ホーム 著者 からの投稿 Naomi Mishima

Naomi Mishima

Naomi Mishima
1409 投稿 0 コメント

バンクーバーで映画館も再オープン! 7月もサービス再開相次ぐ

PNE at Vancouver; British Columbia; Photo © The Vancouver Shinpo
バンクーバー唯一の遊園地プレイランドがあるPNE。 Photo © The Vancouver Shinpo

 規制緩和第3段階に入ったブリティッシュ・コロンビア(BC)州でビジネスの再開がさらに進んでいる。

 7月3日には映画館が再開した。屋内施設で人が密集することを避けることが新型コロナウイルス感染拡大防止につながるとした防止策のため、映画館やコンサート会場などのエンターテイメント業界が大きな打撃を受けている。

 そんな中でようやく再開となった映画館。フィジカルディスタンス(2メートルの物理的距離を取る対策)や消毒液の設置など、必要な感染防止策を実施しての再開となった。

 3日に再開したのは大手映画館会社シネプレックス。メトロバンクーバーでは、ダウンタウンのスコシアバンクシアター、バーナビー・メトロタウン、ラングレー、サレー・ストロベリーヒル、リッチモンドなどで上映が再開している。

バンクーバーの人気アトラクションが続々オープン、遊園地やプールも

 BC州で6月24日から規制緩和第3段階に入り、バンクーバーでは人気アトラクションが次々とオープンしている。

 市民に大人気ハイキングコースのグラウスマウンテン・グラウスグラインドや、バンクーバーアートギャラリー(VAG)、バンクーバー水族館のほか、ウィスラーも6月29日からゴンドラが運転再開した。

 今月10日にはバンクーバー唯一の遊園地プレイランドがオープンし、13日からは人気の屋外プール、キツラノプールも人数制限しながら再開する。

 ただ新型コロナウイルス感染の危険性がなくなったわけではないとBC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士。7月6日の会見で新型コロナウイルス感染拡大は現在のところ抑えられているが、まだまだ感染防止策を万全にして慎重に経済活動再開に臨まなければならないと語った。

 フィジカルディスタンス、手洗いや消毒などの徹底、必要な場所でのマスク着用などを心がけるよう改めて要請した。

合わせて読みたいニュース記事

BC州政府、7月21日まで非常事態宣言を延長

The Legislative Assembly of British Columbia, Victoria, Canada.
ブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアにある州議事堂。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府が非常事態宣言を2週間延長すると発表した。7月21日までとなる。BC州は3月18日に新型コロナウイルス感染拡大防止への対応を目的に非常事態宣言を出して以降、2週間ごとに延長を続けている。

 新型コロナウイルス感染に関してBC州は早い段階からBC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士が先導し、感染拡大を最小限に抑えてきた。現在の新規感染者数は毎日10人前後で、入院患者も20人未満と医療機関の崩壊も回避してここまできている。

規制緩和第3段階に入っても慎重な姿勢を崩さないBC州

 BC州は6月24日からは経済活動の規制緩和第3段階に入っているが、感染防止策では慎重な姿勢を崩していない。

 ヘンリー博士は、現在でも州民に対し、家族や友人など一度に接触する人数は2人から6人までの少人数とすること、フィジカルディスタンス(2メートルの物理的距離を取る対応)や手洗いを徹底すること、屋内施設や公共交通機関など必要な場所ではマスクを着用することなどを要請している。

 また第3段階から州内での不要不急以外の移動が解禁となり、旅行もできるようになったが、コミュニティによってはまだ旅行者を受け入れる体制が整っていないところもあるため、慎重に行動してほしいと語っている。

合わせて読みたいニュース記事

ブルージェイズ米国からトロント入りで練習再開もシーズン中のホームは不可能か?

