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バンクーバー国際映画祭2024日本映画を紹介、「ぼくが生きてる、ふたつの世界」など今年も話題作を上映

「ぼくが生きてる、ふたつの世界(英題:Living in Two Worlds)」より。Photo courtesy of VIFF
「ぼくが生きてる、ふたつの世界(英題:Living in Two Worlds)」より。Photo courtesy of VIFF

 第43回バンクーバー国際映画祭(VIFF)が9月26日に開幕する。今年は4,800本の応募作品の中から選ばれたプレミア70本を含む長編作150本とショート作品81本が、バンクーバー市内の映画館で上映される。

 日本映画は、日加トゥデイ・メディアパートナー作品の「Living in Two Worlds」(「ぼくが生きてる、ふたつの世界」呉美保監督)をはじめ、シンガーソングライターの石橋英子さんが来加し、濱口竜介監督とのサイレント映画「GIFT」をVIFF Liveで披露する。

 今年もVIFFで上映される日本映画を紹介する。

「ぼくが生きてる、ふたつの世界(英題:Living in Two Worlds)」日加トゥデイ・メディアパートナー作品

「ぼくが生きてる、ふたつの世界(英題:Living in Two Worlds)」より。Photo courtesy of VIFF
「ぼくが生きてる、ふたつの世界(英題:Living in Two Worlds)」より。Photo courtesy of VIFF

 国内外から高く評価されてきた呉美保監督が9年ぶりに手がけた長編映画。耳が不自由な両親のもとで育った息子五十嵐大(吉沢亮)の成長に伴う葛藤や親子の絆を描いたストーリー。原作は作家・エッセイストの五十嵐大氏自身による「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」(幻冬舎)。

 母役は日本最初のろう者主演俳優として活躍する忍足亜希子、父役は数々の舞台作品に出演する今井彰人が演じる。そのほか、ろう者の登場人物には全てろう者の俳優を起用。共演は他にユースケ・サンタマリア、烏丸せつこらなど。

 バンクーバー国際映画祭パノラマ部門正式出品作品。https://viff.org/whats-on/viff24-living-in-two-worlds

「GIFT」

VIFf Liveに参加する石橋英子さん。(c)JimO'Rourke/Photo courtesy of VIFF
VIFf Liveに参加する石橋英子さん。(c)JimO’Rourke/Photo courtesy of VIFF

 ライブパフォーマンスが行われるVIFF Liveシリーズでは、音と映像の最先端で活躍するアーティストたちが集結。日本からはシンガーソングライターの石橋英子さんが来加し、2022年にアカデミー賞国際長編映画賞を獲得した「ドライブ・マイ・カー」でタッグを組んだ濱口竜介監督の「GIFT」で石橋ワールドを披露する。

 本作品は濱口のサイレント映像と石橋のライブサウンドトラックで作られている。8月28日にバンクーバー市で行われたプレスコンファレンスにでも「すばらしいコラボ」と紹介されるほど注目されている。

https://viff.org/whats-on/gift-hamaguchi-ishibashi-live

「Super Happy Forever」

「Super Happy Forever」より。Photo courtesy of VIFF
「Super Happy Forever」より。Photo courtesy of VIFF

 幼馴染の佐野と宮田は2人で伊豆を訪れる。そこは、佐野が5年前に亡くなった妻・凪と初めて出会い、恋に落ちた場所。二人は凪の影を追うように思い出の地を巡る。

 世界が注目する五十嵐耕平監督による長編最新作で、日本映画初となる第81回ベネチア国際映画祭ベニス・デイズ部門でオープニングを飾った作品。

 「泳ぎすぎた夜」で共同監督を務めたDamien Manivelもプロデューサーとして参加し、日仏合作映画として製作された。「青春期の終わり」を迎えた人々の奇跡のようなひとときを描いている。

 バンクーバー国際映画祭パノラマ部門正式出品作品。https://viff.org/whats-on/viff24-super-happy-forever

「 HAPPYEND(英題:Happyend)」

VIFF2024ではShowcaseカテゴリーで上映される空音央監督作品「Happyend」より。Photo courtesy of VIFF
VIFF2024ではShowcaseカテゴリーで上映される空音央監督作品「Happyend」より。Photo courtesy of VIFF

 ありえるかもしれない未来を舞台に、高校生の友情の揺れ動きや葛藤、そしてテクノ音楽が融合したクリエイティブかつ力強い作品。コンサートドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto | Opus」で世界の映画祭から注目された空音央監督による初のドラマ映画。

 2024年第81回ベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門出品作品、トロント国際映画祭では北米プレミアとしても上映された。

https://viff.org/whats-on/viff24-happyend

「Viva Niki タロット・ガーデンへの道(英題:Viva Niki – The Spirit of Niki de Saint Phalle)」

「Viva Niki タロット・ガーデンへの道(英題:Viva Niki - The Spirit of Niki de Saint Phalle)」より。Photo courtesy of VIFF
「Viva Niki タロット・ガーデンへの道(英題:Viva Niki – The Spirit of Niki de Saint Phalle)」より。Photo courtesy of VIFF

 フランスを代表するフェミニスト・アーティスト「ニキ・ド・サンファル」の人生と作品を追ったドキュメンタリー。世界で活躍する女性アーティストを撮り続けてきた写真家松本路子が映画初監督を務める。ナレーションを担当したのは歌手で俳優の小泉今日子、エンディング曲でも上田ケンジとのユニット「黒猫同盟」として参加している。

 ニキの集大成としてイタリア・トスカーナに制作した彫刻庭園「タロット・ガーデン」。1981年からニキと10年以上にわたり交流してきた松本路子自身がその庭園を訪れ、ニキが歩んだ道を辿る。

https://viff.org/whats-on/viff24-viva-niki

「The Chef & the Daruma」

「The Chef & the Daruma」より。Photo courtesy of VIFF
「The Chef & the Daruma」より。Photo courtesy of VIFF

