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国境閉鎖1カ月延長、ホテル隔離も継続、さらなる水際強化策も検討

カナダBC州とアメリカ・ワシントン州との国境にあるピースアーチ。Photo by Keiko Nishikawa
カナダBC州とアメリカ・ワシントン州との国境にあるピースアーチ。Photo by Keiko Nishikawa

 カナダとアメリカの国境閉鎖が1カ月延長された。ビル・ブレア公安大臣は、必要不可欠な移動以外のカナダ・アメリカの往来を5月21日まで延長すると発表した。

 アメリカ以外からのカナダ入国についても5月21日まで規制を延長すると発表した。

 現在空路で入国する渡航者に対して義務化している空港での新型コロナ検査とホテル隔離についても5月21日までとする。

 今年2月22日から始まったホテル隔離策は、空港で受けた検査結果が出るまで、カナダ政府が指定したホテルに自費で3日間滞在しなければならないというもの。導入当初は3日間で2000ドルとされていたが、実際には費用はホテルによってかなり差があり、滞在日数も1泊の場合もあることが明らかになっている。ただし、前払いした3日間の滞在費は返金されない。

 アメリカから陸路入国の場合には、入国時の検査とホテル隔離は実施されていない。陸路でも、空路でも、72時間前新型コロナ検査陰性証明の提示は義務化されている。

 ブレア大臣は自身のツイッターに「新型コロナウイルス感染者が増加し、変異株も急増する中で、国民の安全を守るために必要な措置を取らなければならない」と投稿したが、変異株が急増する国からの入国に対してカナダは現在特別な対策を講じていない。

 記者会見したジャスティン・トルドー首相は、「カナダの水際対策は世界でもっとも厳しい」と説明した。しかし必要となれば新たな対策を講じることも辞さないとして、現在イギリスが実施しているインドからの便の一時停止を注視していると語った。イギリスではインドを入国禁止対象国に加えている。

 インドでは1つのウイルス内で2つの変異がみられる「二重変異株」が確認されている。イギリス保健当局は、感染力の強さについては現在調査中という。ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー空港に到着する国際線の中に、インドからの便に感染者が搭乗しているケースが多く報告されている。

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BC州で40歳以上がアストラゼネカ製ワクチン接種可能に

BC州アストラゼネカ製ワクチン接種特定地域。From BC government twitter
BC州40歳以上を対象としたアストラゼネカ製ワクチン接種特定地域。From BC government twitter

 アストラゼネカ製ワクチンについて、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で薬局での接種可能年齢が55歳以上から40歳以上へと拡大された。

 アストラゼネカ製ワクチンについては、きわめて稀に血栓を発症する可能性があるため、予防接種に関する諮問委員会(NACI)が55歳以上の接種一時停止を勧告している。ただカナダ保健省は18歳以上への接種を承認している。

 この日、会見したBC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士は「リスクよりも感染防止効果が上回る」と有効性について言及した。これまでのイギリスやアメリカ、BC州でのデータを基に血栓が生じる確率は非常に低いと説明、「40歳から59歳、60代の入院患者が増加する中で、少しでも重症化する感染者を減らすために有効」と語った。

 この日から40歳以上(1981年以前生まれ)が近くの薬局で予約して、接種できる。また一部の感染者が急増しているコミュニティを対象に、アストラゼネカ製ワクチン接種を積極的に行うことも発表した。

 この日は公衆衛生命令で3月29日から実施されている3週間の「サーキットブレイカー」と呼ばれる感染封じ込め措置最終日だったが、5週間の延長が発表された。この措置が終わるころには、州内のワクチン接種対象となっている18歳以上の約60パーセントがワクチン接種を終える予定とこの日会見したジョン・ホーガン州首相が説明した。

アストラゼネカ製ワクチン16万回分がBC州に

 この日の発表ではアストラゼネカ製ワクチンについて、4月14日時点で、114,171回分がすでに接種され、このうち91,000回分は薬局での接種と明らかにした。

 現在州内には約88,000回分があり、これを一般の40歳以上に接種する。

 さらにアメリカから供給される75,000回分を、特に新型コロナの感染拡大の危険性が高いコミュニティの40歳以上接種に使用するという。この特定コミュニティには、スココミッシュやノースサレー、ポートコッキトラムが含まれている。これらのコミュニティ在住者はまずは登録して接種となる。詳しくはBC州ウェブサイトで。https://www2.gov.bc.ca/gov/content/covid-19/vaccine/pharmacy

