公共薬物摂取施設を巡りリッチモンド市議会が紛糾、VCHは設置を否定

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州リッチモンド市議会は2月13日、当局管理下の安全な「公共薬物摂取施設」のリッチモンド病院内設置について検討することを可決した。しかしその直後にバンクーバー・コスタルヘルス(VCH)が施設設置の可能性を否定した。

 13日の投票に先立ち、リッチモンド市では施設設置を巡って市民が猛反対した。12日の公聴会では市役所の外でデモが起きた。議会内部でも「ノー・ドラッグ!」などの声が上がり、マルコム・ブロディー市長がたしなめる場面も見られた。さらにオンライン署名では12日時点で約17,000人が署名した。

 市議会は13日に7対2で設置検討案を可決。それにより施設設置の判断はVCHに委ねられた。しかしVCHは即座にリッチモンドに単独の公共薬物摂取施設を置くことはないと発表した。

 VCHは、同施設は薬物リスクの高い人々が多く集中しているエリアに適しているとしリッチモンドには適さないとしている。VCHによると、リッチモンドはBC州の他の地域に比べて薬物による死亡率が低く、減少傾向にあるという。

(記事 編集部)

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