 36年にわたり数多くの著名人から愛されてきたバンクーバー市にあるレストラン「Tojo’s restaurant」のオーナー東條英員氏の活動を追いかけたドキュメンタリー。Mads K. Baekkevold監督初の長編作品。東條氏はカナダでの日本料理のパイオニアで、カリフォルニアロールの生みの親としても知られている。VIFFでの上映が世界初公開。

https://viff.org/whats-on/viff24-the-chef-the-daruma

「あめだま(英題:Magic Candies)」

「あめだま(英題:Magic Candies)」より。Photo courtesy of VIFF
「あめだま(英題:Magic Candies)」より。Photo courtesy of VIFF

 韓国の絵本作家ペク・ヒナの「魔法のキャンディー」を原作とした短編アニメーション。「ニューヨーク国際こども映画祭2024」の短編アニメーション審査委員最優秀賞作品。コミュニケーションをとるのが苦手な少年ドンドンが不思議な「あめだま」の力を通じて、他人の心を理解し、自身の気持ちを伝えることができるようになるまでを描いている。監督はドラゴンボールなどを手掛けてきた西尾大介。カナディアン・プレミア作品

https://viff.org/whats-on/viff24-magic-candies

Colors Under the Streetlights

「Colors Under the Streetlights」より。Photo courtesy of VIFF
「Colors Under the Streetlights」より。Photo courtesy of VIFF

 深夜にガールズバーのキャストを乗せ、夜の街を走るドライバーのユリカを主人公にした、東京の夜を生きる女性たちを描いたショートムービー。

 監督・脚本は「ドーナツもり」の定谷美海。

https://viff.org/whats-on/viff24-colors-under-streetlights

「My Dog is Dead / 私の犬が死んだ」

「私の犬が死んだ(英題:My Dog is Dead)」より。Photo courtesy of VIFF
「私の犬が死んだ(英題:My Dog is Dead)」より。Photo courtesy of VIFF

 家族の犬が亡くなったと知り、犬を飼っている人の気持ちが分からないボーイフレンド・ヨシキと一緒にリコが実家を訪ねる物語。家族や喪失、悲しみを静かに描き出す感動的なショートムービー。松永侑と千田丈博の共同監督作品。

https://viff.org/whats-on/viff24-my-dog-is-dead

Vancouver International Film Festival 2024

期間:2024年9月26日~10月6日
チケット:一般19ドル、シニア17ドル、学生14ドル。6枚、10枚のチケットパックもあり
上映時間やチケット情報はバンクーバー国際映画祭ウェブサイトを参照。https://viff.org/festival/viff-2024

(記事 田上 麻里亜)

バンクーバー国際映画祭チケットプレゼントのお知らせ

日加トゥデイがメディアパートナーの「Living in Two Worlds」(「ぼくが生きてる、ふたつの世界」呉美保監督)を10名に、好きな映画を選べる一般チケットを10名に、プレゼントします。

希望の方は、件名に「Living in Two Worlds」希望、一般チケット希望と、どちらかを明記して、promo@japancanadatoday.caまでご応募ください。締め切りは9月23日(月)正午となります。

抽選の上、当選者には直接メールで連絡いたします。

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偶然と恋愛「Super Happy Forever」五十嵐耕平監督インタビュー

「Super Happy Forever」より。Photo courtesy of VIFF
「Super Happy Forever」より。Photo courtesy of VIFF

 「特別な思い出はだいたい取るに足らないようなささやかな事柄の方が多い」。監督のそんなさりげない発想から生まれたような映画「Super Happy Forever」。この作品は今年のバンクーバー国際映画祭パノラマ部門から、見所としてメディアコンフェレンスで紹介された唯一の日本映画。9月7日、大学の授業のためバンクーバーに来られない五十嵐耕平監督は、東京から日加トゥディのインタビューに応えてくれた。

 まず冒頭から海の好きな人、そうでない人でもため息が出るくらい奇麗な景色に遭遇する。そしてブルーのさわやかな海を囲むように、ひと夏の物語りが始まる。

 海辺のリゾート地を5年ぶりに訪れた幼なじみの佐野(佐野弘樹)と宮田(宮田佳典)。でも佐野は最愛の妻・凪(なぎ、山本奈衣瑠)を亡くしたばかり。自身も悩みを抱えているが幸せを信じて明るい宮田。それに比べ佐野はただ怒りっぽい。彼の目的はただ一つ。凪と偶然に出会った場所で、二人の思い出の赤い帽子を見つけること。ひたすら帽子を探す彼の悲しみといらだちは隠せない。

「Super Happy Forever」より。Photo courtesy of VIFF
「Super Happy Forever」より。Photo courtesy of VIFF

 今年ベネチア国際映画祭でプレミアしたこの作品は、3部構成で現在、過去、現在へと時間を横断する。1部での佐野の変わった行動が、2部でその理由が解かれる。偶然が偶然を呼んでワクワクしたり、カップヌードルのシンプルな幸せを感じた後は、3部で人生を変えるための帽子を私たち観客も一緒に探す。そして…

最後まで魅せる作品

 静かで優しいから、どこかノスタルジックな恋や喪失感を期待すると、意外な所へたどり着くのでびっくり。「現在の日本だとどこか変わった映画だと思われるかもしれないですね」と語る五十嵐監督の言葉通り、独特な皮肉やユーモアが感じ取れた。ただこのふわっとした青春感は、どの年代の人にも通じるものがあり、席を立つと振り返ってまた見たくなる。

「Super Happy Forever」より。Photo courtesy of VIFF
「Super Happy Forever」より。Photo courtesy of VIFF

 最近カナダでも見られる宗教的な自己啓発セミナーについて「信じることで救われたり明るくなるのはよいが、金銭と結びつくと良くないことがある」。また最近の映画で見られない入浴やタバコのシーンについても「自分の好きな映画にそういうシーンが多いから」と前置きして、「まあタバコ吸う人多いし、全然いいでしょう」と明るく応えてくれた。この70年、80年代の監督みたいな発言も五十嵐監督の大きな魅力だ。