40歳以上アストラゼネカ製ワクチン接種についてはこちらから。https://www2.gov.bc.ca/gov/content/covid-19/vaccine/pharmacy

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BC州規制強化措置5週間延長、5月のロングウィークエンドまでに

公衆衛生命令の延長を示すツィート。©The Government of British Columbia

 新型コロナウイルス感染拡大第3波にあるブリティッシュ・コロンビア(BC)州で、3月29日から実施されている規制強化措置が5週間延長された。

 公衆衛生命令で「サーキットブレイカー」と呼ばれる感染封じ込め措置は3週間の期間限定として発表されこの日が期限だったが、5月25日零時までとなった。5月のロングウィークエンドが終わるまでが強化措置期間となる。

 この日会見したジョン・ホーガン州首相は、夏には規制を緩和できるように今厳しい措置を取る必要があると語った。さらに、今回の延長に加えて、保健区域の境界を超える移動制限、旅行予約やBCフェリーの利用も制限するという。これらの詳細は今週公安大臣が発表する予定。ただオンタリオ州で実施しているようなロックダウンや保健区域境界での取り締まりなどは行わないと断言した。屋外での10人までの活動も継続される。

 BC州では3月末から感染者が急増し、現在は毎日約1,000人の新規感染者が確認されている。ワクチン接種も進む中で、医療体制の崩壊を招かないためにも必要な措置と説明した。強化措置が終了するころまでには州内のワクチン接種対象者約60パーセントが接種を終える予定という。

 ワクチン接種については、この日から薬局でのアストラゼネカ製ワクチン接種を40歳以上に拡大すると発表した。

5月25日まで延長される措置は以下のとおり。

  • すべての不必要な移動を避ける。
  • 宗教的行事の室内活動は3月28日から5月13日まで停止。
  • レストラン、バー、パブなどの飲食を提供する施設では、テイクアウトまたはデリバリーサービスのみとする。ただし、屋外のパティオは可。
  • パティオで食事をする場合でも家族やこれまでの親しい交友範囲内(Core Bubble)の人に限る。
  • 屋内でのすべての大人向けグループフィットネス活動の停止。ジムやフィットネスセンターでは1対1のパーソナルトレーニングなどの個人活動のみとする。
  • ウィスラー・ブラッコムスキーリゾートは営業停止する。
  • 職場での新型コロナウイルス感染クラスターが発生した場合には、最低10日間の営業停止命令を受けることがある。

5月25日までの規制措置詳細はBC州政府ウェブサイトで。 https://www2.gov.bc.ca/gov/content/covid-19/info/restrictions

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ファイザー製ワクチン800万回分追加供給

canada vaccine

 ジャスティン・トルドー首相は朝の会見で、ファイザー製ワクチン800万回分が追加で供給されると発表した。「これによりカナダに届くワクチンは6月末までに合わせて4800万回から5000万回分となる」と語った。

 ファイザー・バイオテック製ワクチンは、5月末まで毎週約100万回分が、6月には毎週200万回分に近い量が供給される予定だが、今回の発表はこれに追加される。

 アニタ・アナンド公共サービス・調達大臣によると追加供給は、5月に400万回分、6月は200万回分と7月供給予定の40万回分を前倒し、そして7月には200万回分が追加されるという。

 ファイザー製は2月に一時期供給が予定を下回ったが、4月から安定し、5月に加速する。

 一方、モデルナ製が予定通りに供給されないことが明らかになった。予定通りなら来週から供給が始まり4月末までに届くはずだった120万回分は、65万回分に減少。さらに第2四半期に届く予定だった1230万回分も第3四半期にずれ込む可能性が高いという。

 アナンド大臣は「(モデルナについては)残念なニュースではあるが、カナダ政府は引き続き不安定なワクチン供給の中、国民にワクチンを届ける努力をしていく」と語った。

 カナダでは4社のワクチンが承認されている。54歳以下への接種が一時停止されているイギリスのアストラゼネカ製ワクチンについては、6月末までに410万回が届く予定で、6月から9月にはさらに供給量が増える。BC州では55歳から65歳に接種が行われている。

