バンクーバーで “Back to The 80s”
強く明るいアメリカへのノスタルジー、だけでは終わらない80年代映画の魅力

バック・トゥ・ザ・フューチャーの一場面。Photo courtesy of VIFF
バック・トゥ・ザ・フューチャーの一場面。Photo courtesy of VIFF

 ようやく夏がやってきたバンクーバー。夏休みということもあり映画館では話題の大作が続々公開され、街のあちらこちらでは野外シアターが催される楽しい季節になってきましたね。そんな中、バンクーバーのダウンタウンにあるVIFFセンター(1181 Seymour St.)で行われている80s映画の大特集、その名もずばり「Back to the 80s」を今日はご紹介しようと思います。

 今の若者にも人気の80年代。Netflixの人気作「ストレンジャー・シングス」でも80年代カルチャーやファッションが再注目を集めたのも記憶に新しいところですよね。80年代の何がそんなに魅力なんでしょうか?今ほどCGI技術が発達しておらず、デジタルではなくフィルム撮影だった!と技術面の魅力を語る映画人もいれば、今だにハリソン・フォード、トム・クルーズ、シュワルツェネッガーが活躍していることからもわかる様に世代を超えた大スター!の映画がたくさんあったからという人も。でも今回のVIFFのラインアップを見れば納得しました。私にとっての80年代の魅力は、ずばり「もう一回映画館で観たい作品がいっぱいあるっ!」その一言です。

 今回VIFFで上映されるのはなんと60本。ざっと紹介すると「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「E.T.」、最新作が公開中のインディ・ジョーンズ第一作「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」、「ゴーストバスターズ」など今の子どもたちが見ても楽しめそうな作品がたくさんあります。そして、シュワルツェネッガーの”I’ll be Back”が聞ける「ターミネーター」、「ランボー」、「ロボコップ」、「マッドマックス」など、これでもか、という程のマッチョな強い主人公も続々登場。

 80年代はストリーミングサービスもなく、家庭用ビデオも出始めた頃。映画は映画館で観るのがまだまだ主流だったので、巨額の予算をかけたエンターテインメント大作がどんどん作られた時代だったんですね。私も早速「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を見て来たのですが、あの爆音とスピード感、そして音楽も合わせたわくわく感はやはり映画館で観るべき映画だなぁと実感しました。次は「レイダース」と「E.T.」も観る予定!いやもっと観るけど。

 80年代は消費社会と強いアメリカ、明るいアメリカの時代と言われます。映画にも今の価値観からすると表現や社会的弱者の描き方などで「えっ?」と思うところがあったりもします。でも楽しければ良い!的な映画だけではなく「プラトーン」、「エイリアン」、「9時から5時まで」、「ドゥ・ザ・ライトシング」、「マラノーチェ」など、戦争への批判、女性の強さ、差別問題などを扱った映画も作られていました。そこはさすがカナダのVIFFなので、明るく強いアメリカへのノスタルジーと称賛だけではなく、その辺にも焦点をあてて紹介しています。あとこの時代は音楽とのコラボもすごいです。「ゴーストバスターズ」、「ダーティーダンシング」、「フットルース」など映画のサントラがどんどん売れたのも80年代からだったので音楽好きの人にも楽しめるのではないでしょうか。

まずは上映リストをざーっと見てみてください。きっと観てみたい映画が見つかると思います。8月31日まで開催中。VIFF サイト: https://viff.org/

Lalaのシネマワールド
映画に魅せられて

バンクーバー在住の映画・ドラマ好きライターLalaさんによる映画に関するコラム。
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Lala(らら)
バンクーバー在住の映画・ドラマ好きライター
大好きな映画を観るためには広いカナダの西から東まで出かけます
良いストーリーには世界を豊にるす力があると信じてます
みなさん一緒に映画観ませんか!?