五十嵐耕平監督。Photo courtesy of VIFF
五十嵐耕平監督。Photo courtesy of VIFF

 年齢より若く見え、まだ新鋭イメージがある監督だが、大学在学中に手がけた「夜来風雨の声」が、2008年のシネマ・デジタル・ソウル映画祭でいきなり韓国批評家賞を受賞。続いて大学院時代に作った「息を殺して」がロカルノ国際映画祭に、さらに「泳ぎすぎた夜」がベネチア国際映画祭に連続招待されるという快挙を成し遂げている。また監督のミュージックビデオ(D.A.N.「Pool」「Native Dancer」)や過去のショート作品など長編作に至るまでの映像と色使いも注目してほしい。

 主人公を見ているといつの世代でも青春時代はあったと実感。五十嵐監督は「ぜひ見てくださいね」と元気よく締めくくった。終わらないひと夏の物語、劇場で見たい作品だ。

「Super Happy Forever」上映日時・会場

10月4日(金)6:00 pm @Fifth Avenue Cinema
10月6日(日)6:15 pm @SFU Woodwards
https://viff.org/whats-on/viff24-super-happy-forever/

(取材 Jenna Park)

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日本語認知症サポート協会「オンライン de Cafe・笑いヨガ」

「笑顔の力」を引き出そう〜「笑いヨガ」で、元気な心と体づくり〜

毎月、「笑いヨガ」を行っています。自宅にいながら参加できる、オンラインでのセッションです。興味のある方、初めての方も大歓迎。楽しく一緒に笑いましょう!

日時:2024年10月17日(木)午後8時〜午後9時
会場:Zoom
参加費:初回無料、2回目からドネーション(e-Transfer、PayPalまたは小切手にて)
申し込み締め切り:2024年10月15日(火)

申し込みリンク:https://forms.gle/k3vhNu5ux71eYu8p9
*お申し込みいただいた方には、追って参加方法をご案内いたします。

お問い合わせ先:orangecafevancouver@gmail.com

主催:日本語認知症サポート協会(Japanese Dementia Support Association) http://www.japanesedementiasupport.com

MagicJo山下の無料手品レッスン

MagicJo山下の無料手品レッスン http://www.magicjos.magix.net/public

場所:Vancouver中央図書館(W.Georgia@Homer)8階

所要時間:30分
Props/教材費:$5

三名集まり次第連絡ください。  webarts3000@yahoo.com

ご家庭で簡単にできるおいしいココナツ マカロン

ワーさん(W.A.3.)のレシピ#1.

www.webarts3000.magix.net/public

ご家庭で簡単にできるおいしいココナツ マカロン。

ーーーーーーーー

ココナツ マカロン

ココナツ                    500 g。
砂糖               250 g。
卵白               250 ml。
溶かしたバター   75g。

全材料をよく混ぜる。アイスクリームスクープを使って鉄板に並べる。350Fで約20分。

質問は山下にお聞きください:webarts3000@yahoo.com

第16回 おひとりさまが終活をしないと、どうなる?! Pさんのケース その3~Let’s 海外終活~

終活は新しい大人のマナー

叶多範子

秋の気配が少しずつ感じられ始める今日この頃。みなさんは思い思いの夏を楽しめたでしょうか? 夏の喧騒が遠のき、静かに秋が忍び寄る季節の変わり目。カナダの長い冬がまた始まると思うと、心に重みが感じられる瞬間もあります。しかし、その前に訪れる秋の輝きは、私たちに最後の華やかな贈り物をしてくれるようです。メープルの葉が赤や黄金に染まり、澄んだ青空との対比が心を躍らせます。この数少なくなってきた晴れやかな日々を、一瞬一瞬大切に味わいたいものです。

さて、前回からの続きです。

妹さんの帰国により、Qさんの肩にのしかかる責任が一層重くなりました。Pさんの遺産整理が本格化する中、持ち家だったことが幸いし、即座の退去は免れました。しかし、新たな問題が次々と浮上します。

まず直面したのは、マンションの保険切れでした。保険会社に連絡すると、「空き家」扱いとなるため、Pさんが加入していた保険の継続は不可能だと告げられます。水回りトラブルへの不安から、可能な限りの保険に加入しましたが、それは新たな重荷となりました。保険会社の担当者から「毎日の部屋チェック」を強く要求されたのです。

Qさんには自身の生活があり、Pさんの家からも遠距離に住んでいたため、毎日の訪問は現実的ではありません。結局、週に1度の換気を兼ねた訪問で妥協することになりました。

しかし、最大の難関がまだ待っていました。それは、デジタル資産へのアクセス問題です。Pさんは銀行取引から公共料金の支払いまで、すべてをオンラインで管理していました。どの金融機関や事業者と取引があったのかを把握するため、Qさんは古い通帳や明細書を必死に探し出さねばなりませんでした。

Pさんは一人暮らしだったせいか、パスワードやユーザー名の記録を残していませんでした。見つかったメモは判読困難な走り書きで、どのアカウントに対応するものかも不明でした。結果として、Qさんは各機関に個別に問い合わせるという煩雑な作業を強いられることになりました。

もしパスワードが判明していれば、Pさんのメールアドレスにアクセスでき、取引先や親しい知人への連絡もスムーズだったはずです。しかし、それも叶わず、Qさんの苦労は続くことになります。

この経験は、デジタル時代における「おひとりさま」の終活の難しさと、事前準備の重要性を浮き彫りにしました。パスワード管理や緊急時のアクセス権設定など、デジタル資産の承継計画が不可欠であることを、Pさんのケースは如実に物語っているのです。

幸いにも残っていたマンションのローンは生命保険で完済されたため、Pさんには大きな借金はないことは確認することができました。でも、もしかしたら誰も把握していないPさんの資産があったかもしれませんが、それはもう知る由がありません。

