BC州中央部で大規模な地滑り、チルコティン川からフレイザー川にがれきが流出

BC州中央部を流れるチルコティン川、ダムが決壊してがれきが流れ出している。2024年8月7日。Photo courtesy of BC government
BC州中央部を流れるチルコティン川、ダムが決壊してがれきが流れ出している。2024年8月7日。Photo courtesy of BC government

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州中央部ウイリアム・レイク市から南西約100キロメートルの地点で、7月31日に大規模な地滑りが発生した。その結果、チルコティン川がせき止められ11キロに渡ってできたダムが決壊、8月8日にはメトロバンクーバーまでがれきが流れ着いた。

 BC州政府ボーイン・マー危機管理大臣は当初の発表で、最善のシナリオは水がダムの上を緩やかに流れ、土石流が発生しないことと話していた。一方で最悪の場合にはダムの突然の決壊によって水が一気にチルコティン川とフレイザー川に流れ込むことが考えられると予測した。

 これを受けて州政府は8月2日に緊急警報を発令。ハンスヴィル・ブリッジとフレイザー川合流地点との間のチルコティン川付近にいる人々にただちに避難するよう呼びかけた。

 その後8月3日には、最新の予測で水がダムの上を自然に流れる可能性が高いという結果が出たと発表。下流地域における土砂災害のリスクは当初予想されていたよりも小さいと推測された。

 しかしBC州ネイサン・カレン天然資源大臣は「予想はモデルであって保証はない」と述べ、マー大臣によるとBC州政府はリルエットの入院患者の移動や家畜2,500頭の避難など必要な措置を取り災害の可能性に備えていたという。

 結局大災害になることは避けられたが、チルコティン川とフレイザー川はサーモンが遡上してくる川として知られ、周辺のサーモン漁を生業としている先住民族からは今後の影響を懸念する声が上がっている。

(記事 編集部)

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