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BC自由党ウィルキンソン党首が辞任を発表

The Legislative Assembly of British Columbia, Victoria, Canada.
ブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアにある州議事堂。

 惨敗に終わった24日のブリティッシュ・コロンビア州選挙から二日後の今日、BC自由党アンドリュー・ウィルキンソン党首が辞任を発表した。

 会見は3分ほどの短いもので、記者からの質問も受けなかった。

 ウィルキンソン党首は会見の中で、「党首として自由党を率いることができたのは光栄だった」と語り、「ただ党首の役割を誰かに引き継ぐ時だと思う」と辞任することを明らかにした。

 次期党首が決まるまでは党首を継続するという。党にはすぐに党首戦の準備にかかってほしいと告げたと語った。

1991年以来の惨敗に終わった州選挙

 24日の結果は自由党にとって厳しいものだった。前回選挙では43議席を獲得したが、過半数を取れずに政権をBC新民主党(NDP)に譲った。

 それから3年。新型コロナウイルス対策でNDPが支持率をあげている間に、その存在感を示す機会はなく、今回は29議席にとどまった。

 「まだ最終的な集計は終わっていないが、NDPが政権を継続することは確実」とウィルキンソン党首。24日には敗北宣言を避けたが週明けの今日にはNDPの政権継続を認めた。

 自由党は2001年に政権を取って以来、2017年の選挙後に政権を譲るまで圧倒的な支持を受けていた。

 29議席は1991年以来の少ない議席数という。新党首には党の再建という大きな任務が待ち受けている。

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14日間自己隔離免除へ、アルバータが試験的に導入

Canada News by Vancouver Shinpo; Designed by ©Vancouver Shinpo

 アルバータ州は新型コロナウイルス感染拡大防止策として実施されている14日間の自己隔離対策を免除するための対策を試験的に導入すると22日に発表した。

 カナダでは現在すべての入国者に、入国直後から14日間自己隔離を義務付けている。違反をした場合は罰金を科すなど厳しい姿勢で臨んでいる。

 その14日間の自己隔離を、入国時に新型コロナ検査を実施することで短縮するというもの。

 試験的に導入されるのは、同州カルガリー空港とアメリカとの陸路国境コーツ(Coutts)入国審査所。入国時に新型コロナ検査を実施し、陰性ならば14日間の自己隔離を免除する。

 ただし条件がある。入国時の検査結果が出るまでの24時間から48時間の間は自己隔離をすること、入国時に陰性の場合でも入国から6日目か7日目に再検査を受けること、14日間の自己隔離は免除されるがアルバータ州内に最低でも14日間は留まること、公共の場ではマスクを着用すること、体調を自身でチェックすることなどが義務付けられる。

 入国時に検査を受けるかは選択肢で、検査を受けない場合は入国後に14日間の自己隔離をしなければならない。

 同州ジェイソン・ケニー州首相は「今回の措置はアルバータ州リカバリープランにとって重要な第1歩となる。この試験的に導入されるプログラムは、仕事で国外に出なければならない州民にとって安全に自己隔離を短縮することができる」と歓迎している。

連邦政府と連携、カナダ初の試み

 カルガリー空港とコールボーダーでのプロジェクト実施開始は11月2日から。カナダに入国が許可されている市民権者、永住権者やその家族などが対象となる。旅行者の入国は禁止されている。

 今回の自己隔離短縮プロジェクトは連邦政府との連携によって実施される。カナダ入国時の14日間自己隔離対策は連邦政府対策で、新型コロナ感染が拡大した3月後半から導入されている。

 カナダ政府は22日に声明を発表。「このプロジェクトは、カナダ国民の安全を確保しつつ、義務となっている自己隔離期間を短縮するための対応として、厳格なテストとモニタリングプログラムを使用することで実現化する可能性を調査するもの」と説明している。

 もしこの試験的プロジェクトの結果で導入可能と判断された場合には、14日間自己隔離の代替プログラムとしてアルバータ州以外の州でも導入される。

航空・旅行業界からも歓迎の声

 今回のプロジェクトには旅行業界も協力している。新型コロナ拡大で甚大な影響を受けている旅行業界回復の道筋になることも期待されている。

 アルバータ州でも旅行業は大きな産業の一つ。ケニー州首相によると、今年は収入が前年比で63パーセント減という。

 「旅行業界に背中を向けるわけにはいかない」とケニー州首相。アルバータ州に本社を置くカナダ第2の航空会社ウエストジェット航空CEOエド・シムズ氏も新型コロナ感染拡大が始まって以来の朗報と歓迎するコメントを発表している。