さらにQさんが直面した重要な課題の一つが「グラント」の取得でした。このグラントとは、裁判所が発行する遺産管理権を認める不可欠な法的文書です。Qさんは弁護士事務所に手続きを依頼しましたが、Pさんの事案が通常とは異なる少し複雑なケースだったため、この相続手続きにおいて重要なグラントの入手に約1年以上もの時間を要しました。これが出たら、すぐに銀行がお金を払い戻してくれるのかと思いきや、なかなか手続きをしてくれません。Pさんに関する税金の支払いもわからないため、会計士さんにお願いすることになりました。

Pさんの遺産整理は、想像以上に複雑で時間のかかる作業でした。管理費の未払い金の精算、滞納していた税金の支払い、さらには裁判所や弁護士事務所への対応など、次々と浮上する問題に、Qさんは粘り強く取り組みました。

マンションの片付けも大きな仕事でした。長年の生活で蓄積された私物の整理、不用品の適切な廃棄、そして部屋全体の徹底的な清掃。これらの作業を終えてようやく、マンションを売却に出すことができたのです。幸いにも、Pさんがマンションを購入した際の不動産業者の協力を得られ、比較的短期間で買い手を見つけることができました。

QさんがPさんとそのご家族のために尽力したことは、ここに書ききれないほど多岐にわたります。その献身的な姿勢と、惜しみなく費やした時間と労力には、聞いた誰もが頭が下がる思いでした。

続く

*このコラムは終活に関する一般的な知識や情報提供を目的とするものです。内容の正確さには努めておりますが、必要に応じてご自身で確認、または専門家へご相談ください。このコラムを元にして起きた不利益は免責とさせていただきます。

「Let’s海外終活~終活は新しい大人のマナー」の第1回からのコラムはこちらから。

叶多範子(かなだ・のりこ)

海外終活アドバイザー・弁護士アシスタント
「終活をせずに亡くなった!認知症になって困った!途方に暮れた!!」を、「終活しておいて良かった!」「終活してくれていて、ありがとう!」に変えたい!そんな思いから2020年に終活アドバイザー資格を取得。海外在住の日本人向けの「海外終活」についての講座や説明会、ご相談はブログやFacebookなどのSNSをご覧ください。家族はカナダ人の夫+息子2人+猫1匹、バンクーバー在住。

ブログ: https://globalmesen.com/
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著書「海外在住日本人のための50代からの終活」:​​https://a.co/d/ad4OeLw

GK高丘2試合連続無失点、ホワイトキャップスは主力選手欠場も6位維持

GK高丘、試合後ロッカールームの前で。2024年9月7日、BCプレース。写真 日加トゥデイ
GK高丘、試合後ロッカールームの前で。2024年9月7日、BCプレース。写真 日加トゥデイ

 MLS(メジャーリーグサッカー)レギュラーシーズンは9月に入り終盤を迎えている。バンクーバー・ホワイトキャップスは9月7日、アメリカ・テキサス州ダラスに本拠地を置くFCダラスとBCプレースで対戦。何度もチャンスはあったもののゴールを決められず、引き分けに終わった。

9月7日(BCプレース:23,188)
バンクーバー・ホワイトキャップス 0-0 FCダラス

終始キャップスが主導するも得点できず

 前半から終始ホワイトキャップスが試合を支配していた。この日ホワイトキャップスが放ったシュートは20本、対してダラスは6本と、その差は一目瞭然。試合前半から多くの得点機会があり、ビックチャンスもあったが、惜しくも得点には繋がらなかった。

 ホワイトキャップスは、各国代表に合流するため、Ryan Gauld、Andrés Cubas、Ali Ahmed、Pedro Vite、Fafa Picaultがいなかったほか、Brian Whiteも欠場で、主力6人を欠いた状態で戦った。

 Vanni Sartini監督は、試合前から若手選手にチャンスを与えられるポジティブな機会として捉えていた。試合については、「(選手たちは)とてもいいプレーをしたと思う」と語ったものの、試合結果については満足していないとコメントした。

プレーオフに向けて厳しい試合が続く

 GK高丘は、ディフェンス機会が少なかったものの2回のセーブでチームを守った。「ホームで勝ちをしっかりと取りたかったという気持ちはありましたけど、スタートからゲームを支配することができていましたし、まずはこの状況をポジティブに捉えて次のホームの試合に繋げたいと思います」と引き分けを前向きに捉えた。

 この日は主力選手が複数欠場する試合となったがチームの雰囲気について、「チームの中心選手がいない分、多少違う部分もありましたけど、代わりに出場した選手が生き生きとミスを恐れずにプレーしていたので、そういった意味ではチームの底上げができた良い90分だったと思います」と振り返った。

 自身のプレーについては「守備機会は少なかったですけど、相手にも良いフォワードの選手もいる中で、チャンスを与えないということは今日のテーマでもありましたし、チームのみんなが90分間ハードワークをしてくれたおかげもあって、しっかりと0点で終えられてよかったです」。

 高丘は現在2試合連続無失点。「無失点は自分の中でもこだわっている部分で、かといって自分だけでできることではないので、チームと協力しながら自分の仕事をしっかりとまっとうしたいと思っています」とチーム一丸を強調した。

 チームは現在西カンファレンス6位だが、4位以上がホームでプレーオフを迎えることができる。「(この先は)トップ4に食い込んでいくために勝ちにこだわる必要があると思っています。今日も難しい試合でしたけど次の試合はより難しい試合になると思います」

 レギュラーシーズンは残り9試合、うち5試合がホームゲーム。シーズンも終盤を迎え、ホームでプレーオフを迎えるための大事な試合が続く。

9・10月のホームゲームhttps://www.whitecapsfc.com/

9月14日(土)7:30pm サンノゼ・アースクエイクス戦
9月25日(水)7:00pm トロントFC戦(カナディアン・チャンピオンシップ決勝)
9月28日(土)7:30pm ポートランド・ティンバーズ戦
10月2日(水)7:30pm シアトル・サウンダーズFC戦
10月5日(土)4:30pm ミネソタ・ユナイテッドFC戦
10月13日(日)4:30pm LAFC戦

