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オンタリオ州とプリンスエドワード島州で最低賃金引上げへ

Canada News by Vancouver Shinpo; Designed by ©Vancouver Shinpo

 オンタリオ州のダグ・フォード州首相が11月2日、最低賃金を来年1月1日から引き上げると明らかにした。法案が提出予定で可決されると、同州の最低賃金は現在の時給14.35ドルから1月1日以降は15ドルになる。

 酒類を提供するリカーサーバーについては、チップが他の職種より多いとみなされているため最低賃金は12.55ドルとなっているが、他の職種同様15ドルとなる。 また、18歳未満の学生は時給13.50ドルから14.10ドルに、在宅勤務者は15.80ドルから16.50ドルに引き上げられる。

 続いてプリンスエドワード島州でも最低賃金を2022年4月1日から13ドルから13.70ドルにすることを、デニス・キング州首相が11月3日に発表した。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では2021年6月1日に最低賃金が時給15.20ドルに引き上げとなり、別設定だったリカーサーバーの最低賃金も他の職種と同額となった。

2021年11月現在のカナダの州や準州別最低賃金

最低賃金
アルバータ$15.00
BC$15.20
マニトバ$11.95
ニューブランズウィック$11.75
ニューファンドランド&ラブラドール$12.75
ノースウエスト$15.20
ノバスコシア$12.95
ヌナブト$16.00
オンタリオ$14.35
PEI$13.00
ケベック$13.50
サスカチュワン$11.81
ユーコン$15.20

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ホーガン州首相の腫瘍は悪性

BC NDP leader John Horgan after election; Photo from BC NDP flickr
BC NDP ジョン・ホーガン党首。 Photo from BC NDP flickr

 ブリティッシュ・コロンビア州のジョン・ホーガン州首相の咽の腫瘍は悪性だったと、4日の声明で明らかにした。首相は10月29日に手術を受けた。

 ホーガン州首相は首のしこりに気付いた後、医師を訪れて、数週間にわたり多数の検査を受けてきた。喉部に腫瘍があることが分かり、29日に手術を行った。手術は成功したが、病理検査の結果、腫瘍はガンであったことが分かったという。

 今後2週間の間に放射線治療を開始する。終了は12月末にかけてを予定している。

 「医療チームの素晴らしいサポートに感謝している」というホーガン州首相は、「予後は良好で、完全に回復することを予測している」と声明の中で述べている。

 放射線治療を終えるまでの期間、ブリーフィングや閣議、その他、連邦評議会のような特に重要な会議にはバーチャルで参加する。インパーソンで出席が必要なイベントには、副首相に任命されたマイク・ファーンワース大臣やその他閣僚が参加する。

 ホーガン州首相は2008年にも膀胱ガンの治療を受けている。

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BC州やオンタリオ州でブースター接種前倒し

canada vaccine

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州衛生管理局長ボニーヘンリー博士が、アストラゼネカ製ワクチンを2回接種した人は、2回目接種から6カ月を経過すれば新型コロナワクチンのブースター接種を受けることができると、11月1日に発表した。

 BC州では既に介護施設に入居している人や免疫不全者を対象に、ブースター接種の提供を開始している。また、10月26日には、11月から1月までの間に、70歳以上および18歳以上の先住民に提供すると明らかにした。1回目と2回目の接種間隔42日未満の医療関係者も接種を受けることができる。

 続いて来年1月からは12歳以上の住民全員に対象を拡大する。

 接種時期は「GetVaccinated」に登録しておくと、予約の案内が届く。年齢の高い人、また2回目接種が早かった人から順になっている。医療関係者は雇用主から連絡を受ける。希望者への接種は5月末までに完了する予定という。

 ブースター接種はファイザー、もしくはモデルナのmRNAワクチンとなる。

オンタリオでは2回目接種から6カ月経過を条件に6日から予約可能に

 オンタリオ州では新型コロナウイルスワクチンのブースター接種対象者を拡大することを、11月3日に発表した。 新たに対象となるのは70歳以上の高齢者、介護施設や高齢者施設の医療関係者やスタッフ、指定された介護者、ジョンソン&ジョンソン製ワクチンを1回接種した人、アストラゼネカ製ワクチンを2回接種した人、先住民の成人、および先住民ではない家族となっている。

