。「幅広い皆さんの経験や視点から、世界で日本人が色んな可能性を広げていくためにはどうしたらいいのかということについて多くのことを教えていただきました」
和食の人気が高いこと、カナダ人でも日本文化ファンが多いことに触れ、在留邦人、日系人、そして日本に関心を持つカナダ人、それぞれが「間違いなく日本とカナダが仲良くなっていくための懸け橋の役割をされていると思います」と語り、日本人や日系人がつながり、ともに助け合っていくことが日系社会全体として大切だと思う「どんどんつながってください」と日系コミュニティにエールを贈った。
あいさつの最後には、領事館スタッフへの感謝を述べ、羽鳥夫人に言葉を贈るときには涙ぐみ声を詰まらせる場面も。言語に不慣れな赴任地でも積極的に話しかけ友人を作っている姿などを思い出したという。「自分がここで泣くと思わなかった」と照れ笑いしたが、多くの人への感謝の意を表し、あいさつを終えた。
バンクーバーからは離任を惜しむ声多く
在任期間3年9カ月は歴代最長だという。2018年11月にバンクーバーに着任。以来、バンクーバーを含むブリティッシュ・コロンビア州の在留邦人コミュニティ、日系コミュニティとの交流を大切に活動した約4年間だった。
レセプションでは多くの思い出話に花が咲いた。特に羽鳥総領事のギター演奏など音楽活動はユーチューブでも配信され、たくさんの人が楽しんだようだ。
この日参加した人々から多く聞こえたのは「とても気さくに話ができる総領事だった」の声。「もっと長くいられたらいいのに」「ずっとバンクーバーにいたらどうですか」と、離任を惜しむ声が多かった。
バンクーバー日系ビジネス連絡協議会の吉武政治議長は「ほんとうに皆さんの目線に立っていただいている総領事っていう印象です。皆さん同じように思っていると思います」と振り返った。
新型コロナ水際対策実施については、経済団体からの緩和の要望にも積極的に耳を傾けてもらい、その他、日本政府、カナダ政府へのビジネスでの障壁に対する要望などがあればいつでも連絡をとつながっていられたのは「ありがたかったですね」と感謝した。
「寂しくなりますよね」と吉武さん。でも「今はオンラインでつながれる時代だからとバンクーバーを離れてもつながっていけると思います」と笑った。
羽鳥総領事は9月下旬に離任する。
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