ブリティッシュ・コロンビア(BC)州の各地で9月20日、州内における性の多様化教育の導入について、賛成と反対、両者のデモが行われた。数千人が集まったとみられる。
バンクーバー市では1,000人以上、ビクトリア市の州議事堂前には2,500人が集まった。大部分のデモは平和的に行われたが、バンクーバーでは1人、ビクトリアでは2人の逮捕者が出た。ビクトリアでは、警察がデモを「安全でない」とし、議事堂周辺から立ち退くよう参加者に求めた。
デモのきっかけとなったのは1 Million March 4 Childrenと名乗るグループ。「学校における『ジェンダー・イデオロギー』反対のために立ち上がる」とし、学校教育における性的傾向とジェンダー・アイデンティティのプログラムSexual Orientation and Gender Identity(SOGI)への反対デモを実施。これに対し、SOGI支持派がデモを行ったかたちで、両者衝突。同様のイベントはカナダ各地で見られた。
B.C. Teachers’ Federation会長クリント・ジョンストン氏は「SOGIはBC州の主な政党の支持を受け、長期に渡って成功を収めている」と話し、反対派の主張は「SOGIでは教師が生徒に性別を変えさせようとしている」などという誤解や無知から生じていると懸念を示している。さらにSOGIについては、生徒が自分自身を含め全ての人々が学校内で自分らしくいることを学ぶためのものであり、人はそれぞれ異なるということ、多様な人々とどう共生し支え合うか考えていくものだと話している。
バンクーバー市ケン・シム市長は同日、今回のデモの前に声明を発表。いかなるヘイト差別も許さないとし「バンクーバーの2SLGBTQI+コミュニティのすべてのメンバー、特にトランスジェンダーであることを理由に標的にされている人々は、自分自身を愛し、祝福されるべきであり、市長と市議会が、偏見、憎悪、差別に立ち向かう際には、常に彼らの側に立っていることを知っていてほしい」と語っている。
(記事 編集部)
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