 いまだ全く供給されていないアメリカのジョンソン&ジョンソン製は4月最終週に30万回分が届く予定。アナンド大臣によると第2四半期の後半にはかなりの量が供給されるという。接種回数1回のジョンソン&ジョンソン製は国境再開に向けて大きな鍵となる。

 アメリカ、カナダの経済界からは、国境再開を要望する声が上がっている。ただドミニク・ルブラン政府間関係大臣は、CBCの番組でアメリカ政府と現時点で国境再開の話し合いは行われていないと語った。カナダ・アメリカの国境閉鎖期限は4月21日。

 カナダで供給されているワクチン数については、カナダ政府がウェブサイトで公開している。Vaccines for COVID-19: Shipments and deliveries

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新型コロナ感染の60%は変異株、40代50代の入院患者が急増

BC州が発表した4月のモデリング、接触率と感染者数の推移。From BC modelling April 2021
BC州が発表した4月のモデリング、接触率と感染者数の推移。From BC modelling April 2021

 新型コロナウイルス感染者が急増しているブリティッシュ・コロンビア(BC)州で、厳しい予測が発表された。

 この日4月のモデリングを発表したBC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士は、このままでいけば4月末には1日の新規感染者が3,000人になるとの表を発表した。

 この日の新規感染者数は1,205人で、現在の感染者数は10,052人、16,217人もが濃厚接触者として保健当局がモニタリングしている。

 現在新規感染者が最も多いのは19歳から39歳で、7日平均で1日約500人となっている。しかし入院患者数は、40歳から59歳で急増。7日平均で新規入院1日約6人だった3月末から最近では約15人と2倍以上に増えている。入院患者数が最も多いのは60歳から79歳だが、それを超える勢いだ。

 一方20歳から39歳の入院患者数は約5人とこれまでとほとんど変わらない。ヘンリー博士は、若い世代が感染して家に持ち帰り、両親や家族に感染している結果だろうと語った。80歳以上の入院患者も若者世代とほぼ同じで、ワクチン接種の効果とみている。

 この日発表された入院患者数は409人で過去最多。集中治療室(ICU)患者も125人で最多を更新した。

 BC州内の基本再生産数は1.37から1.26に減少しているものの、ヘンリー博士によれば接触率は現在55から60パーセント。このままで推移すれば爆発的に感染者が増加するという。

 それを防ぐためにも、現在の公衆衛生命令を州民全員が守り、これまでも抑えたように努力してほしいと語った。

BC州が発表した4月のモデリング、入院患者の推移。From BC modelling April 2021
BC州が発表した4月のモデリング、入院患者の推移。From BC modelling April 2021

BC州内での感染者の60パーセントが変異株に感染

 新型コロナ感染者のうち、4月4日から10日までの今年第14週には約60パーセントが変異株に感染していると明らかにした。

 変異株で最も多いのは、イギリスで最初に確認されたB.1.1.7でBC州全体では50パーセントを占める。次いでブラジル変異株P.1で49パーセント、残りは南アフリカ変異株B.1.351となっている。

 しかしヘルス区域別でみると、バンクーバーコスタルではブラジル変異株が最も多く約3分の2を占めているのに対し、フレーザーヘルスではイギリス変異株が3分の2となっている。

 変異株は第11週ごろから顕著になり、第12週には40パーセント、第13週には50パーセントと急速に主流となった。

 ヘンリー博士は変異株は感染力が強いと警鐘を鳴らす。ただ予防策は同じと強調する。「変異株は感染力が強いため、1人感染者がいると急速に広まる。しかし予防策としてやることはこれまでと同じ。たとえ外で会うとしても、できるだけ距離を取り、マスクを着用するなどしてほしい」と語った。

 屋内よりも屋外の方が感染しにくいことは間違いないとし、心身の健康のためにも屋外で家族や友人と新鮮な空気を楽しんでほしいが、会うのはコアバブルに限定するよう改めて要請した。

 現在19日までとしている3週間の感染強化措置の延長については言及しなかった。

BC州が発表した4月のモデリング、変異株急増の表。From BC modelling April 2021
BC州が発表した4月のモデリング、変異株急増の表。From BC modelling April 2021

4月15日発表されたBC州4月のモデリング: http://www.bccdc.ca/health-info/diseases-conditions/covid-19/modelling-projections

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薬物中毒対応への公衆衛生緊急事態宣言から5年、コロナで事態は悪化