(記事 田上麻里亜)

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25人以上の建設現場で水洗トイレ設置を義務化

 建設現場で長年求められていた「トイレ事情の改善」が実現することになった。ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では2024年10月1日から、25人以上の作業員が働く工事現場では水洗トイレと手洗い設備の設置が義務付けられる。トイレは下水設備かタンクに接続されて水で流せるもの、手洗い設備は水とせっけんを備えたものと定められている。

 建設現場でよく使われている水洗式ではない簡易トイレ、いわゆる「ポータ・ポッティ」について、州内45,000人の建設作業員を代表するB.C.ビルディング・トレードは、不潔で(作業員の)尊厳を損なうものだと非難し、昨年10月から水洗トイレ設置義務化のキャンペーンを行っていた。同時期にデイビッド・イービー州首相はこの問題に取り組むことを明言していた。

 今回の措置についてハリー・ベインズ労働大臣は9月5日付の発表で、「簡易トイレは不快なものだが(それ以上に)これは建設作業員の健康と安全問題である」と述べた。また、トイレ事情の改善は女性を含めた建設業界における雇用の促進や離職の防止にもつながるという。

 カナダ統計局によるとBC州では245,000人が建設業界で働いている。

(記事 編集部)

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VIFF 2024「Story-telling 物語りの豊富な映画祭」

 第43回Vancouver International Film Festival(VIFF)が9月26日から10月6日まで開催される。1982年に発足した映画祭は今年1月からメイン会場VIFF Centreを改装。8月28日には改装オープンする内見と映画祭の見どころが、VIFFエクゼキュティブ・ディレクターKyle Fostner氏より発表された。

VIFFプログラムディレクターWoloschuk氏(左)とVIFFエクゼキュティブ・ディレクターFostner氏。2024年8月28日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
VIFFプログラムディレクターWoloschuk氏(左)とVIFFエクゼキュティブ・ディレクターFostner氏。2024年8月28日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today

 映画館に入るとまずシートが大幅に改善されたのが目に入る。さらに約10メートルのスクリーンに新4Kレーザーのプロジェクター、53体のスピーカーによるドルビーアトモスのサウンドシステムが加わり、画質はもちろん360°の音響に安定感を感じる。今年は4800本の応募作品の中から選ばれたプレミア70本を含む長編作150本と、ショート作品81本が、新しい映画館を含む7カ所で上映される。

2024年VIFFハイライト

 オープニングはカナダのJeff Lee PetryとNathan Drillot両監督による「Ari’s Theme」。ブリティッシュ・コロンビア州に住む脊髄筋萎縮症を背負った1人の作曲家が、自分の存在を残そうと音楽を作る姿を映すドキュメンタリー。バンクーバー・シンフォニー・オーケストラ(VSO)から8人が生演奏する中で鑑賞できる。

VIFF2024オープニング映画「Ari's Theme」より。Photo courtesy of VIFF
VIFF2024オープニング映画「Ari’s Theme」より。Photo courtesy of VIFF

 クロージングは、今年カンヌ国際映画祭で観客賞と女優賞のダブル受賞で話題のミュージカル映画、Jacques Audiard監督の「Emilia Pérez」。メキシコを舞台にしたドラッグ犯罪スリラーで、アイドル歌手Selena Gomezと、2人のトップ女優Karla Sofia Gascón、Zoe Saldanaが共演する。

 映画の他にも、「VIFFでは誰でも何かを見つけられる」というFostner氏の言葉通り、多くのスペシャルイベントも用意されている。観客とのコミュニケーションを図る舞台あいさつとQ&A、製作側の生の声が聞けるTalks、音楽のAmp、製作会社によるVIFF Industry、テクノロジーのSignalsなど、盛りだくさん。また今年のVIFF Liveでは日本からシンガーソングライターの石橋英子さんが来加。音楽イベントとしてはスペシャルイベントとしてアカデミーやグラミーなど多数受賞歴のある作品「スラムドッグ$ミリオネア」のインド人歌手A.R. Rahman(ラフマーン)さんがVSOとコラボする。

VIFF2024のプログラム発表と改装オープンお披露目会を兼ねたプレスコンファレンスの様子。2024年8月28日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
VIFF2024のプログラム発表と改装オープンお披露目会を兼ねたプレスコンファレンスの様子。2024年8月28日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today

気になる日本映画

 VIFFプログラムディレクターCurtis Woloschuk氏が「これは近い将来への風刺」と今回太鼓判を押したのは「Happyend」。元YMOメンバーで世界的に有名な坂本龍一さんの息子でもある空音央監督作品。昨年父の最後のコンサートをドキュメンタリー映画にして話題になり、今回初めてドラマを手がける。

VIFF2024ではShowcaseカテゴリーで上映される空音央監督作品「Happyend」より。Photo courtesy of VIFF
VIFF2024ではShowcaseカテゴリーで上映される空音央監督作品「Happyend」より。Photo courtesy of VIFF

 「すばらしいコラボ」と紹介されたのは濱口竜介監督のサイレント映画「Gift」。プレミア作品で日本からシンガーソングライターの石橋英子さんが来加し、Liveに出演。監督の制作した映像に自身のソロライブを披露してくれる。

 五十嵐耕平監督の「Super Happy Forever」は、最愛の妻を亡くした男性が親友と一緒に彼女との思い出の場所に旅する映画。Woloschuk氏は「3人の違う視点から感情的になり、見たあとに良い作品だと感じた」と話した。さらに「Be true to you、どこにでもありそうな題材でも、人と違う、自分にしか作れない映画を作ってほしい」とこれから映画を作る未来の監督にもアドバイスした。

 他にも日加トゥデイがメディアパートナーの「Living in Two Worlds」(「ぼくが生きてる、ふたつの世界」呉美保監督)、ショートフィルムでは、バンクーバー市にあるレストランTojoを舞台にした「The Chef & the Daruma」(Mads K. Baekkevold監督)など日本がテーマの作品も数本上映される。

