カナダ保守党ポリエブル党首誕生、トルドー首相との対決姿勢鮮明に

 カナダ保守党の新党首にピエール・ポリエブル氏が選ばれた。9月10日行われた党首を選ぶ投票で、記録的な分裂の激しい党首選の末、第1回投票で勝利を収めた。

 ポリエブル氏の得票率は68.15%、進歩保守派のライバルで次点のジャン・シャレスト氏の16.07%を大きく引き離した。第1回投票で党首選を制したのは2004年のスティーブン・ハーパー元党首以来。

 ポリエブル党首は、オンタリオ州オタワのコンベンションセンターで党首としての第一声で自由党への対決姿勢を鮮明にした。「ここから国民を第一に考える新しい政府への旅が始まる」と述べ、自由党は国民に費用をかけさせるだけで与えるものが少ないが、保守党は、所得でも、リタイア後でも、住宅でも、国としても、すべてにおいて国民を最優先とすると明言。ジャスティン・トルドー自由党を批判した。

 保守党は2015年にトルドー自由党に選挙で負け、政権を引き渡した。その責任を取り、10年首相を務めたハーパー党首が辞任。2017年アンドリュー・シェア党首が誕生した。

 しかし、トルドー首相のスキャンダルが続出した中で行われた2020年の選挙で得票率は勝ったが議席数で負け、責任を問われ辞任。2020年元防衛大臣のピーター・マッケイ氏が満を持して出馬したがエリン・オトゥール氏が第3回投票で過半数を取り党首に就いた。

 そのオトゥール党首も、トルドー首相が過半数を目指してコロナ禍で実施した2021年の解散総選挙で、敗北。自由党は過半数には届かなったものの勝利し、再び少数派政権となった。オトゥール党首は2022年2月に党内で実施された投票で党首失格となった。

 次期総選挙は2025年の予定。下院は9月20日から再開、ポリエブル保守党とトルドー自由党の対決が本格化する。

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