カナダ政府のプロジェクト発表声明: https://www.canada.ca/en/intergovernmental-affairs/news/2020/10/new-covid-19-pilot-planned-for-international-travellers.html

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BC NDPが圧勝で過半数越え:BC州選挙

BC NDP leader John Horgan after election; Photo from BC NDP flickr
BC NDP ジョン・ホーガン党首。 Photo from BC NDP flickr

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州選挙は24日に投開票が行われ、BC新民主党(NDP)が圧勝で2期目が確実となった。

 24日午後8時に投票が締め切られ各局の開票速報が始まって、BCNDPの過半数越えまでそれほど時間はかからなかった。

 カナダ公共放送局CBCが発表した予測結果は、BC州議会47議席のうち、BCNDP55、BC自由党29、BCグリーン党3。過半数に必要な44議席を大きく上回る予測結果となった。

 ただこの日の結果は、24日投票分と21日に締め切られた期日前投票分のみで、郵送による投票は含まれていない。

 BC選挙管理委員会によると、郵送による投票数は約52万5,000票。不在者投票75,000票と合わせて、最終集計される。これらの集計には数週間を要するということで正確な最終結果が出るのは早くとも11月16日と発表している。

 得票数差が僅差で、まだ当選確定が出ていない選挙区もある。最終集計までは正確な議席数は分からない。それでもBCNDP過半数は揺るがないという各局放送局での選挙結果発表となっている。

コロナ禍の選挙に掛けたホーガンNDPの圧勝

 選挙速報がひと段落し、野党2党の党首会見が終了後にBCNDPジョン・ホーガン党首が姿を表した。

 「すべての票の集計が終わらないと最終的な結果は出ない」としながらも安堵の表情を浮かべた。

 2017年選挙では当時のグリーン党アンドリュー・ウィーバー党首の協力を得て、議席数では多かった自由党に替わって政権を担った。

 しかし少数派政権のため、議会での法案成立には常にグリーン党の協力を必要とした。議会を解散する直前の議席数は、NDP41、自由党41、グリーン3。

 そこで新型コロナ禍で支持率を伸ばしたNDPが過半数越えを目指して任期満了まで1年を残して解散選挙に打って出た。背景には新型コロナ対策が功を奏して、世論調査会社アンガスリードが8月に発表した国内の州首相支持率で69パーセントと全国最高の支持率という追い風があった。

 その甲斐あって結果は圧勝。勝利宣言のあいさつでは、新型コロナ禍でBC州政府と2人3脚で対応に当たっているBC衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士に真っ先に感謝の言葉を述べた。

 BCNDPが2期連続政権を取るのは史上初めて。NDPにとって、ホーガン党首にとって、歴史的な選挙となった。

すべてのBC州民のために、明日から早速政府として活動再開

 圧勝だった選挙結果の翌日、バンクーバー市内で会見したホーガン州首相は、投票した党にかかわらず「すべての州民のために政治をする」と会見で語った。

 最優先課題は新型コロナ対策。選挙期間中にBC州内の感染者数は急増している。22日には1日の感染者数が274人と最多を記録した。

 会見では、選挙期間中にさまざまな人から受けた意見に刺激されたと語り、「その意見がどこからのものであろうと、州にとっていいと思うものは取り入れていきたい」と語った。野党の時には州民のために有益だと思った意見も与党時代の自由党に一蹴された苦い経験があると説明して、「議員全員で協力するというのがBCNDPのやり方」とも語った。

 会見終了間際には、「今日はビクトリアに帰ってやっとゆっくり寝られる」と笑い、明日から早速政権運営を再開すると語った。

トルドー首相がホーガンNDP圧勝を祝福

 ジャスティン・トルドー首相はBCNDPの2期目確定を祝福した。自身のツイッターに「これまで協力してきた政策を今後も継続できることを期待している」と投稿。「ブリティッシュ・コロンビア州民のためにまだまだ我々でできることがある」と声明で発表した。

トルドー首相のBC州選挙に関する声明文: https://pm.gc.ca/en/news/statements/2020/10/25/statement-prime-minister-results-provincial-election-british-columbia

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BC自由党ウィルキンソン党首、敗北宣言を回避

The Legislative Assembly of British Columbia, Victoria, Canada.
ブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアにある州議事堂。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で24日に投開票が行われた州選挙は、BC新民主党(NDP)が圧勝で過半数を獲得した。一方でBC自由党は大きく議席を失った。