Vancouver International Film Festival 2024

期間:2024年9月26日~10月6日
チケット:一般19ドル、シニア17ドル、学生14ドル。6枚、10枚のチケットパックもあり
ウェブサイト:https://viff.org/festival/viff-2024/

(取材 ジェナ・パーク)

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朝日レガシーゲーム2024、今年は10周年の特別な試合に

 例年より少し夏の暑さが残った9月2日、今年も朝日レガシーゲームがナナイモパーク(バンクーバー市)で開催された。戦前にバンクーバーで人気を博した日系人野球チーム「朝日軍」に敬意を表して毎年9月第1月曜日に開催される現代版朝日軍の親善試合。今年は2015年の第1回レガシーゲームから10年、さらに、戦前の「朝日軍」創設から110年の記念の年となることから特別式典が開催された。

上西ケイさんや戦前活躍した朝日軍の子孫が式典に参加

開会式に招待された上西ケイさん(中央)と朝日軍選手の子孫、丸山総領事、シム市長ら。2024年9月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
開会式に招待された上西ケイさん(中央)と朝日軍選手の子孫、丸山総領事、シム市長ら。2024年9月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 「朝日軍」の選手で現在102歳となる上西ケイさんが式典に参加したほか、朝日軍の選手の子孫、ジャスティン・オールトさん、ロブ・ナガイさん、リーナ・カダさん、エド・カミニシさん、ジョイス・シモクラさん、マンディ・シンタニさん、ロリーン・オイカワさん、デレック・ウォーターズさんやその家族も参加した。それぞれ祖父や大叔父が朝日軍の選手としてプレーしていた家族たち。

 現在唯一の元選手上西ケイさんに代わって長男エド・カミニシさんがあいさつ。「1914年に始まった朝日野球クラブの歴代監督、選手たち全員が現在の『朝日軍』に対する敬意を喜んでいると思います」。戦前の朝日軍がモットーとしていた「フェアプレー、スポーツマンシップ」を野球だけでなく普段の生活でも現在の朝日選手が実践してくれていることに感謝し、その輪が広がっていくことを期待すると新朝日チームと関係者に感謝した。

上西ケイさん(中央)とあいさつをするエド・カミニシさん。2024年9月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
上西ケイさん(中央)とあいさつをするエド・カミニシさん。2024年9月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

2025年ジャパンツアー、いよいよ本格始動

 この日の試合は、ブルーのユニフォームを着た2025年3月に日本遠征する2025ジャパンツアーチームと、黒のユニフォームを着たこれまでにジャパンツアーに参加した選手で作られた同窓チームが対戦。2025ジャパンツアーチームが「先輩」に胸を借りる親善試合は、ツアーチームの本格始動を意味する。

2025ジャパンツアーのキャプテン、コウタ・ヒライ選手。2024年9月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
2025ジャパンツアーのキャプテン、コウタ・ヒライ選手。2024年9月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 ジャパンツアーは2015年から2年に1度、選手が日本を訪問して、野球を通じた交流を図っている。チームは朝日に登録しているメンバーから選抜された主に15歳から17歳の選手で構成されている。

 2025年ジャパンツアーチームのキャプテン、コウタ・ヒライ選手は、「日本ツアーでは色々な経験を楽しみたいと思っています。それと日本のチームがどのような野球をしているのかを見て新しいことを学んできたいです」と遠征に期待する。2025年チームは楽しく野球をするチームと言う。全てのことに敬意を払うという朝日の精神を大切にして、野球を楽しみたいと語った。

 2025ジャパンツアーチームを率いる小川学監督は「これまで練習してきてしっかりとプレーできる選手たちが揃いました」と期待する。朝日は秋から春にかけて活動する。それは各選手が春から夏までの野球シーズンは各所属チームでプレーしているからで、中にはその所属チームで世界大会を経験した選手も今回含まれているという。そうした選手たちが集まって構成されているのが朝日。「各チームで活躍している選手たちが集まって一緒に朝日として日本に向かうことにとても意義があると思っています」と小川監督。朝日では低学年の頃から一緒にプレーしている選手たちでチームワークもいいと太鼓判を押す。日本では野球の試合と一緒に文化交流も楽しんでもらいと語った。

丸山総領事、シム市長も参加

 10周年を記念した式典は、Go太鼓の和太鼓から始まり、櫻会の神輿、そして始球式が行われた。

丸山総領事の始球式。2024年9月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
丸山総領事の始球式。2024年9月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 始球式の大役を務めたのは在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事。「ボールが届くかどうか心配だったんですけど」と終わった後に笑っていたが、ど真ん中のストライク投球でレガシーゲームの幕を開けた。この日、上西ケイさんの元気な姿を見て「とてもうれしく思っています」と語った丸山総領事。昨年8月には総領事自身が在外公館長表彰を授与していることもあり、102歳になっても元気できょうの式典に出席する姿に目を細めた。「バンクーバーの日系社会に存在感を示してくださっていますし、(野球を通じて)若い世代にフェアプレーの精神を伝えられている姿はすばらしいことだと思います」といつまでも元気でいてほしいと語り、野球を通じても日本とカナダの友好な関係が続くことを願った。

あいさつをするシム市長。2024年9月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
あいさつをするシム市長。2024年9月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 バンクーバー市ケン・シム市長は、「きょうは参加できて光栄です」と語った。シム市長は今年1月11日をVancouver Asahi Dayに設定。「朝日の歴史を知った時にチームの存在を認識することは重要だと思った」と理由を語った。1月11日は上西ケイさんの誕生日。「上西さんは102歳になられても元気で」と式典では上西さんの隣に座り、うれしそうに見守っていた。2025年はバンクーバー市と横浜市の姉妹都市提携60周年。「もう何度も日本を訪問したことがある」というシム市長は朝日のジャパンツアーの日程に合わせて日本を訪問する予定にしている。

