バンクーバーの非営利団体・隣組理事で元事務局長のデイビッド岩浅氏への令和4年度(2022年度)外務大臣表彰伝達式が1月31日、在バンクーバー日本国総領事公邸で行われた。
岩浅氏は、「隣組」理事としてシニアを中心としたさまざまな年代が健康で自立した生活を送るための支援や、東日本大震災の際にはバンクーバーでの募金・救援活動をまとめるなど、「日系コミュニティのリーダーの一人として多大な貢献」をした功績が認められての受賞となった。
「デイビッドさんと隣組関係者の方々に敬意」
在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事はあいさつで、バンクーバーに着任して早々の昨年10月に隣組を訪問して初めて岩浅氏と会った時のことに触れ、「笑みを絶やさない、誰からも愛される、心の温かいお父さんみたいな人」という印象だったと岩浅氏に笑顔を向けた。
隣組でのボランティア活動やシニアの方々への思いやりを見て、「デイビッドさんや関係者の方々に敬意の念を抱きました」と称賛。
この日、公邸には家族や隣組関係者が多く出席し、「みなさんに見守られたデイビッドさんを今日ここで表彰できることを光栄に思います」と語り、「おめでとうございます」と祝った。
「日加が協力すれば世界をもっと良くできる」
岩浅氏は「外務大臣表彰をいただき光栄です」と喜びを表現した。自身が日加の相互理解に貢献した功績を認められたことに、丸山総領事をはじめ、これまで日系コミュニティとの関係を築いてきた歴代総領事たちにも感謝したいと述べた。
また結婚して50年以上となる夫人や家族へ感謝の思いを伝え、この日駆け付けた隣組関係者や友人・知人らの名前を呼び、全ての人が隣組の活動や日系コミュニティを支えていると感謝した。
「日本とカナダの関係が少しでも近いものになるように貢献できたことをうれしく思います。過去には二国間の関係が良いとは言えないこともありましたが、現在の関係がより良く続くことを願っていますし、日加が協力すれば世界をもっと良くできると思っています」と語った。
さらに、これが到着地点ではなくまだ多くのやるべきことがあると語り、「ここにいる皆さんと一緒にさらに良くしていけることを望んでいます」と日系コミュニティの未来へ目を向けた。
デイビッド岩浅(でいびっど・いわあさ)
日系3世、アルバータ州レイモンド生まれ。アルバータ州レスブリッジ大学、京都大学、ブリティッシュ・コロンビア州ブリティッシュコロンビア大学で経済を専攻。
1975年にカナダ連邦政府機関に入省、オタワ、ワシントンDC、パリ、東京で勤務した経験を持つ。2010年3月から2014年10月まで隣組の事務局長を務め、2017年から隣組理事。
隣組(となりぐみ)
1974年に創設された日系ボランティア団体。創設当初は日系1世や2世の日本語でのサービスを必要とするシニアを中心とした人々を助けるための活動を中心とした。その後、日系移民100周年記念「千金の夢」プロジェクト、パウエル祭、パウエルグランドへの桜植樹、さらに1988年のリドレス運動などに深くかかわった。
現在もシニアを中心に日本語を必要とする日系コミュニティの人々へのプログラム提供や支援活動をしている。www.tonarigumi.ca
(写真 斉藤光一/記事 編集部)
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