 選挙結果が各局の選挙速報番組で出揃った後、会見を開いたBC自由党アンドリュー・ウィルキンソン党首は、NDPの2期目の可能性を認めつつもすべての票の集計が終わるまで当確は分からないと敗北宣言を避けた。「すべての有権者の声が反映されるべき」と会見で語った。

 前回選挙では43議席と過半数に1議席足りずに、NDP・グリーン非公式連立に政権を明け渡した自由党。それから3年後の選挙で予測とはいえ29議席に激減した。

 自由党にとっては厳しい選挙戦だった。新型コロナ禍で平常のような選挙活動ができない中、ウィルキンソン党首自体の知名度も低く、選挙公約も不明確だった。

 さらに候補者からは女性差別や人種的差別のようなコメントも相次いだ。ウィルキンソン党首自身も討論会で人種的マイノリティへの配慮に欠けるコメントが指摘された。

 そうして迎えた投開票日、結果は惨敗。自由党の顔とも言えるベテラン議員が相次いで落選するなど厳しい状況に、今後は党の立て直しと、ウィルキンソン党首自身の責任問題が問われそうだ。

BC自由党ベテラン議員が落選

 自由党から出馬したベテラン議員が破れる波乱が相次いだ。バンクーバー-フォールスクリーク選挙区では、元バンクーバー市長のサム・サリバン氏が3期目を目指した。しかし、女性起業家として地元で活躍していたNDP候補ブレンダ・ベイリー氏に敗れた。

 リッチモンド-クリーンズボロー選挙区では自由党ジャス・ジャハル氏がNDPアマン・シング氏に敗れた。2017年選挙では僅差で当選したジャハル氏だったが今回はNDPのオレンジウェイブの勢いに勝てなかった。

 ラングレー選挙区では2005年に初当選して以来自由党で4期連続当選してきたマリー・ポラック氏がNDPアンドリュー・マーシア氏に敗れた。

 自由党はすでに辞任を表明した元議員も多く、そうした選挙区でもNDPが当選する現象が相次いだ。

グリーン党は3議席を保持

 新党首で臨んだグリーン党はソフィア・ファーステノー党首をはじめ、3議席の獲得がほぼ確定と予測されている。

 24日の会見では選挙戦を戦ったすべての関係者に感謝を述べたファーステノー党首。カリスマ的だったグリーン党の草分けウィーバー前党首からトーチを受け取った女性党首は、党首討論会で存在感を見せ、前回奇跡的と言われた3議席確保を今回も維持しそうだ。

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BC NDP promises to honour the Japanese-Canadians by recognizing a historic wrong

ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市にある日系文化センター・博物館。
ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市にある日系文化センター・博物館。File photo

When the election campaign in British Columbia was in its final stage, the New Democrat Party of British Columbia (BC NDP) announced that they would work with the Japanese-Canadian community to heal the traumatic internment experienced during World War II.

In the October 16th statement, BC NDP said that a re-elected BC NDP government would continue building a more inclusive future and honouring the Japanese-Canadian community by recognizing a historic wrong in British Columbia.

“While these events stand as a reminder for how racism, discrimination and hate have hurt generations of people, they also remind us of the incredible resiliency of people who stand up against injustice,” said the party leader John Horgan.

There were more than 22,000 Japanese-Canadians who lived on the west coast, such as Vancouver and Victoria. The Canadian government decided to move those Japanese-Canadians, many of whom were born in Canada to more than 100 miles east from the Vancouver coast in 1942 after Japan attacked Pearl Harbour in December 1941.

Many of them were forced to live in the internment camps at various places in British Columbia. Their living conditions were harsh, and they were not allowed to come back to the west coast until four years after the war was over.

Many internment camp survivors have said they went through an identity crisis and suffered tremendously.

In the statement, Mr. Horgan said, “we have a moral and ethical responsibility to acknowledge our past because it shapes our province today. And we’re going to keep working together to make BC a better and more inclusive province for everyone.”

BC NDP did not specifically say what the party would do to work with the Japanese-Canadian community if they were elected. But it said, “more British Columbians will learn about these atrocities through recognition in libraries, communities, and at the BC Legislature. This is just one step the BC NDP is taking to help heal traumas of the past and ensure a lasting legacy for the Japanese-Canadian community.”

What the re-elected BC NDP government will do remains to be seen after the election.

