カナダ最大の貨物港バンクーバー港を含むブリティッシュ・コロンビア州の港湾で労使交渉決裂により操業停止となる可能性が出てきた。
700人以上の現場監督を代表する労働組合インターナショナル・ロングショア・アンド・ウェアハウス・ユニオン(ILWU)Local 514がストライキ実施72時間前を通告。実施されれば11月4日午前8時からストライキに突入する。
これに対抗するため会社側BCマリタイム・エンプロイヤーズ・アソシエーション(BCMEA)は、11月4日午前9時から「防御的な措置」としてILWU組合員を職場から締め出す「施設封鎖」を実施するとILWU組合員に通告したと11月1日、発表した。実施されればBC州の港湾全ての貨物業務が停止する。
組合側は、ストライキは超過勤務禁止などの限定的なもので、BCMEAの完全施設封鎖は過剰反応だと批判している。さらに、10月31日に予定されていた交渉最終日にBCMEAが欠席したことも非難している。
BCMEAは今回の措置は組合側の強硬姿勢を考慮した結果で、組合がスト通告を撤回するなら施設封鎖通告を取り下げるとしている。
両者は今週3日に及ぶ調停による交渉を重ねたが合意には至らなかったという。前回の労働協定は2023年3月に失効している。
バンクーバー港では今年すでに2回のストライキが実施されている。8月にはカナダの主要鉄道会社2社に関連して、9月には複数の穀物ターミナルで数日間ストライキが実施された。昨年には港湾労働者のストライキが13日間にわたり、カナダ経済に大きな影響を与えた。
クリスマス商戦が始まるこのタイミングで今回またストライキ、もしくは施設封鎖で港湾機能が停止すれば、経済的な打撃は大きいという。鉄道会社の場合と同様に連邦政府が介入するかが注目される。
カナダ第2のケベック州モントリオール港湾でも現在部分的ストライキが実施されている。
(記事 編集部)
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