Canada News by Vancouver Shinpo; Designed by ©Vancouver Shinpo

 大リーグ(MLB)でオンタリオ州トロントを本拠地とするトロント・ブルージェイズが6日から練習を開始した。チームはアメリカ・フロリダ州でシーズン開始前のトレーニングを実施していたが、今月から4カ月遅れてシーズンが開幕するのを前に本拠地に戻ってきた。

 7月3日には連邦、州、市の公衆衛生局からチーム全体が自己隔離状態となることで入国が許可され、5日夜にトロント入り。空港から直接ホームグラウンド、ロジャーズセンターに隣接する宿泊施設に移動し翌日からトレーニングを開始した。

 一部フロリダで新型コロナウイルス陽性反応が出た選手やスタッフは現地にとどまっているとアメリカのスポーツニュースが伝えている。選手の感染については、チームは公式に発表していない。

シーズン中の米加国境往来は不可能か?

 今回のアメリカからの入国については、国境閉鎖措置が取られているためカナダに入国する場合は14日間の自己隔離義務が課せられる。

 カナダ公衆衛生局長テレサ・タム博士は7月3日の会見で、チーム全体を一つの単位として14日間の自己隔離を実施し、この間はファンらとの接触はもちろん外出も禁止されていると説明した。

 今回のアメリカからの入国許可はあくまでもトレーニングのためのもので、シーズンが開幕しチームが国境を行き来できるかは全く別の問題と同席した公衆衛生副局長ハワード・ヌー博士が説明した。

 大リーグで唯一カナダを本拠地とするブルージェイズがシーズン開幕後に相手チームも含めて国境を行き来できるかは現時点では不透明だ。

 他の北米プロリーグMLS(メジャーリーグサッカー)は全試合をフロリダで、NHLはプレーオフをカナダ2都市で実施する予定と報道されている。

 NHLのプレーオフについては、オンタリオ州トロントとアルバータ州エドモントンが候補地となっているが、すでに連邦政府の許可は出ている。それでも「カナダ国民の安全が最優先」として、選手やスタッフが感染した場合に開催都市で市民の検査機会が影響しないことを約束している。

 両リーグとも公式戦で米加の国境を超えることはない。今後のMLBの説明が待たれる。

合わせて読みたいニュース記事

週刊カナダニュース:6月25日‐7月1日

Canada News by Vancouver Shinpo; Designed by ©Vancouver Shinpo

7月1日 カナダデー

 毎年全国各地で花火が打ち上げられるなどお祭りムードいっぱいのカナダ建国記念日カナダデー。首都オタワでは総督や首相が参加し、特設舞台でカナダ先住民族の踊りやカナダ出身歌手らによるコンサートが行われるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響ですべてキャンセル。

 ジャスティン・トルドー首相は夫人同伴のビデオメッセージで国民とともにカナダデーを祝った。

6月30日 BC州、長期療養施設への訪問の一部再開を発表

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でブリティッシュ・コロンビア州ではシニアが生活する長期療養施設への訪問が禁止されていが、一部解除し訪問を再開すると発表した。

6月30日 EUがカナダからの渡航解禁

 欧州連合(EU)が7月1日からカナダを含む14カ国からの渡航制限を解除することで合意したことが分かった。

6月30日 カナダ政府が海外からの入国禁止を7月31日まで延長

 カナダ政府は新型コロナウイルス感染防止策として実施している国境閉鎖について、海外からの渡航者の入国禁止措置を7月31日まで延長すると発表した。

6月30日 ケベック州で公共交通機関でのマスク着用義務化発表  

 ケベック州レガルト州首相は公共交通機関の利用時にマスク着用を義務付けると発表した。7月13日から実施。

6月30日 トロント市が屋内公共施設利用でのマスク着用義務化へ

 オンタリオ州トロント市で屋内公共施設利用時にマスク着用を義務付けるとトーリ市長が発表した。7月7日から実施開始。

6月30日 エアカナダが国内30路線廃止を発表

 カナダ航空最大手エアカナダが国内30路線を廃止すると発表した。同社は2万人の解雇も発表しており、新型コロナウイルス感染拡大が大きく影響している。

6月29日 ケベック州、新型コロナ発表を再開

 カナダ国内で最も新型コロナウイルス感染者が多いケベック州は、新たな感染者数が落ち着いてきたとして6月24日に感染状況の発表を週1回に減らすとしていたが、29日から再び毎日報告すると方針を再転換した。