BC州1日の新型コロナ感染者が最多に

Coronaviruses
コロナウイルス By CDC

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州保健省は21日、新たな新型コロナウイルス感染者が203人だったと発表した。これまでで最多となり、累計感染者数も1万2,000人を超えた。

 感謝祭(サンクスギビング)3連休から10日。7月から連休のたびに感染者数が増加する傾向が続いている。

 発表によると、新たなに感染が確認された多くが、結婚式や祝いごと、葬儀など、家族や友人で集まるイベントに直結しているという。

 保健省は「新型コロナがまだまだコミュニティ内にある中で、現在はたとえ小さな集まりでも感染のリスクがある。屋内でも、屋外でも、狭いスペースでも、広いスペースでも、人数が少なければ少ないほどリクスは低くなる」と集まる人数を制限するよう要請している。

 BC疾病管理センター(BCCDC)は結婚式やハロウィンなどのイベントでの安全対策を指南しているほか、州内で起こっているクラスター発生状況も発表。BCCDCのウェブサイトをチェックして、感染予防に努めてほしいと呼びかけている。

BCCDC祝い事イベント安全ガイダンス: http://www.bccdc.ca/health-info/diseases-conditions/covid-19/social-interactions/safer-celebrations

新型コロナ禍での安全なハロウィン実施対策: http://www.bccdc.ca/health-info/diseases-conditions/covid-19/social-interactions/halloween

BCCDC クラスター発生リスト: http://www.bccdc.ca/health-info/diseases-conditions/covid-19/public-exposures

フレーザーヘルス発表クラスター発生リスト: https://www.fraserhealth.ca/covid19exposure

バンクーバー・コスタルヘルス発表クラスター発生リスト: http://www.vch.ca/covid-19/public-exposures

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カナダ・アメリカ国境閉鎖を延長

カナダBC州とアメリカ・ワシントン州との国境にあるピースアーチ。Photo by Keiko Nishikawa
カナダBC州とアメリカ・ワシントン州との国境にあるピースアーチ。Photo by Keiko Nishikawa

 カナダ政府ビル・ブレア公安大臣は19日、アメリカとの国境閉鎖について11月21日まで延長すると発表した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月から実施されているカナダ・アメリカ双方向での国境閉鎖が8カ月にも及ぶことになった。

 アメリカでは依然として新型コロナ感染が収まる気配を見せず、カナダでも国境を接するオンタリオ州やケベック州で感染者が急増している。

 ブレア公安大臣は、「カナダ政府の決定は、国民の安全を守るために公衆衛生局のアドバイスを基本にしている」と説明した。

 現在は、陸路を含む全てのアメリカとの国境で、エッセンシャルワーカーやカナダ国民・永住権者やその家族を除いて往来が禁止されている。ただしアラスカ州への往来については一部陸路での出入国が認められている。

アメリカ以外の入国制限は10月31日まで

 アメリカ以外の国との入国制限については、現在10月31日までとなっている。

 ただカナダ政府は今月8日から入国規制を一部緩和。これまではカナダ入国について、カナダ市民権、永住権者とその親・子どもらの入国を許可していたが、これを祖父母や孫などにも拡大した。

 また10月20日には留学生の受け入れも開始する。

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BCNDPが日系カナダ人強制収容政策伝承でコミュニティと協力を約束

ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市にある日系文化センター・博物館。
ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市にある日系文化センター・博物館。File photo

 激しい選挙戦が繰り広げられているブリティッシュ・コロンビア(BC)州。各党がさまざまな公約を発表しているが、BCNDP(新民主党)は10月16日に日系カナダ人コミュニティへの協力を発表した。

 内容は、BCNDPが政権を取った場合は、過去にカナダ政府が実施した日系カナダ人に対する差別的政策「日系人強制移動・収容政策」の過ちを認識し、コミュニティへの敬意と、より包括的な未来を築くために努力するというもの。

 発表ではBCNDPジョン・ホーガン党首は、「第二次世界大戦中に22,000人以上の日系カナダ人が(強制)収容されたことを永続的に認識することを約束する」としている。

 ただ具体的な対策についての言及はなく、「より多くのブリティッシュ・コロンビア州民が、図書館やコミュニティ、BC州議会での『認識』を通して、(日系カナダ人への)残虐行為について学ぶことになる」とだけ示されている。

 「(日系カナダ人への政府の)こうした行為は、人種差別やさまざまな差別行為、憎しみが何世代にもわたって人々を傷つけてきたことを思い起こさせるものであると同時に、不正に立ち向かう人々の信じられないほどの回復力の強さを改めて示してくれる」とホーガン氏は述べている。