 ただし、ブースター接種を受けるには、2回目接種から6カ月を経過していることが条件となっている。対象者は11月6日から接種の予約を行うことができる。

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クリスマスギフトも手に入る!日系センターのポップアップショップ

 11月になると各地でクリスマスのクラフトセールが開催される。日系文化センター・博物館でも新型コロナウイルス感染拡大前は、クラフトセールが行われていた。今年は代わって「ウィンターポップアップショップ」を利用できる。

 期間は11月4日から12月4日までの4週間、木曜から土曜までロビーで開催。出店するのは日系ベンダーが中心で、和風雑貨なども手に入る。大量生産された製品とは異なる、味わいのある商品の数々となっている。一足早いクリスマスギフトショッピングにも便利そうだ。

 週によって異なるベンダーが参加していて、11月4日から6日まで出店するのは

MIDORI Foods
(どりラー油)
風味豊かな、食べるラー油を販売。ラーメン、チャーハン、焼きそば、パスタなどのトッピングにも利用できる。

Bead Ya
(ビーズや)
手作りのビーズジュエリー。

Beauty Secrets of Japan
(ビューティ・シークレット・オブ・ジャパン)
最高の日本の原材料を用いた、手作りソープやボディケア製品。

JL Collection
(JL コレクション)
洗って繰り返し使うことができるので、環境にやさしい布ナプキン、布ライナー。

・Japanese Fabric Creations Shino 
(ジャパニーズ・ファブリック・クリエーション・シノ)
美しい着物地を用いた、キルトのポーチ、手で一針一針、丁寧に刺しゅうしたコースター、布製しおりなど。クリスマスギフトにぴったり。

Mizoguchi Asakusa Bags
 (ミゾグチ・アサクサ・バッグ)

・I love DAKKO by Peaceful Children
(アイ・ラブ・抱っこ)
抱っこひも、よだれカバー。

・Lashisa.macrame 
(ラシサ・マクラメ)
手作りのマクラメ製品。

時間
木曜10:00 am-7:00 pm
金曜 10:00 am-7:00 pm
土曜10:00 am-5:00 pm

営業時間はベンダーによって異なる。

(取材 西川桂子)

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ベントールセンターで流木アーティストの作品展示会

 バンクーバー・ダウンタウンのベントールセンターで、流木アーティスト、Tanya Bub(ターニャ・バブ)さんの作品展示会、「Mind Games」が11月1日から30日まで開かれている。入場無料。

 ターニャさんは海に流れ着いた流木を集めて組み合わせ、さまざまな作品を制作している。「Mind Games」の展示会名どおりインスピレーションを駆使したゲームを見ているような作品で、以前、サンダース宮松敬子さんがバンクーバー新報の連載コラム「V島 見たり聴いたり」でも紹介した。

 今回、展示されているのは、手のひらサイズから高さ約2メートルの大きなものまで約50点となっている。

 会場はベントールセンターのユニット305で、ロビーに大きなオオカミのディスプレイも設置している。またキツラノビーチで「クーガー」、ブリティッシュ・コロンビア大学で「巨人」の2作品の屋外展示も行う。

 11月4日にはオープニングイベントも開催。チーズやワインを楽しみながら、ターニャさんから話を聞くことができる。午後4時から8時まで。チケットは13.75ドル。

https://www.eventbrite.ca/e/art-at-the-bentall-centre-opening-night-with-driftwood-artist-tanya-bub-tickets-184058041557

会場
ベントールセンター
Bentall Centre
595 Burrard Street, Vancouver
(バラード駅そば)
Suite #305

日時
11月1日~30日
月曜~金曜 11:00 am ~ 4:00 pm

オープニングイベント以外は入場無料。

ターニャさんのインスタグラム
(作品を見ることができる)
https://www.instagram.com/victoriadrifter/?hl=en

(取材 西川桂子)

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ビクトリアのアート風景

カナダ、国際線受け入れ空港拡大へ

Vancouver Airport, British Columbia; File Photo by Japan Canada Today
Vancouver Airport, British Columbia; File Photo by Japan Canada Today

