カナダ下院総選挙まで1週間を切るなかで、保守党のピエール・ポワリエブル党首が4月22日に選挙公約を発表した。「変化」をキャッチフレーズに掲げ、財政赤字を70%削減すると同時に所得税の引き下げを行うとしている。
減税は200億ドル規模で、連邦所得税の15%削減、住宅購入時の消費税減税、カナダ製自動車の消費税減税などが含まれている。連邦所得税は最低区分について税率を現行の15%から12.75%にする。公約によると、これにより労働者は毎年900ドル、一般世帯では毎年1,800ドルの減税になるという。連邦所得税15%削減は4年かけて段階的に実施される。
赤字削減についてポワリエブル党首は、官僚システムやコンサルティング、対外援助などの支出を抑えながら、資源関連産業の雇用による成長促進で実現すると述べた。今後4年間の赤字額は1,000億ドルと試算している。今年度に見込んでいる財政赤字468億ドルは増収と支出削減で313億ドルまで減らせるという。
さらに公約では、自由党と同じく、アメリカへの報復関税による200億ドルの税収を見込んでいる。ポワリエブル党首はこの増収分を、減税と関税で直接的に影響を受ける産業への支援に充てるとしている。
保守党の公約に対し、自由党のマーク・カーニー党首は「実体のない数字が並んでいる」と批判している。
自由党、新民主党、ケベック連合党はすでに公約を発表している。保守党が公約を発表したのは期日前投票が終了した翌日。投開票は4月28日に実施される。
(記事 高城玲)
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