6月28日 エアカナダ、ウエストジェット、フィジカルディスタンス対策を廃止へ

 カナダ航空会社大手2社が3列座席の中央席の予約を開始すると発表した。フィジカルディスタンスが実行できないとして懸念の声があがっている。

6月26日 有害なハンドサニタイザー流通

 BC疾病管理センター(BCCDC)がメキシコの企業が製造したハンドサニタイザーが人体に有害なメタノールを含有している可能性があるとして警告した。

6月26日 BC州内先住民族COVID-19感染状況を発表

 ブリティッシュ・コロンビア州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士が先住民族公衆衛生担当マクドナルド博士と記者会見し、州内先住民族の感染者は87人と発表した。死亡した人は4人。

6月26日 バンクーバーがNHLハブシティから脱落

 NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)がシーズン再開にむけてハブとなる2都市の候補6都市からブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市を除外したことが分かった。

6月26日 バンクーバー水族館が3カ月ぶりにオープン!

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月17日から休館していたブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市にあるバンクーバー水族館がこの日からオープンした。待ちわびた家族連れが多く訪れた。

6月26日 キツラノ屋外プールが7月から利用再開へ

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市にある巨大屋外プールキツラノプールが7月13日から利用できることが分かった。バンクーバー市が発表した。同市内その他2つの屋外プールも再開される。

6月25日 BC州コロナ禍での卒業

 ブリティッシュ・コロンビア州公立学校でこの日終業を迎えた。高校3年生にとってはコロナ禍での卒業となった。この日の会見でBC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士が卒業生に祝福のメッセージを贈った。

6月25日 PNEプレイランドが7月10からオープン!

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの唯一の遊園地PNEのプレイランドが7月10日の週末から再開する。夏休みのお楽しみThe Fairの開催も同時に発表された。

広告用レイアウト

Vancouver Airport, British Columbia; File Photo by Japan Canada Today
Vancouver Airport, British Columbia; File Photo by Japan Canada Today

7月27日 カナダの新型コロナウイルス感染状況

新規感染者数 416人
感染者累計 114,597人
死亡者数累計 8,901人
現在感染者数 5,836人
回復者数累計 99,860人

州別新規感染者数(カッコ内は累計)

ブリティッシュ・コロンビア州 24人(3,500人)
アルバータ州 91人(10,390人)
サスカチュワン州 31人(1,209人)
マニトバ州 6人(400人)
オンタリオ州 119人(38,799人)
ケベック州 145人(58,728人)
ニュー・ブランスウィック州 0人(170人)
ノバスコシア州 0人(1,067人)
プリンスエドワード島州 0人(36人)
ニューファンドランド&ラブラドール州 0人(266人)
ユーコン準州 0人(14人)
ノースウエスト準州 0人(5人)
ヌナブト準州 0人(0人)

カナダ公衆衛生対策

  • フィジカルディスタンス(2メートルの物理的距離)の実行
  • 手洗いの励行
  • 風邪に似た症状や体調が優れないなど少しでも新型コロナウイルス感染の疑いがあると思われる症状がある場合は外出しない
  • フィジカルディスタンスが実行できない場合は医療用以外のマスク・顔を覆う物を着用
  • 新型コロナウイルス感染の疑いがある場合は、各州公衆衛生局が指定する方法で検査を受ける

カナダの国境対策と入国制限

カナダ政府は3月18日より海外からのすべての旅行者の入国を禁止。6月30日、入国禁止措置を7月31日まで延長することを発表した。カナダ国籍・永住権保持者を含む一部の滞在資格保持者は対象外。

カナダ・アメリカ国境閉鎖について

カナダ政府は7月17日、アメリカとの国境閉鎖を8月21日まで延長すると発表した。カナダとアメリカの国境閉鎖措置は両国の合意により3月21日から双方向で実施され、必要不可欠な物流や不要不急以外の往来を禁止している。

カナダ入国時の対策

カナダへの入国禁止期間中でもカナダ国籍・永住権保持者を含め、一部滞在許可保持者は入国を認められている。

https://www.canada.ca/en/public-health/services/diseases/2019-novel-coronavirus-infection/latest-travel-health-advice.html#_Canada-U.S._border_restrictions_1

