GK高丘陽平選手バンクーバーWFCに入団、「ホワイトキャップスに入団した決め手は熱意」

バンクーバー・ホワイトキャップスFCに入団したGK高丘陽平選手。Photo provided by Vancouver Whitecaps FC
バンクーバー・ホワイトキャップスFCに入団したGK高丘陽平選手。Photo provided by Vancouver Whitecaps FC

 バンクーバー・ホワイトキャップスFCにゴールキーパー高丘陽平選手が入団した。北米プロリーグMLS(メジャーリーグサッカー)に入団した日本人選手でゴールキーパーは初めて。

 チームは2月17日に2年契約を発表。ホワイトキャップスの一員となった高丘選手に話を聞いた。

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-正式に入団が決まった今の気持ちをお聞かせください。

 「まずはこのチームに来ることができて、ほんとにうれしいですし、自分にとっても日本以外の国でプレーすることは初めての経験なので、これから経験する全てのことが自分を成長させてくれると思いますし、全てのことに自分自身しっかり努力していきたいなって思いでいるってのが一つと、あとはここにくるまで、前に所属してた横浜F・マリノスには感謝の気持ちでいっぱいですし、在籍した2年3カ月間、本当にすばらしい時間を過ごしさせていただいたので、そこへの感謝の気持ちというのも伝えたいと思います」

-海外移籍でチームを選ぶ中で、他にも選択肢があったと思いますが、ホワイトキャップスに決めた一番の理由は何ですか?

 「一番早くオファーをいただきましたし、すごい熱意を持って自分を獲得したいっていうのを伝えてくれました。熱いところがやっぱり1番でしたし、なぜ僕なのか?っていうところも含めて、サッカーのスタイルとか、僕のプレーもしっかりチェックしてくれた上で、オファー送ってくれたので、自分が次のステップを踏む上で、すばらしいチャレンジになるのではないかなと思って決断しました」

-これまでホワイトキャップスにも日本人選手が在籍していましたが、MLSのチームを選択肢とする中で誰かに話を聞きましたか?

 「いろんな選手に聞きましたが、今(MLS)FCシンシナティにいる久保裕也選手に連絡して、MLSがどういったものかとか、Jリーグとの違いだったりとか、いろんなことを聞かせていただいて、すごいポジティブなものばかりでしたし、久保選手にはすごい親身に相談に乗っていただきました」

-北米サッカーはJリーグとはサッカーのスタイルが違うと思うのですが、ゴールキーパーということで、その辺はあまり気になりませんか?

 「逆にゴールキーパーというところで、ゴールキーパーとしての能力がより求められると思いましたし、単純にシュートを止める能力だったり、クロスボールに出る、ボールを配球する、ディフェンスラインの裏のカバーだったり、リーダーシップだったり、いろんなものが日本よりも求められるのかなっていう風には感じました。
 自分がゴールキーパーとしてもっともっとレベルを上げたいっていうふうに考えた時に、魅力的なリーグだと思いましたし、世界的な選手も多くいて、そういった選手とプレーしたり対戦したりすることで、自分自身成長できるんじゃないのかなと思いました」

―チームも高丘選手に期待していると思いますが、高丘選手自身ホワイトキャップスとして、こういうプレーを見てもらいたいとか、目標とかビジョンというのはありますか?

 「日本人のゴールキーパーがMLSに来たっていうのは初めてのことだって聞いていますし、自分がどういうプレーをするかっていうのが、MLSの日本人ゴールキーパーに対する評価に直結する部分があると思うので、そういった意味では責任があると思います。
 『日本人のキーパーは優れているぞ』っていうのを示していかないといけないと思ってますし、これから自分が活躍するだけじゃなくて、次にMLSでプレーしたいゴールキーパーがもしかして日本にいるかもしれないので、道を作ってあげられるように、しっかり責任感のあるプレーをしないといけないなという気持ちでいます」

-バンクーバーには比較的大きな日系コミュニティがあるのですが、今回Jリーグから高丘選手が移籍してくるかもしれないとニュースを聞いて期待しています。コミュニティに一言いただけますか?

 「ここに来る前に、バンクーバーには日本人の方がすごい多く住まれているっていうのは聞いていましたし、そういった日本の方たちと触れ合う機会があるっていうのは、僕にとって非常に楽しみです。
 初めての海外生活で、なかなか僕自身もわからないことがいっぱいあるので、そういったところでサポートとしていただくことがもしかしてあるかもしれないですし、僕自身まずはバンクーバー・ホワイトキャップスでしっかり活躍することで、皆さんにいいニュースを届けられたらいいなと思っています。
 もし街中で見かけたりしたら声をかけてほしいですし、皆さんといい関係をこれから築いていきたいなという風に思っています」

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 高丘選手は、数日前からチームに合流し、「みんな親切で快く受け入れてくれています」といい雰囲気で過ごしているという。本当にいいチームに入団できたと思うと話し、「ピッチで感謝の気持ちを返していきたい」と語った。

 チームメートとは英語でやり取りしているという。話す方はまだ「日本語みたいにぽんぽん、ぽんぽん出てくるわけではないので改善の余地あり」で、聞き取りは「深い話とかをされるとちょっとわかんないですというレベルです」と笑った。

 チームは2月18日にバンクーバーに帰ってくる。今シーズンは2月25日、本拠地BCプレースでのリアル・ソルトレイク戦で幕を開ける。

 高丘陽平選手がMLS初の日本人ゴールキーパーとして、どのようなプレーを見せてくれるのか。ファンも、日系コミュニティも、大きな期待を持ってデビュー戦を待ち望んでいる。

バンクーバー・ホワイトキャップスFCウェブサイト https://www.whitecapsfc.com/

高丘陽平(たかおか・ようへい)

ポジション・GK
2018年からJ2鳥栖に加入、20年10月にJ1横浜F・マリノスに。J1通算111試合出場。
神奈川県出身・26歳。

(取材 三島直美)

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