バンクーバー島の子どものシャチ、自力でラグーンから脱出

 バンクーバー島ゼバロスのラグーン(外海から隔てられた水深の浅い場所)から出られなくなっていた子どものシャチが4月26日、無事に海へと戻ったことがわかった。

 地元先住民エハッテサトによると、kʷiisaḥiʔis(クイザヘイエス、勇敢な小さなハンターの意)と名付けられたこのシャチは、同日午前2時30分ごろの満潮時刻に自分で砂州を泳いで抜け海へと到達。クイザヘイエスに餌をやり、ラグーンで遊んでいるのを見守っていた先住民の小グループがその一部始終を見届けたという。

 クイザヘイエスは約1カ月間、ラグーンから出られずにいた。地元の先住民と海洋哺乳類研究者、カナダ漁業海洋省(DFO)が、さまざまな方法で救出を試みていたが、いずれも成功しなかった。結局クイザヘイエスは自分自身で砂州を通り抜けた。

 CBCのインタビューに答えたバンクーバー水族館のマーティン・ハウレナ氏は海に出たクイザヘイエスはまず自分の群れに戻らなければならないと話している。まだ2歳で母親や家族のサポートが必要だが、母親はラグーンから出ようとして砂州に乗り上げて死亡した。ハウレナ氏は、群れが見つかれば家族はクイザヘイエスを受け入れるだろうと推測。そのためレスキューチームは、クイザヘイエスが人間に慣れすぎないように餌やりを含む接触をできるだけ避けていたという。

(記事 編集部)

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