Canada News by Vancouver Shinpo; Designed by ©Vancouver Shinpo

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州が違法薬物過剰摂取による死亡者数増加を食い止めるために発令した公衆衛生緊急事態宣言から5年となった。

 当時のBC州衛生管理局長ペリー・ケンダル博士により、2016年4月14日に発令された。全国でも初の試みで、これにより公衆衛生法に基づいて州の保健担当者が緊急権を行使することができるようになった。

 それが功を奏してか、2019年には違法薬物の過剰摂取による死亡者は減少へと転じたという。しかし2020年新型コロナウイルス感染が拡大すると事態は悪化した。

 BC検視局は14日、5年間で違法薬物使用による中毒死亡者は7,072人と発表。2020年だけで1,742人と最悪の数字となった。2021年に入っても1月、2月で329人が命を落としているという。

 新型コロナ感染拡大で人との接触を制限されているため、出回っている違法薬物を一人で使用する中毒者が急増したという。BC州では薬物中毒者が、安全な薬物を看護師などの専門家を常駐した施設で使用できるよう対策を講じている。違法薬物による死亡者を減らすのが目的。しかし、新型コロナがこうした薬物使用施設の利用を困難にし、サポートネットワークの規模も小さくなったため、頼るところがなく死者が急増したと説明した。

 昨年はBC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士も、機会があるごとに一人で薬物を使用しないよう、すぐに助けを呼べる人がいるところでのみ使用するよう呼び掛けていた。

 特に影響が大きかったのは先住民族コミュニティで、First Nations Health Authority(FNHA)の同日の報告によると、2020年1月から5月までに、89人の先住民が違法薬物中毒により死亡し、2019年の同時期と比較して93パーセント増加したという。先住民族がBC州人口の3.3パーセントなのに対し、この期間の薬物中毒死では16パーセントを占めている。

 FNHA局長シャノン・マクドナルド博士は、公衆衛生上の緊急事態を宣言して5年がたってもオピオイド危機が先住民族に大きな影響を与えているという事実は、この危機を解決するために必要な対策が不十分であることを明確に示していると語った。

 BC州政府は同日、違法薬物過剰中毒死を防止するための対策に3年で4500万ドルを投じると発表した。これは2020年8月に発表した支援を延長し、拡充するもの。

 これにより、公的薬物使用施設の新設・拡充や、依存症治療薬を処方できる看護師の採用、ソーシャルワーカーらの採用を拡大できるとしている。

 BC州メンタルヘルス・依存症対応大臣シーラ・マルコムソン氏は、少量の薬物所持に限り「非刑罰化」を実現して薬物中毒者の精神的な負担を減らすことが必要と語った。

 そのための課題は、薬物単一所持の定義、許容される薬物量の決定、非刑罰化をサポートするための法執行機関、医療、社会サービスの準備体制の確保という。

 BC州政府はカナダ保健省と規制薬物法の免除について話し合いを続けていると説明した。

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BC州政府施政方針、最優先は新型コロナからの回復

The Legislative Assembly of British Columbia, Victoria, Canada.
ブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアにある州議事堂。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州議会が12日に再開、ジャネット・オースティン副総督がBC新民主党(NDP)政府の施政方針を読み上げた。最優先は新型コロナウイルス対策と収束後の経済回復。ワクチン接種の加速と経済支援を約束した。

 すでに100万人以上の州民が1回目の新型コロナワクチン接種を終えているが、ワクチンが予定通り供給されれば6月末までには希望するすべての州民が1回目のワクチン接種を受けることができると述べた。

 コロナ後の経済回復については、中小企業への支援の継続、オンラインサービス移行への支援、投資支援などを掲げた。BC州政府は現在中小企業、特に甚大な影響を受けた業種への支援を随時発表している。6月には最低時給が15.20ドルに引き上げられる。

 新型コロナ関連以外では、ヘルスケアの充実、政権を取った当初からの公約だった1日10ドルのデイケアの拡充、賃貸住宅への支援、自動車保険料の引き下げなどのほか、差別への対抗、環境問題への取り組み、遠隔地へのデジタル技術アクセス拡大を盛り込んだ。