入国するすべての渡航者は新型コロナウイルス対策として以下が義務付けられている;

  • 入国後14日間の自己隔離(他の人との接触を制限)を実施すること
  • 空路、陸路、航路を含むすべての入国地点で、カナダ国境サービス庁に連絡先を提出すること
  • 自己隔離中に症状が出た場合は、他人との接触を断ち、各州公衆衛生局に連絡して検査を受けること

https://www.canada.ca/en/public-health/services/publications/diseases-conditions/2019-novel-coronavirus-information-sheet.html

これらのカナダ政府が定めた新型コロナウイルス感染防止規定に違反した場合は、6カ月の禁固刑・750,000ドルの罰金が科せられる。

ブリティッシュ・コロンビア州から入国する場合は自己隔離計画を提出しなければならない。

https://www2.gov.bc.ca/gov/content/safety/emergency-preparedness-response-recovery/covid-19-provincial-support/self-isolation-on-return#federal-plan

カナダ国籍・永住権保持者以外で、入国が許可されている対象者

  • 労働ビザ・学生ビザ・短期労働者ビザ(必要不可欠な季節労働者などが含まれる)保持者 
  • 外交官 
  • 航空会社乗務員

https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/coronavirus-covid19/visitors-foreign-workers-students.html#restrictions-students

6月9日から入国規制の一部緩和によりカナダ国籍・永住権保持者の家族に限り条件付きで入国を許可。

対象近親者は以下のとおり;

  • 配偶者・コモンローパートナー 
  • 扶養内の子ども、もしくは配偶者・コモンローパートナーの扶養内の子ども 
  • 親・継親、もしくは配偶者・コモンローパートナーの親・継親 
  • 後見人

入国条件;

  • 新型コロナウイルス(COVID-19)の症状やその疑いがある症状がないこと 
  • 新型コロナウイルス(COVID-19)に感染している疑いがないこと 
  • 15日間以上カナダに滞在すること、など

入国後の14日間自己隔離などの入国者全員を対象とした対策も義務付けられている

https://www.canada.ca/en/border-services-agency/news/2020/06/changes-to-travel-restrictions-for-immediate-family-members-of-canadian-citizens-and-permanent-residents.html

空港・航空機利用の対策について

空港での対応

現在カナダでは、国際線の受け入れを、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー空港、オンタリオ州トロント空港、ケベック州モントリオール空港、アルバータ州カルガリー空港に限定している。

海外からの渡航者で、入国時に空港ですでに新型コロナウイルス感染の疑いがある症状がある場合は、カナダ国境サービス庁職員が保健機関担当者に連絡し、担当者が対応するとしている。

https://www.canada.ca/en/public-health/services/diseases/2019-novel-coronavirus-infection/latest-travel-health-advice.html

マスクの着用義務付け

飛行機を利用するすべての搭乗者は、空港や飛行機利用時で、医療用以外のマスク、もしくは、顔を覆う物の着用が義務付けられている。ただし、2歳以下の子ども、呼吸器疾患がある人、マスク着脱に補助がいる人は対象外。

医療用以外のマスク・顔を覆う物を所持していない場合は、空港内の規制エリアに入場できないため、旅程を続行できない。

セキュリティチェックポイントや個人を確認する場合は、マスクを一時的に外すよう指示される場合がある。

https://www.tc.gc.ca/en/initiatives/covid-19-measures-updates-guidance-tc/covid-19-information-for-travellers.html

体温検査について

カナダ運輸省は6月12日、飛行機を利用するすべての搭乗者に体温検査を実施するよう航空会社に義務付けることを発表した。

段階的に導入され、第1段階は6月30日からすべての航空会社はカナダに到着する国際線・アメリカ線を対象に出発地点での搭乗者の体温検査実施が義務付けられる。第2段階は7月下旬からカナダ国際線運航4空港での出発便を対象に実施、第3段階は9月から全国主要11空港で出発便を対象に実施となっている。

https://www.canada.ca/en/transport-canada/news/2020/06/temperature-screening-to-be-required-for-travellers-at-canadian-airports.html

