BC州選挙、NDPも保守党も過半数に届かず結果は最終集計へ持ち越し

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州議会議員選挙は激戦の末、最終結果は再集計を含めた最終集計に持ち込まれることになった。

 大雨に見舞われた10月19日に行われた投票の結果は、BCNDP(新民主党)が46議席、BC保守党45議席、BCグリーン党2議席。ただ、BC州では候補者の1位と2位の得票数の差が100票以下の場合は自動的に再集計となる。

 BC選挙管理委員会によると、2選挙区、Juan de Fuca Malahat選挙区とSurrey City Centre選挙区が再集計される。

 さらに、投開票日までの集計に含まれていない一部の票も集計され、最終結果として発表される。一部の票とは、期日前投票後に届いた郵送投票と、機械集計が設置されていない投票所での投票。今回の投票では機械による集計ができる投票用紙が初めて導入されたが、一部の地域では設置されていなかった。こうした投票は同一有権者が複数投票していないか確認する必要があるため、投開票日の集計には含まれないという。

 現在の発表では、当選確実はBCNDPが40議席、BC保守党が41議席、BCグリーン党が2議席。残りの議席で獲得票数が1位は、BCNDPが6議席、BC保守党4議席。最終集計次第では、獲得議席数が変わる可能性がある。過半数は47議席。

 BCNDPデイビッド・イービー党首は19日の結果発表後に集まった支援者に向けて保守党との激戦結果に「もっとがんばらなければならない。それがブリティッシュ・コロンビア州民への約束だ」と厳しい表情で語った。

 一方BC保守党ジョン・ラスタッド党首は支援者を前に「ブリティッシュ・コロンビア州民は変化を渇望していることが分かった」と述べ、最終集計で政権奪取できることを期待していると笑顔で語った。

 最終集計は10月26日から28日に行われる。

BCグリーン党2議席確保も党首は落選、BCNDPは5大臣が落選

 選挙期間に入ってからの世論調査でも両党の支持率は拮抗し、接戦が予想されたが、結果はBC州をほぼ二分した形となった。

 そんな中、BCグリーン党は2議席を獲得した。BCNDPもしくはBC保守党が単独過半数に届かなかった場合、2017年同様に鍵を握るのはBCグリーン党となる。しかし、選挙区を変更して臨んだソニア・ファーステノー党首が落選。今後、党としてどのような対策をするのかが注目される。

 BCNDPでは2020年の選挙で国会議員から州議員となったBC州北西部Bulkley Valley-Stikine選挙区、元資源管理大臣ネイサン・カレン氏が落選。天然資源が豊富な地域を選挙区に持つ中で公有地の決定権を先住民グループと共有する道を開く土地法の改正を強引に推し進めようとしたことが土地所有者や資源産業からの強い反発を受けたことが原因とみられている。Surrey North選挙区の元教育大臣Rachna Singh氏も保守党候補に敗れた。

 BCユナイテッド党から出馬予定だったが党の事情で無所属で臨んだ5候補は全員落選した。

BC保守党、前回選挙当選者ゼロから45議席に躍進

 BC保守党がBC州選挙で議席を獲得するのは約100年ぶり。前回当選したのは1928年という。2020年の選挙では得票率は約2%で議席はゼロ。それが今回は現時点では45議席獲得している。

 ラスタッド氏が党首についたのは2023年。2005年に自由党から初当選しているベテラン議員で、前回選挙もBC自由党として当選したが、2022年に除名された。

 今回の選挙戦では物議を醸す言動も見られたが、結果は大躍進。特にメトロバンクーバーではサレー市やリッチモンド市、フレーザーバレー、州中央から北部の選挙区で議席を伸ばした。

(記事 編集部)

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