第13回 終活IQと終活をしてもらいたい人~Let’s 海外終活~

終活は新しい大人のマナー

叶多範子

​​6月の風が心地よく吹き抜ける季節となりました。4月末から我が家の小さな庭の雑草抜きや、トマトなどを育てるための土作りに励んできましたが、なかなか暖かくならないので心配していました。このままバンクーバーのいつもの6月らしい、からっとした暖かな気候と天気が続くことを期待しています。

私は、このコラムを初回からこの回まで読んでくださっている読者の皆さんは、終活IQがぐっと上がっていると思っています。

終活IQというのは、私が勝手に作った造語で終活の知識が高い人のことを指します。(「終活IQ」という言葉は2024年6月8日の時点で、私がネットで検索し調べた限り、見つけることができませんでした)

私がここまで書いてきたことを「ほとんど全部知っていた!無意識だったが、やっていた!!」という方がいらっしゃったら、まさに「お見事!」です。

そんな素晴らしい方へはお世辞でも嫌味でもなく、私は心からの賞賛と拍手を送りたいです。ただ残念ながら、そのような方はほんのごく一部で、ほとんどの方が「知らなかった!」「そんなふうに思ったことや考えたことがなかった」のではないでしょうか?

大丈夫です!これからも少しずつでも終活IQをあげていきたいと思われましたら、ぜひこのコラムを毎月、ご愛読の上、ご自身のできることから始めてみてください。

でも実は、終活IQを上げて終活してほしいのは自分ではなく、〇〇なんです!という方も多いのではないでしょうか。

同様に「〇〇に終活してもらうにはどうしたらいいですか?」という質問は、私への質問やご相談でもトップ5に入ります。

そして、この〇〇に入る言葉のトップ2は、「親」または「配偶者」です。

そう、「母親にしてほしい!」「旦那がやってくれないと困るのに、やってくれない」と言われる方が多いのです。

たとえば、おいしいパン屋さんやラーメン屋さんを教えて!と聞かれたら、自分が実際に食べておいしかったところをおすすめしますよね?自分が食べたことのないパン屋さんやラーメン屋さんのおいしさや良さを伝えるのは難しいです。終活もこれと同じです。まずは自分自身が終活IQを増やし、終活をしてみてください。やったことがない人に対して、どんなに必要性や重要性を訴えても、心に響かないものです。

なので、まずはご自身でやってみてくださいとお伝えしています。

私がいくらこの紙面で終活の大切さや効果をお伝えしても、実際にやってみない限り、多くの方にはなかなか実感がわかないでしょう。しかし、実際に終活を始めることで、これまでお伝えしてきたことが具体的に理解できるようになります。点と点が繋がり、線となるように、すっと腑に落ちる瞬間がきっとあるはずです。

終活をしたことで、「話題が増えた」「夫婦で考える機会が増えた」「相手がやってくれない場合に備えて、自分が困らないようにするための必要最低限のことが分かった」といった声が多く寄せられています。こういった終活の効果の広がりを、ぜひご自分から始めることで実感してみてください。

*このコラムは終活に関する一般的な知識や情報提供を目的とするものです。内容の正確さには努めておりますが、必要に応じてご自身で確認、または専門家へご相談ください。このコラムを元にして起きた不利益は免責とさせていただきます。

「Let’s海外終活~終活は新しい大人のマナー」の第1回からのコラムはこちらから。

叶多範子(かなだ・のりこ)

海外終活アドバイザー・弁護士アシスタント
「終活をせずに亡くなった!認知症になって困った!途方に暮れた!!」を、「終活しておいて良かった!」「終活してくれていて、ありがとう!」に変えたい!そんな思いから2020年に終活アドバイザー資格を取得。海外在住の日本人向けの「海外終活」についての講座や説明会、ご相談はブログやFacebookなどのSNSをご覧ください。家族はカナダ人の夫+息子2人+猫1匹、バンクーバー在住。

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