海外からの入国禁止は7月31日まで、14日間自己隔離は8月31日まで

Vancouver Airport, British Columbia; File Photo by Japan Canada Today
Vancouver Airport, British Columbia; File Photo by Japan Canada Today

 カナダ政府は6月30日、新型コロナウイルス感染防止策として実施している国境閉鎖について、海外からの渡航者の入国禁止措置を7月31日まで延長すると発表した。

 カナダ国籍・永住権保持者とその家族、外交官や季節労働者などは対象外。ただし新型コロナウイルス感染の症状がある場合は入国が拒否される。

 カナダはアメリカ国境を除く入国禁止措置を3月18日から実施。6月30日までとしていたが今回1カ月延長された。

 理由についてカナダ政府は、「(新型コロナウイルス)感染症の侵入と拡大はカナダの公衆衛生に重大な危険をもたらす可能性が高く、海外に滞在していた人のカナダ入国はカナダに感染症が持ち込まれ、拡大する恐れがあり、感染拡大の可能性を防止する対策について国境閉鎖以外の選択肢はない」としている。

 アメリカとの国境については3月21日から国境閉鎖措置が取られ、6月16日にジャスティン・トルドー首相が朝の定例会見で6月21日に期限が切れる米加国境閉鎖措置について30日延長することでアメリカ政府と合意したと発表した。7月21日までとなる。

カナダ入国者の14日間自己隔離政策を8月31日まで延長

 カナダに入国できる渡航者は現在入国後14日間の自己隔離が義務付けられている。違反した場合は、罰金もしくは禁固刑が科せられる。

 6月30日、カナダ政府はこの14日間自己隔離義務対策について、8月31日まで延長すると各メディアが報道している。

 渡航者は入国時に連絡先の提出を義務付けられていて、自己隔離を実施しているかチェックされるとしている。

 ブリティッシュ・コロンビア州では入国前に自己隔離計画を提出することを義務付けている。オンラインから事前に提出できる。

カナダ新型コロナウイルス対応経済緊急対策

Parlament, Ottawa, Canada; Photo © the Vancouver Shinpo

 新型コロナウイルス感染拡大防止策を3月中旬から強化した結果として、個人や企業への経済的負担が大きくのしかかったため、連邦政府は緊急経済支援策を実施。減収した個人や企業に早急な支援を実行するとともに、経済活動の再開へと支援の内容を移行している。

カナダ政府が実施している経済対策は専用ページで紹介している。

https://www.canada.ca/en/department-finance/economic-response-plan.html#businesses

個人への支援(Support for Individuals)

個人・家族への支援

▼カナダ緊急対応給付金(Canada Emergency Response Benefit:CERB)

新型コロナウイルス感染拡大により、解雇、一時帰休、就業時間削減などで収入が1カ月1000ドル以下に減収した個人や自営業者を対象に、4週間ごとに2000ドル(課税対象)を最大で24週間支給する現金給付策。https://www.canada.ca/en/services/benefits/ei/cerb-application.html

事業支援(Support for Businesses)

一時解雇の回避、従業員の再雇用、新しい雇用創出への支援策

▼カナダ緊急賃金助成制度(Canada Emergency Wage Subsidy:CEWS)

条件を満たす雇用主に対し、従業員賃金の75パーセント(1従業員につき1週間847ドルを上限)を保証。従業員の再雇用や一時解雇の回避を可能にする対策。実施は3月15日から8月29日まで。https://www.canada.ca/en/revenue-agency/services/subsidy/emergency-wage-subsidy.html

▼カナダ緊急商業賃貸援助(Canada Emergency Commercial Rent Assistance:CECRA)

中小企業が負担する商業用賃貸料を4月と5月(遡って申請可能)、6月に限り75パーセントを削減する対策。50パーセントを連邦・州政府が支援し、賃貸契約事業者が最大25パーセントを負担、不動産所有者が25パーセントを負担する。 https://www.cmhc-schl.gc.ca/en/finance-and-investing/covid19-cecra-small-business

▼大企業緊急融資策(LEEFF)

