第135回 こんな楽しい日系センター 古本市

 何時だったか、誰も知らない隣組へ$7.50のランチと「プリズマティック コーラス グループ」のコーラスが聞きたくて一人で行き、思い切り楽しい時を過ごせた。隣組で働く素晴らしいボランティア達との出会いもあった。このグランマ、車の運転が苦手だから、遠距離運転は勇気がいる。でもねぇ、あの楽しかった体験から、思い切って自分もボランティアをやってみたくなったのだ。
 でも、誰が83歳の難聴老婆をボランティアに使ってくれるだろうか?

 所が、ところがだ! 
 ボランティアをしたいと思い始めた途端、メールが入ってきた。日系センターで「古本市」のボランティア募集だ。「うわぁー!」喜んだこのグランマ。早速、正直に老人であると説明付きで応募した。それでもグランマは2日間、キャッシャーのボランティアをさせて貰えることになった。私を採用して下さったのは笠井律江さん、ボランティア係、日系センターのスタッフのようだ。
 兎に角、待ちに待ったその当日、リッチモンドの我が家から日系センターまで車で1時間と思い早めに家を出た。結局、40分位で日系センターへ到着。日系センターの玄関ホールには、沢山の本が既にザーッと並べられている。受付へ行くと、マスクをした、でも綺麗な若い女性がいた。互いに紹介しあい、彼女は川崎さんと言い、私に名札をぶら下げるように呉れた。

 「おお、いよいよ仕事だ」緊張!
 小さな手提げ金庫と会計用機械を、彼女は私に見せ、優しくクレジットカード支払いと現金支払いの受付、その処理方法などを教えてくれた。それは金曜日の朝11時から始まり、既にカウンターには売りかけの8個のヴィデオテープ箱が置かれていた。買う人がそれを入れる袋を探しに何処かへ行っているらしかった。
 あぁー。戻って来た。ニコニコ、明るく優しい感じのおじいさんだった。持って来た袋にヴィデオテープ箱を全部入れ、お金を払った。
 値段が1箱「1ドル」、本も全部1冊「1ドル」

 その頃、2階の事務所から、私を採用してくれた笠井さんが、会いに来てくれた。ここで、又明るく、優しく、そして、気配り、仕事に対する責任感が全身みなぎる、そんな笠井さんに出会えて、グランマはすっかり安心した。

 しかし、金曜日、来客の少なさ。11時に始まり、3時に終わるまでの来客数は12-13名。結局、本好きの私は客が本売り場に一人もいない時に自分がそこへ行き、自分の好きな本を買いあさり。「楽しかった!」2日間で50冊近い本を買ってしまった。重たくて持ちきれず、駐車場まで川崎さんが、2回目は笠井さんが持ってきてくれた。仲良しの作家桐島洋子さんの古い本が5冊、日本在住友人達用に探した時、入手が難しかった唐沢良子さんの本「やまばと」6冊も見つかり、うれしかった。

 次の古本市は何時だろう?日系センターの2階のブックショップでは週数日だけど1冊3ドルで常時売っているそうだ。

 沢山の本がこの安値で入手出来るバンクーバーの日系センター、出歩きが不得意なこのグランマでも、頑張って出かけてみたら、50冊の本が買えた。
 こんなに素晴らしい体験ができ、ついでに日本食材料まで買えるところもあった。
 遠いと思っていた日系センター、でも何だか頑張れば40分の運転、私でも行けるのだと痛感。また行こう!