 今回の発表で「過去のトラウマを癒し、日系コミュニティに永続的な遺産を残すためのBCNDPが行っている一歩に過ぎない」と主張している。

 具体的な日系カナダ人コミュニティとの協力は、選挙後に政権を取ってからということになりそうだ。

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BC州選挙、期日前投票が明日から開始

BC Election Guide 2020
Election BCが配布している選挙のためのガイドブック。Photo by ©︎ Vancouver Shinpo

 選挙戦も佳境を迎えているブリティッシュ・コロンビア(BC)州。与党新民主党(NDP)が優勢とされる中、明日から期日前投票が開始される。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止策を実施しながらの投票となるため、BC選挙管理委員会(Election BC)が投票所での注意事項を13日に発表した。

新型コロナ徹底対策を講じた投票に

 前回2017年の選挙では期日前投票期間は6日間だったが、今回は7日間設けられている。1日だけ追加された理由について「有権者に投票できる機会をより多く与えるためで、パンデミック対応策として投票所での人数を制限するのにも役立つ」と説明している。

 BC選挙を実施するにあたっては、BC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士のアドバイスとWork Safe BCとの協力により、より安全な投票計画を立て実施するという。

 投票所で実施される新型コロナ対策は以下の通り。

– 物理的な距離の確保

– 投票所内での人数制限

– 投票所での選挙管理者のフェイスマスクなどの個人用保護具着用

– 投票ステーションを仕切る防護柵

– 投票所出入り口での消毒液の用意

– 清掃・消毒の徹底

– 選挙関係者の安全ガイドラインとパンデミック安全プロトコル訓練の受講

BC州選挙期日前投票日時

期間:10月15日(木)− 10月21日(水)
時間:現地時間 午前8時 – 午後8時

投票所

登録している有権者にはカードが郵送され、投票場所はカードに記載されている。もしくは、BC選管委ウェブサイト wheretovote.elections.bc.ca か、1-800-661-8683に電話で確認する。

投票所は前回と変更になっていることもあるとして、投票前に確認するよう呼びかけている。

投票に関する質問がある場合は、1-800-661-8683まで。

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BC州で連休中の感染者は500人以上、非常事態宣言も延長

The Legislative Assembly of British Columbia, Victoria, Canada.
ブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアにある州議事堂。

 サンクスギビング週末が明けた13日、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では4日間で新たに感染が確認された人が549人にものぼった。累計は先週にはすでに1万人を超え、今日の発表で10,734人となった。

 BC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士は13日の会見で、4日間の感染者が、170人、159人、119人、101人と前週よりも多かった理由に、滞っていた検査プロセスが終了し結果が出たことも要因と説明した。

 検査を受ける人が増えているが、検査数に対する陽性者数の割合は2パーセント以下で、現在は1.3パーセントにとどまっているとヘンリー博士。現時点でこの数字は好ましいと語った。

 ただ週末に死亡した人は5人、入院患者は77人で、ICUで治療を受けているのは24人に増加している。

 ヘンリー博士は「一人ひとりが毎日の生活の中で正しい行動を選択することが、地域社会を守り、必要な活動や場所を安全に保つことに貢献する。この週末のように、安全な距離を取りながら新しい方法を探り、お互いに支え合っていきましょう」と州民に語りかけた。

10月13日BC州感染状況

  • 感染者累計 10,734人
  • 現在の感染者 1,476人
  • 現在の自己隔離者 3,618人
  • これまでに回復した人 8,974人

BC州政府、非常事態宣言を延長

 BC州政府は今日で失効する非常事態宣言を2週間延長すると発表した。10月27日までとなる。

 州政府は新型コロナウイルス感染拡大に対応するために、3月18日に非常事態を宣言。

 州政府は「緊急事態宣言により、州の緊急対策を実施することができ、緊急事態の予防、対応、または影響の軽減に必要な資産へのアクセスが可能となる。これは、緊急事態プログラム法によって承認された一時的な措置である」と説明している。

 ヘンリー博士による公衆衛生非常事態宣言は3月17日に出されている。

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新給付策CRBに初日から25万件の申請

Parlament, Ottawa, Canada; Photo © the Vancouver Shinpo

 カナダ緊急対応給付金CERB(Canada Emergency Response Benefit)に代わる新たな救済策カナダ復興給付金CRB(Canada Recovery Benefit)の申請が10月12日から始まった。

 カナダ政府によると初日の申請数は240,640件。初日はカナダ歳入庁(CRA)のサイトが一時うまく機能しなかった中でこれだけの申請数があり、国民が依然として収入を確保できない現状が示された。

 カナダ全体ですでに新型コロナウイルス感染拡大による第2波が始まっている。特にケベック州やオンタリオ州では9月から感染者が急増。モントリオールやトロントなどでは10月に入り、レストランやバー、スポーツジム、シアターなどの利用が一時的に制限強化されている。

 そうした背景からもCRBを必要とする人がかなりいるとみられている。

CERBとCRBの違いとは?

