観客賞はスティーブン・スピルバーグ監督の半自伝映画「The Fabelmans」
大盛況のうちに9月18日に閉幕した「トロント国際映画祭」。新型コロナウイルス禍を乗り越え3年ぶりに有観客で行われた会場のレッドカーペットには、テイラー・スウィフト、ダニエル・ラドクリフ、ジェニファー・ローレンスらセレブたちも登場。連日多くのファンが劇場前に詰めかける盛り上がりを見せた。
最終日には観客の投票で決まる「観客賞(ピープルズチョイス・アワード)」を発表。アカデミー賞の前哨戦として映画ファンからの注目も高い同映画祭の観客賞は、力作揃いのなか納得の作品群が並んだ。
今回見事に「観客賞」を受賞したのは、スティーブン・スピルバーグ監督の自伝的作品「The Fabelmans」。幼少期にカメラを手にし、映画作りに夢中になる少年と家族の物語を自身の経験を題材に描いてゆく。上映後に登場したスピルバーグ監督にはスタンディング・オベーションが贈られた。
真夜中にマニアックな映画を観る趣向の「ミッドナイト・マッドネス」部門は、ハリーポッター役からすっかり大人の演技派俳優に成長したダニエル・ラドクリフがアル・ヤンコビック役を演じる「Weird:The Al Yankovic Story」が、新進監督の作品に贈られる「プラットフォーム」部門では韓国出身でコキットラム育ちのアンソニー・シム監督の「Riceboy Sleeps」が、ドキュメンタリー部門ではカナダの黒人ホッケー選手を追った「Black Ice」(ヒューバート・デービス監督)が受賞した。
惜しくも観客賞2位につけた「Women Talking」(サラ・ポーリー監督)、プラットフォーム賞の「Riceboy Sleeps」(アンソニー・シム監督)、ドキュメンタリー賞の「Black Ice」(ヒューバート・デービス監督)、受賞は逃したもののチケットが即完売した「The Whale」(ダレン・アロノフスキー監督)は9月29日から開催の「バンクーバー国際映画祭(VIFF)」でも上映されるのでお楽しみに。
(取材 Michiru Miyai)
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