「人と違う幸せを望む道」On Swift Horses

左からリー(ポウルター)、ミュリエル(エドガー=ジョーンズ)、ジュリアス(エロルディ)。Courtesy of 2025 Sony Pictures Classics
左からリー(ポウルター)、ミュリエル(エドガー=ジョーンズ)、ジュリアス(エロルディ)。Courtesy of 2025 Sony Pictures Classics

 舞台は50年代のアメリカ。年頃の男女は普通に結婚して家を買い、家庭をもうけるのが当たり前だった時代。ミュリエル(デイジー・エドガー=ジョーンズ)はカンザスで親から受け継いだ家で婚約者のリー(ポールター)と住んでいる。ある日韓国での兵役を終えたリーの弟、ジュリアス(ジェイコブ・エロルディ)が訪ねてくる。「大好きな弟だけど、彼は僕たちとどこか違うんだ」とリーは忠告するが、ミュリエルとジュリアスはソウルメートのように仲良くなる。やがてカリフォルニアに住みたいというリーの願いでミュリエルはサンディエゴへ、ジュリアスは一人でラスベガスへと向かう。ストーリーはミュリエルとジュリアス、それぞれのギャンブルと同性愛など二人の共通点を並行しながら進む。

 監督はこれが長編映画2作目となるダニエル・ミナハンで、主演は過去に「プリシラ(2023)」でエルビス・プレスリーを演じたカリスマ性のあるジェイコブ・エロルディと、可憐なデイジー・エドガー=ジョーンズ。共演も素敵なキャストでウィル・ポールター、ディエゴ・カルヴァとサーシャ・カレ。カナダ人シネマトグラファーのルーク・モンペリエによる撮影テクニックも見逃せない。どちらかというとハリウッドの賞狙いでなく、内容もレアで濃い。昨年のトロント国際映画祭でプレミア上映した作品。

 目の前にある普通の幸せより自分の本質に忠実になりたい。だが人と違う道には新たな試練がある。主人公たちの行方を見守りながら、友達と一緒に最後のシーンについて語りたくなる映画。バンクーバー公開は4月25日から。

Coutesy of 2025 Sony Pictures Classics
Coutesy of 2025 Sony Pictures Classics

(記事 Jenna Park)

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