大企業の事業継続に必要なつなぎ融資を提供する。対象は新型コロナウイルス感染拡大によって従来の融資では事業継続が不十分な大企業。この対策でカナダの大企業を支援することにより、従業員、および関連するサプライヤーも援助することができる。さらに大企業の急速な事業回復も可能となる。

このプログラムは、カナダ開発投資公社と、イノベーション・科学・経済開発省、財務省との協力により実現。https://www.cdev.gc.ca/home-ceefc/

▼ワークシェアリングプログラムの拡張(Extending the Work-Sharing program)

COVID-19の影響を受けている事業者を対象に、ワークシェアリングプログラムの適用最大期間を38週間から76週間に延長。 これにより、通常の労働時間を短縮することに同意する従業員に所得支援を提供。https://www.canada.ca/en/employment-social-development/services/work-sharing/notice-covid-19.html#_Employers

▼若者のための新しい雇用と機会の創出

今夏から今後数カ月に、学生が就職先を見つけて有用なスキルを習得できるように最大116,000件の雇用機会、就職斡旋、その他のトレーニングの機会を創出。さらに、カナダの夏期雇用プログラムの一時的な変更により、雇用主に以下のことを可能にする;

  • 増額した賃金助成金の受給することにより、民間および公共機関の雇用主は、各従業員への州・準州の最低時給を最大で100パーセント受け取ることが可能となる
  • 2021年2月28日まで雇用
  • プロジェクトと仕事内容を適応させる
  • パートタイムでスタッフを雇用

トロント市が屋内公共施設利用でのマスク着用義務化へ

Canada News by Vancouver Shinpo; Designed by ©Vancouver Shinpo

 マスク着用を巡って相変わらず議論が続いているカナダ国内だが、この日記者会見したオンタリオ州トロント市ジョン・トーリ市長は、市内の屋内公共施設でのマスク着用を義務付けることを発表した。市の公衆衛生局長アイリーン・デビラ博士が推奨し、市議会でも同日可決された。

 トーリ市長は「マスク着用はお互いを尊重し保護する行為」と記者会見で語り、「多くの市民に店内や公共の職場でマスクを着用してほしい。経済活動再開と、ある程度普通の生活に近い形に戻るためには必要」と要請した。トロント市でも規制緩和が第2段階に入り、多くのビジネスが再開を始めている。

 モールやコンビニ、スーパー、レストラン、図書館、コミュニティセンター、協会、美術館、ホテルのロビーなど多くの人が利用する店舗や公共の施設が対象。

 カナダでも、一部の特に高齢の男性から、マスク着用が「男らしくない行為」と受け取られているということがあり、マスク着用に抵抗があるとする人も少なくない。トーリ市長は以前にも「マスクを着用したからといって男らしくないということはない」と記者会見で語っている。

 トロント市はすでに公共交通機関を利用する場合には、7月2日からマスク着用を義務付けている。今日の決定は7月7日から実施される。

 トーリ市長によると、違反者を取り締まることは現状ではしないという。着用していな人には、着用を促す注意にとどめるとしているが、罰金の設定は予定していると発表している。

 トロント市近郊のミササガ市やブランプトン市でも同様の措置を取ることが発表されている。

 一方で、オンタリオ州ダグ・フォード州首相は同日の会見で、州全土に同様の規制を導入することは現時点では考えていないと語った。州内でも地域によって新型コロナウイルス感染状況が違うためと説明した。

 トロント市は2歳以下の子どもや呼吸器系に疾患がある人などは対象外としている。

合わせて読みたいニュース記事

エアカナダが国内30路線閉鎖を発表

バンクーバー空港に駐機するエアカナダ機; file photo by Japan Canada Today
バンクーバー空港に駐機するエアカナダ機; file photo by Japan Canada Today

 カナダ最大航空会社エアカナダが、東海岸州を中心に、オンタリオ州、ケベック州を含む30路線の閉鎖を発表した。

 新型コロナウイルス感染拡大防止策としてカナダ政府をはじめ世界各国での実施された国境閉鎖や自宅待機などの措置が影響したと声明で報告している。新型コロナの影響から完全に回復するには少なくとも3年はかかるとの見通しも示し、今後も費用削減などの対策を実施する可能性が高いとしている。