 詳細は4月20日の予算案で発表される。

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バンクーバー市、2030年冬季五輪招致の可能性を残す

バンクーバー五輪が開催されたサイプレスマウンテンのハイキングコース。 Photo by Keiko Nishikawa
バンクーバー五輪が開催されたサイプレスマウンテンのハイキングコース。 Photo by Keiko Nishikawa

 開催の可否がいまだ話題に上る今年開催予定の東京夏季オリンピック開幕まであと約100日となったが、バンクーバーでは2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致の可否が注目されている。

 バンクーバー市議会は3月31日、バンクーバー市が2030年冬季五輪招致に本気で取り組むとなったときには、まずは2010年冬季五輪のバンクーバー市への利害を改めて調査するとする動議を可決した。賛成はケネディ・ストゥワート市長を含めた8人、反対は3人。

 完全に招致の芽を摘むことはしないが、現時点で積極的に招致活動に乗り出すという決定もしないということのようだ。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州最大都市バンクーバーで前回冬季五輪が開催されたのは2010年。昨年には10周年を記念したイベントが開催された。新型コロナウイルス感染拡大直前でギリギリ間に合ったタイミングだったが、その時に湧いたのが冬季五輪の再招致だ。

 最も近いのは2030年。前回開催から20年で、当時の競技会場はほぼ再利用可能。現在の国際オリンピック委員会(IOC)の規定にも当てはまり、可能性が高いとして盛り上がった。

 バンクーバー市議会では昨年4月に議論される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大で延期となり、同年11月4日に議論を継続することを決定、次回の議論は2021年春とした。そして今回も議論継続で可決した。

 今回の決定では、積極的に招致するとなれば、まずは、住宅事情、物価レベル(アフォーダビリティ)、環境に、前回五輪が及ぼした市への影響を再調査するという。

 現在でも国内で最も高い住宅事情と、それが原因で起こっている物価上昇で、生活費の高騰に所得が追いつかず、人々の生活を圧迫している。五輪を招致したことで、これ以上住みにくい街と化してしまっては本末転倒となるというのがバンクーバー市の懸念。ただでさえ新型コロナの影響で経済が停滞している中、五輪招致に税金を費やせるのか、税金の使い道が間違っているのではないかという議論が起こるのは間違いない。2010年のときにも起こっている。

 昨年4月に動議を提出したメリサ・デジェノバ市議は、新型コロナからの経済回復を招致理由のひとつとして上げていたが、9年後に開催される五輪に経済復興を掲げるにはかなり無理がある。

 ビジネス界では一部で盛り上がっているようだが、まずは新型コロナが収束してからとなりそうだ。ただ招致に乗り出すのであれば、あまり時間は残っていない。

 2030年冬季五輪招致には札幌やスペイン・バルセロナが関心を示している。

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2010 Vancouver Olympic flame on Feb 2010; Photo by ©︎ Vancouver Shinpo
2010年2月に開催されたバンクーバー五輪の聖火。2010年2月。Photo by ©︎ Vancouver Shinpo

ウィスラー在住者は12日からワクチン接種が可能に

朝はリフトに並ぶ人の列がビレッジの中まで達する © 野口英夫
朝はリフトに並ぶ人の列がビレッジの中まで達する ©野口英夫

 北米最大級のスキーリゾート、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州にあるウィスラーブラッコム・スキー場が今冬シーズン終了を発表したのは3月30日。BC州公衆衛生命令でスキー場の営業停止が29日に発表されたためで、新型コロナウイルス感染が急増したことが理由だった。

 同地域を管轄するバンクーバーコスタルヘルス(VCH)は11日、新型コロナ感染はスキー場だけでなく、コミュニティにも拡大しているとして、ウィスラーに在住する18歳から54歳(1967年から2003年生まれ)まで、さらにウィスラーで働いている人も対象に、12日から新型コロナワクチン接種を開始すると発表した。

 ワクチン接種予約は専用サイト(www.vchcovid19vaccine.com)から可能で、接種には在住を証明する運転免許証やクレジットカード明細書、就業を証明する給与小切手明細を示す必要がある。

 55歳から65歳はアストラゼネカ製ワクチンの接種が、66歳以上は年齢別ワクチンの接種がすでに始まっている。

 詳しくはVCHウェブサイトを参照。
“Adult residents living and working in Whistler now eligible for COVID-19 vaccination”: http://www.vch.ca/about-us/news/news-releases/adult-residents-living-and-working-in-whistler-now-eligible-for-covid-19-vaccination

