バンクーバー市長に中国系カナダ人シム氏

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で10月15日に投開票された市町村選挙で、BC州最大都市バンクーバー市の市長に中国系カナダ人ケン・シム氏が選ばれた。現職ケネディ・ストゥワート氏を抑えての当選となった。

 選挙前には接戦が予想されていたが、結果はシム氏85,732票、ストゥワート氏49,593票と大きく差がついた。前回選挙では約1,000票差で次点となったシム氏が、今回は大々的なキャンペーンを展開。市議でもシム氏率いるABCバンクーバー(A Better City 2022)が10人中7人を占める結果となった。

 シム氏は選挙公約に、バンクーバー市警の警察官100人とメンタルヘルス専門家100人を増員、2025年までに警察官全員にボディカメラ装着を掲げている。また、住宅問題では住宅建設許可にかかる時間を短縮すると約束している。

 シム氏はこれまでに政治家の経験は一度もなく、市長としての手腕は未知数。17日の記者会見では早速公約実現に取りかかると意欲を示した。

 バンクーバー市でアジア系市長が選ばれるのは初めて。

 ストゥワート氏は連邦NDP(新民主党)議員から2018年に市長に転身。今回の選挙では、連邦NDPジャグミード・シング党首、BC州NDP党首候補デイビッド・イービー議員の応援を受けていたが落選。次の州選挙でNDPが厳しい戦いを強いられるのではないかとの見方も出ている。

接戦のサレー市ではサレーRCMP賛成派が当選

 注目されていたサレー市では、前サレー市議のブレンダ・ローク氏が市長に選ばれた。現職ダグ・マッカラム氏も後半追い上げたが届かず約1,000差で次点となった。

 サレー市での注目は、サレー市警への移行か、サレーRCMP維持かだったが、RCMP維持を掲げるローク氏が当選。勝利宣言で「RCMPはサレーに留まる」と第一声を発した。

 サレー市警はすでに任務を始めて1年がたっており、今後どうなるのか注目される。

 その他の注目市長選は、バーナビー市でマイク・ハーレー市長、リッチモンド市はマルコム・ブロディ市長が再選した。

 今回の投票率は、バンクーバー市が36.3%(予測)で、前回2018年の39.4%を下回った。サレー市では34.5%(予測)で32.9%だった2018年を上回った。BC州全体では37.07%(予測)、2018年の41.95%を下回った。

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