 報告によれば2020年第1四半期の純損失は10億5000万ドルという。3月だけでも6億8800万ドルの純損失だったと公表している。

 同社すでに全従業員の約50パーセント、解雇や契約解除、早期退職者などを合わせて約2万人を削減することも明らかにしている。

 アジア路線では7月はバンクーバーから香港、韓国、東京・成田の3路線のみが運航している。

カナダ国内廃止予定30路線

東海岸州:

  •     Deer Lake-Goose Bay
  •     Deer Lake-St. John’s
  •     Fredericton-Halifax
  •     Fredericton-Ottawa
  •     Moncton-Halifax
  •     Saint John-Halifax
  •     Charlottetown-Halifax
  •     Moncton-Ottawa
  •     Gander-Goose Bay
  •     Gander-St. John’s
  •     Bathurst-Montreal
  •     Wabush-Goose Bay
  •     Wabush-Sept-Iles
  •     Goose Bay-St. John’s.

ケベック・オンタリオ州:

  •     Baie Comeau-Montreal
  •     Baie Comeau-Mont Joli
  •     Gaspé-Iles de la Madeleine
  •     Gaspé-Quebec City
  •     Sept-Iles-Quebec City
  •     Val d’Or-Montreal
  •     Mont Joli-Montreal
  •     Rouyn-Noranda-Val d’Or
  •     Kingston-Toronto
  •     London-Ottawa
  •     North Bay-Toronto
  •     Windsor-Montreal

カナダ西部:

  •     Regina-Winnipeg
  •     Regina-Saskatoon
  •     Regina-Ottawa
  •     Saskatoon-Ottawa

空港内カウンター閉鎖対象

  •     Bathurst (New Brunswick)
  •     Wabush (Newfoundland and Labrador)
  •     Gaspé (Quebec)
  •     Baie Comeau (Quebec)
  •     Mont Joli (Quebec)
  •     Val d’Or (Quebec)
  •     Kingston (Ontario)
  •     North Bay (Ontario)

合わせて読みたいおススメ記事

エアカナダ、ウエストジェット、フィジカルディスタンス対策を廃止へ

バンクーバー空港に駐機するエアカナダ機; file photo by Japan Canada Today
バンクーバー空港に駐機するエアカナダ機; file photo by Japan Canada Today

 カナダの主要航空会社エアカナダとウエストジェットが、これまで新型コロナウイルス感染拡大予防策として導入していた3列座席の中央席販売停止を解除することが分かった。

 7月1日以降の運航便から中央席の予約を受け付けるという。

 これについてフィジカルディスタンス(2メートルの物理的距離をあける)対策が実行できないとして懸念する声があがっている。

 カナダ公衆衛生局長テレサ・タム博士は6月29日朝の定例会見で各航空会社の決定についてコメントできないがとしながらも「公衆衛生局がフィジカルディスタンスを推奨していることには変わりない」と述べた。

 ブリティッシュ・コロンビア州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士は「非常に懸念している」と語っている。

体温測定、マスク着用は継続

 カナダ政府マーク・ガルノー運輸大臣は6月12日、飛行機を利用するすべての搭乗者に体温測定を実施するよう航空会社に義務付けることを発表、6月30日から実施されている。

 またマスク着用もすでに義務付けている。これらの新型コロナウイルス感染拡大防止策は引き続き実行される。

合わせて読みたいニュース記事

バンクーバー、NHLハブシティ脱落

Rogers Arena, Vancouver, BC
NHLバンクーバー・カナックスの本拠地ロジャーズアリーナ。バンクーバー市。Photo © バンクーバー新報

 北米プロアイスホッケーリーグNHL(ナショナル・ホッケー・リーグ) がシーズンの再開に向けてハブとなる2都市の候補6都市からバンクーバーを除外したことが分かった。ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーを本拠地とするバンクーバー・カナックスが公式ツイッターで公表した。 

 NHL は新型コロナウイルス感染拡大を受けて3月12日にシーズンを一時中断。 プレーオフ突入間近でシーズンが中断し、再開のタイミングを計っている。再開するにあたり24チームが東西カンファレンス各12チームでプレーオフを再開することを決定。各カンファレンス1都市で試合を行うためのハブとなる2都市の候補地を現在調査中だ。 