これからもレガシーを受け継いで

 Vancouver Asahi Baseball Associationジョン・ウォン会長は、この日の10年の節目に「みんなにとってすばらしい日となった」と喜んだ。始めた当初はメンバーも少なく、10年後にここまで来ることは想像していなかったと笑う。現在メンバーは約200人。年齢も幅広く、この日も朝から年齢別に試合が行われ、「Asahi」のユニフォームを着た選手たちが白球を追いかけた。

 2015年のジャパンツアーをきっかけに創設されたVancouver Asahi Baseball Association。戦前の「朝日軍」がモットーとしていたフェアプレー精神を受け継ぎ、日系だけでなくカナダコミュニティに広がってきた。上西ケイさんは以前「日系だけでなくて色んな人種の子どもたちが一緒に野球をするのがうれしい」と語っていた。ウォン会長はこれから先の10年も「続けていけるように努力したい」と語った。

全員で記念写真。2024年9月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
全員で記念写真。2024年9月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(記事 三島直美/写真・動画 斉藤光一)

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「グラッドストーン日本語学園を卒業して日本の大学へ挑戦」馬庭春香さん、チャン淳生さん

馬庭さん(左)とチャンさん。グラッドストーン日本語学園で。2024年6月22日。写真 日加トゥデイ
馬庭さん(左)とチャンさん。グラッドストーン日本語学園で。2024年6月22日。写真 日加トゥデイ

 今年5月18日に行われた第53回グラッドストーン日本語学園卒業式、馬庭春香さんとチャン淳生さんも高等科の卒業生としてみんなと一緒に日本語学校を巣立って行った。

 旅立つ先は日本の大学。馬庭さんは上智大学に、チャンさんは国際基督教大学(ICU)にそれぞれ9月から入学する。

 カナダの大学ではなく日本の大学への進学を決めた理由を、馬庭さんは、「(日系人としての)自分探しと、18年間バンクーバーだったので違う世界を見てみたいと思って」と話す。バンクーバーではフレンチ・イマージョンに通い、英語とフランス語を話し、日本語も母国語同然。それでも「日本語をもっと上達したい」と日本に決めた。

 チャンさんは、グレード10の頃から日系人としてアイデンティティを意識し始めたという。「日本人としての自分を見つけたいという思い」を強く抱くようになったと話す。そんな時ICUに興味を持ち挑戦。「受験」は試験や小論文など大変だったと笑ったが無事合格。両親や先生に感謝した。

 2人ともすでに流暢な日本語を話す。グラッドストーン日本語学園で「教科書をたくさん読んだり、漢字を練習したりしたことが役に立つかなと思っています」とチャンさん。また「友達をたくさん作ったのが一番大きな思い出です。人とのつながりを持つことが好きなので。学芸会での『大きなかぶ』も楽しかったです」。体験した日本文化や歴史を「日本に行って体験できるのが楽しみ」と言う。

 馬庭さんも4年間で「神社やお寺など歴史的なところを見る機会が増えると思っています」と新しい日本を体験できることに期待。グラッドストーンでは「たくさんの友達が作れたことや、一緒にすごい良い経験をしたことが思い出です」と話す。お互いの大学は都内で近く「いつでも連絡は取れるから」とグラッドストーンでクラスメートだった友人が近くにいることは心強いという。

 2人ともバンクーバーを離れるのは少し寂しいと言うが、東京での新しい学校生活に期待は膨らむ。

 日本の大学のイメージを聞くと2人とも「まじめで真剣で、少し怖いイメージ」とか。それでも「色々楽しいことも見つかると思うので、色々なことが楽しみでワクワクしています。勉強も遊びも全部がんばりたいと思います」と馬庭さん。チャンさんも「難しいこととか、苦労することもたくさんあると思うんですけど、自分を見失わないように毎日笑顔で過ごそうと思っています。がんばります」と笑った。

 馬庭さんとチャンさん、少しの不安と大きな期待を胸に、海の向こうでのそれぞれの大学生活に踏み出していく。

(記事 三島直美)

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トロント国際映画祭 いよいよ開幕!

「Cloud(原題:Cloudクラウド)」より。提供TIFF
「Cloud(原題:Cloudクラウド)」より。提供TIFF

 9月5日から15日まで、トロントで第49回トロント国際映画祭(TIFF)がいよいよ開幕。今年もカンヌやベネチアで話題となった注目作をはじめトロントがワールドプレミアとなる作品、日本や韓国、ヨーロッパなど世界中から出品される話題作など見ごたえのあるラインナップとなりました。そしてTIFFと言えばレッドカーペット!コロナ禍、昨年の俳優業界のストライキを乗り越えた今年はやっと本領発揮、ハリウッドセレブが毎日の様に登場する華やかな11日間となりそうです。

 それでは、278作品もある上映作から絞りに絞った注目作品をご紹介。

まずは日本映画

「Cloud(原題:Cloudクラウド)」黒沢清監督

「Cloud(原題:Cloudクラウド)」より。提供TIFF
「Cloud(原題:Cloudクラウド)」より。提供TIFF

 菅田将暉さん演じる転売屋が主人公の集団狂気を描くサスペンススリラー。海外でも評価の高い黒沢監督と日本の若手俳優を代表する菅田さんがタッグを組んだ作品は先日のベネチア映画祭でも好評を得、トロントの後は釜山国際映画祭への出品が決まっています。

「The Gesuidouz(原題:ザ・ゲスイドウズ)」宇賀那健一監督

「The Gesuidouz(原題:ザ・ゲスイドウズ)」より。提供TIFF
「The Gesuidouz(原題:ザ・ゲスイドウズ)」より。提供TIFF

 売れないバンドが田舎に移住して心機一転曲作りに励むパンクでファンタジーなロック映画。宇賀那監督はこれまでホラー系映画などを手掛けてきたため(?)か「ミッドナイトマッドネス」という真夜中にホラーやSF、ちょっとクレイジーなノリの映画が並ぶ部門で上映。(筆者注:他の時間帯に無いハイテンションな連帯感が観客の間に生まれるミッドナイトマッドネスは映画祭ならではの楽しさ。是非一度は経験してみてください!)

