いよいよ来月に迫った日本遠征を前にバンクーバー朝日チームは2月17日、在バンクーバー日本国総領事公邸に丸山浩平総領事を訪問した。
遠征に参加する選手と家族、コーチらが、丸山総領事に試合への意気込みと文化交流への期待を伝えた。
「日加の新しい歴史の一ページに」
丸山総領事は100年以上がたつ公邸の歴史に触れ、日加の新しい歴史は若い人たちで作られていく「今回の日本遠征が日加の新しい歴史の一ページになると思います」と日加の若者の交流が再開したことを歓迎した。
日本の若者たちとの野球を通じたふれ合いや文化交流を「楽しんできてください」と言ったものの、「勝利を期待しています。応援しています」と激励。野球好きの一面をのぞかせた。
歓談では自身が野球少年だったことに触れ、「こういう国際的な交流ができることをうらやましく感じます。きょう選手たちの顔を見ていると本当に楽しみにしていることが伝わってきて、日本を楽しんで元気でやってきてほしいという気持ちで送り出したいです」と笑顔を見せた。
準備は万全、日本遠征がほんとに楽しみ
キャプテンKai Konkin選手にチーム状態を聞くと「(日本のチームは)かなり上手と聞いているけど、自分も、チームも、ここまで日本遠征のためにかなり練習してきたし、大丈夫。日本チームのレベルで自分たちがどんな試合できるかを試せるのもすごく楽しみ」と緊張した様子はない。「全試合勝てるようにがんばるだけ」と笑った。
野球以外にも選手や戦前の朝日軍の家族・関係者たち、地元の人々との交流の場も多く用意されている。友人が朝日でプレーしていたことがきっかけで2019・20年シーズンに朝日に参加したというKonkin選手は、日本遠征はもちろん初めて。コーチから聞いたり、オンラインで調べたりと日本のことや文化についても準備万端整っている。「友人やチームメートと日本で新しい経験ができることを期待しています」と目を輝かせた。
副会長でアシスタントコーチの福村十三男さんは、今回の遠征のために約1年練習してきたと明かした。新型コロナウイルス感染拡大で、2021年ツアーが中止となったため、今回は前回参加予定だった選手も数人含めていつもより多い20人が参加する。
さらに、これまでは関東や関西を巡っていたが、今回は初めて滞在先を1カ所にして、野球や文化交流で深く親睦を図る。神戸に滞在する12日間で合わせて7チームと試合または練習を行う。その中に女子野球2チームも含まれている。これも初めての試み。福村さんは「(女子野球チームの)本当に野球に対する取り組みがすごい」と昨秋訪れた時の感想を語り、「うちの選手たちにも一緒に野球をやることで絶対いい経験になると思うので楽しみです」と顔をほころばせた。
「もちろん勝ちにはこだわっていきたい」としながらも、今回の交流で5年先、10年先まで続く絆ができるといいと思うと期待した。
アシスタントキャプテンのTy Ando選手は「遠征から帰ってきたらまたお会いできることを楽しみにしています」と丸山総領事にあいさつし、総領事も「ぜひまたお越しください」と笑顔で応じた。
朝日チーム・ジャパンツアー
2015年を第1回として、2年に一度、朝日ベースボール・アソシエーションでプレーする選手から選抜チームを結成し日本に野球遠征している。新型コロナ感染拡大の影響で2021年は結果的に中止となった。
選手は主に13~15歳で編成されているが、2023年は2年前に遠征予定だった選手も参加し、最年長は17歳となる。今回の交流チームは、神戸球友ボーイズ、明石ボーイズ、小野ボーイズ、履正社高等学校(女子硬式野球部)、IPU環太平洋大学(女子硬式野球部)、 関西大学、三菱重工WEST硬式野球部。
2017、2019年の遠征では、横浜、静岡、滋賀、奈良などで親善試合を行なっている。毎回3月の春休みを利用して実施している。
(取材 三島直美/写真・映像 斉藤光一)
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