バンクーバー国際映画祭公式招待作品として上映された「母性(Motherhood)」の廣木隆一監督と原作者・湊かなえさんが10月5日、舞台あいさつした。会場前には多くのファンがレッドカーペットに姿を現した2人を迎えた。
上映後にはQ&Aの時間も用意され、廣木監督と湊さんが応じた。
廣木監督は、この映画を受ける時に「俺が母性を知っているわけないじゃないですか」と笑いながらファンに向かって問いかけながらも、「親と子の愛情については自分の中で思っていることもあるし、違っていることもある、っていうのは勉強できるって思って映画に挑戦しました」と語った。
湊さんは廣木監督に決まった時にどう思ったかの質問に、「これは初めていうのですが」と前置きして、「廣木監督は一つの物語の中に複数の視点が存在する物語を撮られるのがものすごくお上手なんです。で、私の作品は母性もそうなんですけど、同じ物事も視点が変わると違って見えるというものを描くものが多いんです。なので、同じ出来事も『ルミ子』の視点から見たときと、『清佳』の視点から見たときと、こんなに表情が違うんだとか、画(え)を見たら分かるように今回も撮ってくださって、それは廣木監督じゃないと撮れなかったと思います」と絶大の信頼を寄せた。
その後には、ファンと触れ合う時間も。滅多とない機会に、多くのファンが廣木監督と湊さんとの写真撮影や話を楽しんでいた。
「母性(Motherhood)」は、日本公開に先駆けてバンクーバーで先行上映された。
(写真 斉藤光一)
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