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BC州2日連続で新規感染1200人越え、変異株が急増

B.1.1.7イギリス型が増加していることを示す表。BC新型コロナ変異株プレゼンテーション資料より。By Public Health Officer of BC
B.1.1.7イギリス型が増加していることを示す表。BC新型コロナ変異株プレゼンテーション資料より。By Public Health Officer of BC

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州の新型コロナウイルス新規感染者数が2日連続で1,200人を超えた。

 過去最多を更新した8日は1,293人で、9日は1,262人。7日こそ997人と1,000人に届かなかったが、6日は1,068人、3日は1,072人、2日は1,018人と4月に入ってから1,000人を超える日が続いている。累計は109,540人となった。

 感染者の増加で入院患者も増えている。9日の発表では入院患者は332人、集中治療室(ICU)患者は102人とこれまでで最多。ただ医療を逼迫する状況までには至っていないとエイドリアン・ディクス保健大臣は説明した。

 昨日行われた会見では変異株についての解説があった。BC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士は、最近の傾向として変異株が増え、今後は主流になるだろうと語った。

 変異株で最も多いのはイギリスで最初に確認されたB.1.1.7。9日の発表では全体のうち4,111件が変異株と確認され、3,082件がイギリス株、974件がブラジルで最初に確認されたP.1、55件がB.1.351南アフリカで最初に確認された変異株となっている。

 特に最近ではブラジル株が急増しているという。バンクーバーコスタルヘルス区域で顕著で、理由の一つにはウィスラーで急増した感染者にブラジル株が多かったためと説明した。今後は「感染者は変異株に感染しているということを前提として対応する」と語った。

ワクチン接種の登録年齢が65歳に

 ワクチン接種のための事前登録可能年齢が8日から65歳以上となった。登録してすぐに予約できるわけではないとしながらも、登録しておけば予約が可能になると登録している連絡先に知らせがくる。

 今月からカナダへのワクチン供給量が大幅に増加することから、BC州でもワクチン接種が加速するとみられる。

 血栓に関する懸念のため54歳以下への接種を控えているアストラゼネカ製も、55歳から65歳までは引き続き薬局で接種できる。

変異株について解説する図。BC新型コロナ変異株プレゼンテーション資料より。By Public Health Officer of BC
変異株について解説する図。BC新型コロナ変異株プレゼンテーション資料より。By Public Health Officer of BC

4月8日BC衛生管理局長による変異株に関するプレゼンテーション資料: http://news.gov.bc.ca/files/20210408-PHO-Presentation_FNL.pdf

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Remember the Japanese Canadian history on the 9th of April

The Japanese Canadian War Memorial in Stanley Park, Vancouver, BC; Photo by © the Vancouver Shinpo
The Japanese Canadian War Memorial in Stanley Park, Vancouver, BC; Photo by © the Vancouver Shinpo

The Japanese Canadian War Memorial in Stanley Park, Vancouver, BC; Photo by ©︎Toru Furukawa/ The Vancouver Shinpo
The Japanese Canadian War Memorial in Stanley Park, Vancouver, BC; Photo by ©︎Toru Furukawa/ The Vancouver Shinpo

Like other communities in Canada, the Japanese Canadian community has many important days to celebrate. Some of them celebrate Japanese culture, and some commemorate Japanese Canadian history in Canada. They are not holidays, not popular or famous, but they are special days for the community.

Today, the 9th of April, is one of those days. This is the day commemorating the cenotaph in Stanley Park, Vancouver, British Columbia. According to the information in Remembrance Day Program 2020, ‘luncheon given by the Canadian Japanese Association on the occasion of the unveiling of a memorial to the Japanese who served in C.E.F. Hotel Vancouver, April 9, 1920’. This is the day the Japanese Canadian community proudly unveiled that tall white memorial for the Japanese Canadians who fought the war for this country.

One year ago today was the centennial anniversary, and the community was supposed to have a big celebration. Unfortunately, it had to be scaled down due to the COVID-19 pandemic, which had just begun. This year, as we are still fighting against the same virus, we are once again not allowed to celebrate, as big parties are not allowed anywhere in Canada.