 その候補地として名乗りをあげたカナダの都市はバンクーバー、アルバータ州エドモントン、オンタリオ州トロント。各都市は本拠地とするNHLチームから「新型コロナウイルス感染防止対策」計画の提出を受け、公衆衛生局長の許可を得てカナダ政府も6月16日に了承している。 

 アメリカの都市を含めて10都市が名乗りをあげていたが6都市に絞り込まれた。その中でバンクーバーは最も新型コロナウイルス感染者数が少なくウイルス制御に成功している都市。 ハブシティとしての前評判も上々だったが、25日、突如候補地から外されたとカナックスが公表した。

 理由についてカナックスの発表では明確に示されていないが、選手が新型コロナウイルスに感染した場合の対策として、選手の隔離だけでなく、試合を一時中断することをBC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士が示唆していたため、これが NHL の基準と合わずバンクーバーが候補地から外されたのではないかとの見方をアメリカのスポーツ専門チャンネルESPN電子版が伝えている。 

 現時点でカナダの2都市は候補に残ったまま。アメリカの3都市は、ネバダ州ラスベガス、カリフォルニア州ロサンゼルス、イリノイ州シカゴで、ラスベガスが最有力候補の一つとみられている。 カナダ最有力候補バンクーバーが外されたことで、もう一つのハブシティがエドモントンかトロントのどちらかになる可能性が高くなった。NHLはカナダ2都市での開催もありえるとしている。現在アメリカの候補都市では感染者数が急増している。

 カナックスの公式発表の前に、記者会見を行ったブリティッシュ・コロンビア州エイドリアン・ディクス保健大臣は、BC州が候補になったのも現在のように新型コロナウイルス感染者数が州民の努力と公衆衛生保健局長ポニーヘンリー博士のアドバイスによって制御されているためで、私もNHLファンの一人だがと前置きして「選手、ファン、会場の従業員も含めブリティッシュ・コロンビア州にいる全員にBC州のルールが適用される」と保健大臣としての見解を示した。ヘンリー博士は自身もアイスホッケーのファンだからバンクーバーで試合が行われなくてもテレビで観戦すると笑って答え、BC 州にとって住民の安全が最優先と改めて強調した。

 ジョン・ホーガン州首相は26日、残念だが「BC州のルールを変更するわけにはいかない。州民の安全が最優先」とツイッターで声明を発表した。

バンクーバー水族館が3カ月ぶりにオープン!

Vancouver Aquarium, Vancouver, BC
バンクーバー市スタンレー公園内にあるバンクーバー水族館。Photo © バンクーバー新報

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの施設が一時閉鎖を余儀なくされたが、水族館も例外ではなかった。

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市にあるバンクーバー水族館も3月17日に休館したが、この日再開にこぎつけた。同水族館を運営するオーシャンワイズ・コンサベーション・アソシエーションCEOラッセ・ガスタブソン氏は「コミュニティがチケット購入して来館してくれることで、開館して64年となるバンクーバー水族館を支えてくれると望みを持っている」と語った。

 バンクーバー水族館は入場料やグッズ販売などがおもな収入源で、休館を余儀なくされたことで収入が激減し、一時は存続の危機さえ発表していた。職員は一時帰休にできても、約7万種いるとされている海洋生物を放り出すわけにはいかないと救済を訴えていた。

 そこで同市を本拠地とするMLS(メジャーリーグサッカー)バンクーバー・ホワイトキャップスFCが新型コロナウイルス対策となるマスクを水族館とのコラボで販売。売上金を水族館に寄付するなどして存続のために協力していた。

 今日からの再開では、来館者にあらかじめ日時を指定してチケットを購入してもらうことで館内の人数を調整、来館者には3歳以下の子どもや呼吸器系の疾患がある人を除きマスク着用を義務付けている。

バンクーバー水族館ウェブサイト:https://www.vanaqua.org/

合わせて読みたいニュース記事

Today’s セレクト

最新ニュース