友きたる ~投稿千景~

エドサトウ

ビクトリアのエンプレスホテル前のハーバーフロント。奥はBC州議事堂。Photo by Ed Sato
ビクトリアのエンプレスホテル前のハーバーフロント。奥はBC州議事堂。Photo by Ed Sato

 高校時代からの友が日本からやって来た。彼は、当時、クラスの級長で、まとめ役をしていた優秀な学生であったが、反対に僕は成績の悪い生徒であった。が、なぜか高校時代から50年以上の交際が続き、お互いに年金暮らしとなり、カナダのパラダイスのようなお花畑のブチャートガーデンを散策すれば、まるで、天国で再会した友と友のようであった。懐かしく楽しいパラダイスのようなブッチャートガーデンの旅はこうして始まった。

 ビクトリア市に行くフェリーの中から見える初夏の青い空にふわりとながれる白い雲のように流れ来た僕の人生を振り返れば何か感慨深いものがある。「ゆく河のながれはたえずして、しかももとの水にあらず。よどみにうかぶうたかたは、かつきえ、かつむすびて、ひさしくとどまるためしなし。」とあるように高度成長、バブル経済などの昭和の時代に生きながらえたのは、河のなかに生育する水コケのようにしっかりと岩にかりと張り付き、どんな大波にも耐えしのび、無事に人生の晩年をむかえられたことは、運のよい人生であったと思うのである。

ビクトリア市内。Photo by Ed Sato
ビクトリア市内。Photo by Ed Sato

 彼は、電気配線の設計技師をしていたが、晩年はジャイカのボランティアの試験にパスをして、東南アジアで仕事をしていたが、後に本採用になり、海外での仕事を続けていたが、コロナで一時退職となり、そのまま年金暮らしとなり、ようやくカナダの旅の計画を練りバンクーバーまでやってきたのである。が、東部カナダ「赤毛のアン」のモデルになった公園を夫婦で見れることを楽しみにしていたが、飛行機の到着が1時間遅れたためにすべてのカナダ東部の旅がキャンセルとなり、急きょ僕のいるバンクーバーにもどってきたのである。それで僕が車を運転をして、ビクトリア行きのフェリーに乗り、出かけた小さな旅の最初に寄ったところが、僕たちにはパラダイスのように見えるブッチャートガーデンであった。

 花が好きな奥さんとガーデニングの仕事をしていた小生が花の印象を話をするのは、また新鮮な感じがして楽しかった。ロイヤル博物館は、明日からのカンボジアにあるアンコールワットの展示の準備のために見学はできなかったが、ビクトリアホテル前の海岸線を散策するのも気持ちが良かった。

(続く)

投稿千景
視点を変えると見え方が変わる。エドサトウさん独特の視点で世界を切り取る連載コラム「投稿千景」。
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