It was meant to commemorate many anniversaries, as was explained by Ms. Linda Kawamoto Reid on Remembrance Day last year. There only were a handful of people allowed to attend. Even though people did not participate in person, many watched the ceremony online and remember what happened to the Japanese Canadians for over 100 years. In the ceremony, the moderator, Mr. David Iwaasa said, “we are the beneficiaries of the sacrifices that are made by all those who are commemorated here.”

Today, the Japanese Canadian community is not as politically strong as the other communities or does not raise strong voices against anything of everything. However, the community has made themselves as resilient and tolerant as they could and stands rooted and peaceful as the cenotaph built 100 years ago. Canadians respect and trust the people in the community. It doesn’t matter whether you are the 4th generation or just landed in Canada. Canada and Japan have the best relationship in the world. We are lucky to be who we are here in Canada today. That’s all because generations of Japanese Canadians made efforts to give a better life to the proceeding generations and made the best relationship with every community.

I have comments from three representatives of the Japanese Canadian community on the history of not only the Japanese Canadians but also the Canadians. These comments are supposed to be for Remembrance Day, 2020. This is my sincere apology that it is long overdue. But, on this day, I respectfully present these thoughtful comments by people who dedicate their time and effort to the rights of Japanese Canadians today.

Ms. Linda Kawamoto Reid
Chair of the Japanese Canadian War memorial Committee

Remembrance Day was meant to commemorate many anniversaries this year:

The Cenotaph’s 100th anniversary, the 75th anniversary of the end of the Second World War, and the 70th anniversary of the start of the Korean War. We acknowledged them all in the brochure (you can find the brochure at the bottom).

For example, the focus of the speakers chosen was to commemorate the 100th anniversary and 100 years. Susan Yatabe’s speech was about her grandfather, who spoke at the original dedication of the monument. David Mitsui’s story spanned so many years but for sure, from 1919-1987 when his grandfather fought so hard for equal rights. The highlight was he came back to relight the cenotaph lantern in 1985. And Corporal Kubota’s grandchildren, Brad & Kathy, spoke of his contribution to the legacy of the Cenotaph by bringing back the Honour rolls and legion flag to the Language School. That original flag is in the Nikkei National Museum, and we fly the legion #9 replica flag each year. 

This story is the quintessential story of the two battles that these men fought in the three wars – First, Second and Korean War. The story is worth repeating over and over again, as it’s the fundamental teaching point in Canadian History about our multicultural country. And it wasn’t only the soldiers who fought this battle, but also other people, such as Tomekichi Homma or Hide Hyodo, who braved and dared to challenge the racism by seeking the franchise. 

Ms. Kawamoto also commented on racism against people in Asian communities in this pandemic.

“I struggled with this point a lot, as I see what is going on now with Asians being targeted. I believe we are more tolerant and can do better. We have many cultures around us every day in almost every city, and we have learned to live with each other.” She also said, “I want to believe that this is not wartime hysteria, but that we are stretched to survive this global pandemic against a virus that is causing havoc around the world, killing people. It doesn’t then help to have a war amongst ourselves.”

Ms. Lorene Oikawa
President of National Association of Japanese Canadians (NAJC)

Every Remembrance Day, the National Association of Japanese Canadians honours the Japanese Canadians who served Canada from the First World War to today. This year was special because it is the 100th anniversary of the Japanese Canadian cenotaph in Stanley Park in Vancouver. It’s important to share these stories because not everyone knows the history of Japanese Canadians, which is Canadian history.

During World War I and II, Canadians of Japanese ancestry wanted to show their loyalty to Canada, and each time they were first rejected. In 1916, after being rejected, Japanese Canadians travelled to Alberta to join the Canadian battalions of the British army. In 1942, about 22,000 Canadians of Japanese ancestry were declared enemy aliens, including the soldiers who fought for Canada in World War I. They are forcibly removed from their homes, all property and possessions are seized (and later sold without permission), and they are sent to internment camps. Japanese Canadians try to enlist with the Canadian military and are denied. In 1945, the British army arranged for Japanese Canadians to be allowed to enlist. Japanese Canadian men volunteer for service in the Far East. The Japanese Canadian community continues to be denied their rights and are not allowed to return to the west coast of British Columbia until 1949, four years after the end of World War II.

Descendants of the First World War veterans were able to join this year’s ceremony in person and online and share the stories of their ancestors.