 CERBは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、失業したり、収入が激減したりして生活に支障をきたす国民を対象にカナダ政府が4月から実施。

 一定の条件を満たせば、4週間2,000ドルを最大7回(28週間)申請できる現金支給策。9月27日で終了した。

 このCERBに代わって10月12日から申請開始になったのがCRB。減収の埋め合わせ的な現金支給CERBから、就職するまでの支援という経済活動への移行対策として新たに導入された。

 対象は求職期間中でも雇用保険(EI)の適用から除外されている国民で、フリーランスや自営業者などがこれに含まれる。支給額は1週間500ドルで、2週間分1,000ドルを1回の申請で受給。必要な場合は2週間ごとに申請が必要で26週間分申請できる。

 ただし申請期間中に就職活動を行うことが条件となっている。

カナダ政府CRBサイト: https://www.canada.ca/en/revenue-agency/services/benefits/recovery-benefit.html

介護給付金、病欠給付にも多くの申請

 カナダ政府はCERBの代わりに3支援策を発表した。その一つがCRBで、他の2つは、カナダ復興介護給付金CRCB(Canada Recovery Caregiving Benefit)と、カナダ復興失業給付金CRSB(Canada Recovery Sickness Benefit)。この2支給策は10月5日から申請が始まっている。

 政府によるとCRCBの申請数は1週間で107,153件、CRSBは58,659件という。

 連邦政府は支援策を発表した当初からCRCBの申請は約70万件あると予測。新型コロナが原因で子どもや家族などの世話をしなければならないため働けない場合に申請できる。支給額は1週間500ドル、最大で26週間申請できる。

 CRSBは新型コロナに感染、もしくは自己隔離を余儀なくされたために働けない場合に申請できる。支給額は1週間500ドル、1回の申請で最大2週間1,000ドルまで。

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リッチモンド市でマスク着用義務付け来週にも

Richmond Olympic Oval in British Columbia; Photo by © Vancouver Shinpo
Richmond Olympic Oval in British Columbia; Photo by © Vancouver Shinpo

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州メトロバンクーバーで市営の建物内などでのマスク着用を義務付ける動きが広がっている。

 リッチモンド市では10月5日の市議会で、市営施設内でマスク着用を義務づける動議が全会一致で承認された。来週にも最終承認される予定となっている。

 マスク着用が義務化されるのは、リッチモンド市役所、コミュニティセンター、図書館、博物館、アート施設、アリーナ、プール、ミノルセンター、リッチモンドオーバルなど。

 障がい者や5歳未満の子ども、活発な運動をしている人、チャイルドケアの子どもと保育士などは例外としている。

 施設を利用する人でマスクを持っていない人にはマスクを提供するという。応じない人にはサービスを拒否することもあるとしている。

 リッチモンド市のこれまでの新型コロナウイルス感染症例は271件。これはBC州が8月に発表したデータによると人口当たりの症例数がメトロバンクーバーで最も少ない。

 マルコム・ブロディ市長はマスク着用義務化について「リッチモンドではすでにマスクを着けている人が多いので、導入はそれほど難しくないはず」と言う。「フィジカルディスタンスは非常に不正確なため、マスク着用は効果的と市では考えている」と記者団に語った。

 デルタ市ではすでに市営施設使用時のマスク着用が義務化されている。

 またバンクーバー市でも同様の動きが見られる。同市セーラ・カービー-ヤン市議は今月20日にマスク着用義務化の動機を提出するという。

 「マスク着用はすでに市民に受け入れられている」とカービー-ヤン市議。「周知を徹底すれば市民の支持は得られると思う」と語った。

 BC州では8月下旬から新型コロナ感染者が若者を中心に増加。10月5日にBC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士が示したデータでも今春の感染者数を大きく上回っている。

 9月下旬から少しずつ落ち着きを取り戻しているが、これから本格的なインフルエンザのシーズンにも入るため、マスク着用義務化の動きは各市で進むと予測される。

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Covid-19 感染拡大防止を促すポスター。By British Columbia Provincial Health Service Authority

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