
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市で3月2日~9日まで、市内のレストランやバーが参加した「バンクーバー・カクテルウィーク」を開催。8日には28の酒ブランドが一同に会しカクテルを提供する「ブラック&ホワイト・ガラ」も催し、多くの来場者が特製カクテルを楽しんだ。
The Alchemist 主催、今年で4回目
蒸留酒、スピリッツ、カクテル関連の専門誌The Alchemist が主催し今年で4回目となる「バンクーバー・カクテルウィーク」。バンクーバーのバーテンダーたちが作り出す多彩なカクテル文化を楽しんでもらおう、と毎年同時期に開催されている。
市内ホテルで開催された「ブラック&ホワイト・ガラ」には約350人のゲストが来場。「JOHNNIE WALKER」「DON JULIO」「STREGA」「TANQUERAY NO.TEN」などと共に、日本の「NIKKA」「白鶴」「海知」「霧島」「MASUMI」「宝山」「英勲」も参加。それぞれのブースで趣向を凝らしたカクテルを提供し参加者を楽しませた。
「白鶴」のバンクーバーエリア販売担当者ジェナ・ゴゴさんは「日本料理が大きく受け入れられているバンクーバーエリアでは、酒への認知度はとても高いと言える。今回のイベントでは、まだ知らない人も多い「にごり酒」と「梅酒」を用意してさらに酒への楽しみを広げてもらえればと期待している」と話し、プラム色とオレンジ色のカクテルを紹介した。

「NIKKA」ブースでは日本から参加したバーテンダーの斎藤久嗣さんが「バンクーバーでも日本のウィスキーを好んでくださる方が多いようでうれしく思っている」と話し、「カクテルなどでいろいろな楽しみ方を試してみる人は日本より多いと感じている。それぞれが気に入ったニッカウィスキーを見つけてもらえればうれしい」とシェイカーを振った。

「黒霧島」のブースではオレオクッキーとホイップクリームを合わせたカクテルを提供。霧島酒造の田浦壽人さんは「(バンクーバーでは)日本酒が多くの酒店やレストランに置いてあり焼酎も少しずつ認知度が上がっている」と手ごたえを話し、「焼酎は甘味とも合うので、バーテンダーの方が作ってくれた今日のカクテルで新しい焼酎の魅力を発見してもらえるのでは」と期待した。
BC州日本酒協会(The Sake Association of British Columbia : SABC)の小西隆之代表は「日本にはカナダの市場に参画したいと思っている良い酒蔵さんがたくさんある。市や国の規制で思うように進まないこともあるが、ようやく定着してきた日本酒をもっと広めるためにも、これからも努力していきたい」と今回のイベント参加への意義を話した。

イベントを主催したThe Alchemist 誌発行者のゲイル・ニュージェントさんは「(新型)コロナ(ウイルス)禍でダメージを受けたバーやレストランを活気付けれたらと2022年に始めたが、今ではそれ以上にバンクーバーの豊かなバーやカクテルの文化を楽しんでもらえるイベントに成長した」と大成功に終わったイベントを振り返った。今回は日本からの参加も多かったが、「寿司レストランでお馴染みの日本酒、という概念を超えたすばらしいカクテルを提供してもらい多くの来場者がその魅力を再発見したと思う」と話した。今年の10月にはトロント市でも初の開催を予定しており、「バンクーバーと同様に多様なレストラン、バーがあり各国からの来店客が集まる街。より多くの人にカクテルの魅力を知ってもらえれば」と期待した。



(取材 Michiru Miyai)
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