I was honoured to lay the wreath on behalf of the National Association of Japanese Canadians. As we were all remembering and reflecting during the ceremony, I was remembering my uncle, Tatsuro Buck Suzuki, who served Canada in WWII, and then came home to fight for fishers’ rights and the environment. 

Thank you.

Website: najc.ca
Facebook: National Association of Japanese Canadians
Twitter: @najc_ca

Ms. Judy Hanazawa
President of Greater Vancouver Japanese Canadian Citizens’ Association

I am so appreciative of the sacrifice and perseverance of all those Japanese Canadians who were prepared to give their lives to demonstrate their loyalty to Canada throughout the last 106 years.  As stated at the November 11, 2020 ceremony, prior to 1949, they had fought to seek the and right of citizenship by demonstrating their worthiness and loyalty as Canadian soldiers.   Japanese Canadians continue to serve today demonstrating as their predecessors did, their love of country and sense of duty to Canada.

The Memorial in Stanley Park is an incredible monument to honour the bravery and sacrifice of our past and present heroes.  When the monument was built in 1920, despite those who had served and died in WW1, Japanese Canadians were still unable to become citizens, and still experiencing rampant racism, economic and social inequality, and marginalization.   That the community was independently able to erect such an outstanding memorial is a feat in itself because it not only indicated the focused intent of the community to honour those Japanese Canadians who sacrificed – it also demonstrated our community’s great effort to affirm and declare our identity as Canadians.  

The monument stood for 22 years when the Japanese Canadian internment and dispossession were enacted in 1942. Canada and especially British Columbia continued to indicate deep seated systemic racism and rejection of our people using the excuse of the Pacific war as a reason to exile Japanese Canadians from the province permanently.  Our community was dispersed across Canada and had no freedom until 1949 – 4 years after the end of WWII.  Out of 22,000 only 4000-5000 returned to BC to start lives again, this time with the right of full citizenship finally given.  

The monument continues to stand today as an affirmation of our history, our respect to those in the community who sacrificed their lives for their country, and our continuing declaration as a community, despite the history of injustices, that Canada is where we belong. 

(Reporting by Naomi Mishima)

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カナダへのワクチン供給3カ月で1700万回分、迅速に全国に分配

canada vaccine

 カナダが新型コロナウイルス感染第3波の真っ只中、4月に入ってようやくワクチン供給が増加する。

 この日会見したワクチン分配を担当しているダニー・フォーティス少将は、今日までにカナダ国内に分配されたワクチンは1050万回分で、イースター(復活祭)の週末には200万回分を全国に分配したと語った。カナダには第2四半期の4月から6月までの3カ月で1700万回分が供給される予定という。

 まずファイザー製が、今月第1週に120万回分届き、その後も4月、5月は毎週100万回分が届く。6月にはさらに増えるという。

 モデルナ製は先週末に59万回分の分配を終え、来週初めには85万5000回分が届くため、その週の終わりには分配を終える予定。さらに4月最終週までに届く予定の120万回分を分配する。

 アストラゼネカ製はアメリカからの140万回分を先週末までに分配し、残りは今週中に終え、150万回分の分配を終える。さらにCOVAX工場から31万7000回分が今朝カナダに到着し、明日には全国への分配を終えると語った。

 これ以外にもジョンソン&ジョンソン製も届く予定になっている。

 分配されたワクチンの接種実施方法は各州政府に一任されているため、州政府ごとにワクチン接種状況が異なる。分配量は州人口に比例している。

 カナダ公衆衛生局副局長ハワード・ヌー博士はこの日の会見で、これまでに約700万人が接種を受けたと発表。80歳以上の81パーセントが1回目の接種を終え、2回目を終えたのは10パーセント、70歳から79歳では1回目は53パーセント、2回目を終えたのは1パーセントと伝えた。

 また予防接種に関するカナダ諮問委員会(NACI)が7日に1回目と2回目の接種期間を最大で4カ月とすること決定し、なるべく多くの国民に1回目の接種を終え、ワクチン供給量によって2回目の接種は4カ月を待たずに早めに開始すると説明した。

 ワクチン接種が終わっても、これまでどおり手指消毒、フィジカルディスタンスなどの新型コロナ感染予防対策は徹底してほしいと語った。

 カナダ政府のワクチン接種に関するデータは専用サイトで公開されている。 Vaccines for COVID-19: Shipments and deliveries

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