日本の人気ファッション雑誌とコラボするという斬新なアイデアで日本市場を開拓しようとしているバンクーバーのGifts and Things。「お土産物屋さん」ではなくバンクーバーのお洒落なギフトショップとして日本での知名度を上げるのが狙いだ。
「カナダと言ったら “Gifts and Things”となるといいなと思います」と笑うオーナーの佐藤広樹さんに話を聞いた。
日本向けウェブサイトを開設
バンクーバー市でも特に観光客に人気のガスタウンにあるGifts and Things。ガスタウンの象徴「蒸気時計」に近く絶好のロケーションだ。店内には商品が見やすくディスプレイされ、心地よくショッピングできるよう考えられている。
そんなバンクーバーのGifts and Thingsが日本での購入専用ウェブサイトを今年4月に開設した。販売するのは日本向け商品。「オリジナル商品を扱っています。日本の人たちに見てもらって購入してもらえるように、日本販売専用のホームページを作りました」
バンクーバーの商品を日本へ持って行って販売するのは費用がかかる。しかも「そうするとただの販売になってしまって、普通の商品を売ってるだけになってしまいます」。Gifts and Thingsの名前が目立たないという。だから「オリジナルを出して、(Gifts and Thingsの)名前を知ってもらえばいいと思って」。
そして日本で「名前を知ってもらう」ための方法として雑誌とのコラボを思いついた。
人気ファッション雑誌FUDGEとコラボ
雑誌掲載となったとき、従来なら旅行雑誌に「お勧めのお土産物」として掲載されていたが、そこは発想を転換。若者に人気のファッション雑誌「FUDGE」(発行:株式会社三栄)を選んだ。
「(FUDGEの人も)カナダでお洒落な雑貨を販売しているお店だってことを理解してくれて、今回紹介していただいて」。バンクーバー店で販売している人気のアイテム、ジェリーキャットやカラフルな動物柄の靴下などが4月13日に発売された5月号とFUDGEの公式WEBサイトに掲載された。
それに合わせて掲載記念としてバンクーバーで扱っているGifts and Thingsの名前入りオリジナルトートバッグを日本で1カ月限定販売。「FUDGEの雑誌を見てこのお店気になったなと思ってくれた人がロゴの入ったバッグを欲しいと思って買ってくれると名前が広がるなと思って。価格を抑えて販売しました」
日本に数あるファッション雑誌の中からFUDGEを選んだのは、バンクーバー店のスタッフからの勧めだった。「日本に住んでいた時に海外に興味がある人が読む雑誌がFUDGEで」というのは店長の久保ゆうやさん。日本にいる時にはアパレル業界で働いていた経験もありファッション雑誌にも詳しい。佐藤さんは「うちの若い人たちがみんなFUDGEを知っていたので。教えてもらわなかったら私は分からなかったんです」と笑う。
FUDGEの魅力は雑誌だけでなくインスタグラムのフォロワーが多いこと。「ストーリーズにあげてもらったのでそこから見てくれた人も多いと思います」
そうして日本でのGifts and Thingsの名前が知られて行くとカナダに来た時に「あッ、Gifts and Thingsの商品!ってイメージで入ってきてくれるかなと。そしたらバンクーバーのお店も広がっていくかなと」と話す。「そういう活動を今後数年かけてブランディングしていこうかなと思っています。FUDGE掲載がその第1歩ですね」
後編に続く。
佐藤広樹(さとう・ひろき)
Crescent Moon Enterprises Ltd.オーナー・代表取締役
1998年ウィスラーにSMILE GIFT、2008年バンクーバー市ガスタウンにSmileys Giftを開店し2020年GIFTS AND THINGSに改名
Gifts and Things
359 Water Street, Vancouver
TEL: 604-632-0155
ウェブサイト:https://www.giftsandthings.info/
インスタグラム: https://www.instagram.com/giftsandthings.ca/
(取材 三島直美)
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