「My Sunshine (原題:ぼくのお日さま)」奥山大史監督

「My Sunshine (原題:ぼくのお日さま)」より。提供TIFF
「My Sunshine (原題:ぼくのお日さま)」より。提供TIFF

 アイスホッケーが人気の田舎の町でアイスホッケーが苦手な少年とフィギュアスケート選手の夢をあきらめたコーチ、東京からやってきたフィギュアスケートを習う少女の3人が描く、温かい人間模様。演技派の池松壮亮さんがコーチ役です。

「Happyend(原題:HAPPYEND)」空音央監督

「Happyend(原題:HAPPYEND)」より。提供TIFF
「Happyend(原題:HAPPYEND)」より。提供TIFF

 近未来を舞台にした高校生たちの物語。毎日楽しいことだけを考えていた大親友のふたり。卒業を控え現実を見つめ始めた時に起きたある出来事から、次第に二人の関係にも変化が起き・・・。ドキュメンタリー「Ryuichi Sakamoto| Opus」を撮った空監督が描く青春映画。

ハリウッド作品

「Megalopolis」フランシス・フォード・コッポラ監督

「Megalopolis」より。提供TIFF
「Megalopolis」より。提供TIFF

 あのコッポラ監督が1億2000万ドルもの私費(‼)を投じて製作したSF大作で主演はアダム・ドライバー。脚本を書き始めてから完成までに40年も費やしたという作品なので楽しみにしていた人も多かったはず・・・なのに今のところ酷評が圧倒的に多い違った意味でも話題作です。

「SATURDAY NIGHT」ジェイソン・ライトマン監督

「SATURDAY NIGHT」より。提供TIFF
「SATURDAY NIGHT」より。提供TIFF

 土曜の夜の人気コメディ番組「Saturday Night Live」の初回放送前の舞台裏を描くストーリー。何人ものスターコメディアンを輩出し、毎週私たちを楽しませてくれている番組が始まったのは1975年の10月11日。それを記念して10月11日に劇場公開の予定。

「The Wild Robot(邦題:野生の島のロズ)」クリス・サンダース監督

「The Wild Robot(邦題:野生の島のロズ)」より。提供TIFF
「The Wild Robot(邦題:野生の島のロズ)」より。提供TIFF

 ピーター・ブラウンの児童書「The Wild Robot」を原作としたアニメ作品。無人島に漂流したロボットのロズが動物たちとの交流を通して様々なことを学んでゆく心あたたまるストーリー。ルピタ・ニョンゴ、ペドロ・パスカル、キット・コナー、マーク・ハミルなどが声を担当することでも話題に。

「Emilia Perez」(ジャック・オーディアール監督)

「Emilia Perez」より。提供TIFF
「Emilia Perez」より。提供TIFF

 性別適合手術を受けて女性になりたい麻薬カルテルのボスをめぐるギャングものミュージカル。カンヌ国際映画祭ではゾーイ・サルダナ、セレーナ・ゴメス、カルラ・ソフィア・ガスコン、アドリアナ・パスの4人が共に女優賞を受賞し話題に。

他にも

「The Substance」(コラリー・ファルジャ監督)

「The Substance」より。提供TIFF
「The Substance」より。提供TIFF

 デミ・ムーアが美と若さにとりつかれた女性を演じるホラー。こちらもミッドナイトマッドネス作品です!

「Anora」(ショーン・ベイカー監督)

 セックス・ワーカーの女性が富豪の息子と結婚するものの周囲の反対に合う様子を描いた作品でカンヌ映画祭ではパルムドールを受賞しました。

「Universal Language」(マシュー・ランキン監督)

 カナダのウィニペグが舞台のシュールなコメディ。批評家間でじわじわと評価が上がっており今年のオスカーのカナダ代表として選出されています。

韓国作品

ヒョンビンさんやキム・ゴウンさん!韓国ドラマの人気俳優たちもレッドカーペットに登場予定!

「Harbin(邦題:ハルビン)」ウ・ミンホ監督

「Harbin(邦題:ハルビン)」より。提供TIFF
「Harbin(邦題:ハルビン)」より。提供TIFF

 1909年の韓国を舞台に描く歴史大作。日本でも大ヒットした「愛の不時着」のヒョンビンさんが主役の安重根を演じます。出演俳優のヒョンビンさんとイ・ドンウクさんは「Conversation with 」というトークセッションにも参加します。

「Love in The Big City(邦題:大都市の愛し方)」イ・オンヒ監督

「Love In The Big City(邦題:大都市の愛し方)」より。提供TIFF
「Love In The Big City(邦題:大都市の愛し方)」より。提供TIFF

 周りの目を気にしない自由な女性(キム・ゴウンさん)、周囲の人とは距離を置くタイプの男性(ノ・サンヒョンさん)が同居しながら愛を育むラブストーリー。「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」で私たちを魅了したキム・ゴウンさんの笑顔がはじける予告編を見て映画への期待も高まっています。

 TIFFのスケジュールと上映館、チケットの購入方法はTIFFサイト(https://www.tiff.net)に掲載。

 最後に・・・サイトでチケットが売り切れていても当日まで何度も追加販売の席が出るので、あきらめずにサイトをチェックすることをお薦めします。それでも買えない時は当日券の列(rush line と提示された列)に並んで買えることも多々あります。

 レッドカーペットのセレブを見るのに映画のチケットは不要。プレミアム上映会場前で2-3時間前から頑張ればかなりの確率で近くに陣取れます!

Lalaのシネマワールド
映画に魅せられて

バンクーバー在住の映画・ドラマ好きライターLalaさんによる映画に関するコラム。
旬の映画や話題のドラマだけでなく、さまざまな作品を紹介します。第1回からはこちら

Lala(らら)
バンクーバー在住の映画・ドラマ好きライター
大好きな映画を観るためには広いカナダの西から東まで出かけます
良いストーリーには世界を豊にるす力があると信じてます
みなさん一緒に映画観ませんか!?

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