 国際線受け入れ空港をトロントやモントリオール、バンクーバーなどの空港に限定していたカナダで、11月30日から新たに8カ所の空港で国際線受け入れを再開する。カナダ運輸省が11月2日に声明を出した。

 新たに国際線の離発着が再開されるのは

  • セントジョンズ(St. John’s International Airport)
  • ハミルトン(John C. Munro Hamilton International Airport)
  • ウォータールー(Region of Waterloo International Airport)
  • レジャイナ(Regina International Airport)
  • サスカトゥーン(Saskatoon John G. Diefenbaker International Airport)
  • ケローナ(Kelowna International Airport)
  • アボツフォード(Abbotsford International Airport)
  • ビクトリア(Victoria International Airport)

の8カ所の空港。

 現在、国際線が利用できるのは、ハリファックス、トロント・ピアソン、トロント・シティセンター、ウィニペグ、オタワ、モントリオール、ケベックシティ、エドモントン、カルガリー、バンクーバーの10の空港のみとなっている。

 カナダ政府は新型コロナウイルス感染拡大により、今年2月から国際線利用が可能な空港を制限してきた。

 「ワクチン接種が進んだことで、新たな空港で国際線旅客機の受け入れができるようになりましたが、カナダ政府では引き続き慎重に国境再開を進めています。一方で、今年の冬、海外旅行に行くのに利用することができる地域の空港を増やしていきます」とオマー・アルガブラ運輸大臣は述べた。

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BCでも全国版ワクチンパスポート利用開始

BC州で接種を受けた人の全国版ワクチンパスポートの見本。Photo courtesy of Government of British Columbia
BC州で接種を受けた人の全国版ワクチンパスポートの見本。Photo courtesy of Government of British Columbia

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州でカナダ全国共通のワクチンパスポートが10月29日から導入された。

 全国共通パスポートは、ジャスティン・トルドー首相が10月21日に導入を発表。海外旅行や国内旅行の際に新型コロナウイルスのワクチン接種済みであることを証明するもので、州や準州が発行したワクチンパスポートを枠組みとしている。

 BCワクチンカードと同様にQRコードが入っているが、証明書の最初に英語、フランス語の二カ国語でワクチン接種証明であることを示す「COVID-19 Proof of Vaccination/Preuve de vaccination contre la COVID-19」の文言と、発行州としてBC州の公式ロゴ、またカナダ政府のロゴ(Canadaの最後の文字aの上のカナダ国旗があるもの)が表示される。

 接種者の情報は、氏名、生年月日、ワクチン名、ロット番号、接種日といったワクチン接種歴も分かるようになっている。

BC州で接種を受けた人の全国版ワクチンパスポートの見本。Photo courtesy of Government of British Columbia
BC州で接種を受けた人の全国版ワクチンパスポートの見本。Photo courtesy of Government of British Columbia

国内旅行でもワクチン接種完了が必要に

 連邦政府では、
・カナダの空港を利用して出発する
・鉄道VIA RailやRocky Mountaineer Trainsを利用する
・クルーズ船のような旅客船を24時間以上にわたり利用する
乗客に対して、ワクチン接種完了を10月30日から義務づけている。

 ただし、移行期間として11月30日までは、ワクチン接種が1回のみであっても、出発前72時間以内に受けたPCRテストの陰性証明があれば、ワクチン接種を完了していなくても航空機などを利用することができる。 

 ​BC フェリーは連邦政府の規制下ではなく、利用にワクチン接種証明は必要とはしない。

BC州で全国版ワクチンパスポートを入手する 

 BC州でワクチン接種を受けた人が全国版ワクチンパスポートを入手する方法も、BCワクチンカードと同じで、

BCサービスカードアプリの画面。©the Vancouver Shinpo
BCサービスカードアプリの画面。©the Vancouver Shinpo

・BCサービスカードのアプリからヘルスゲートウェイにログイン。
 「BC Vaccine Card」、「Health Records」、「Proof of Vaccination」とあるので連邦政府のロゴの入った「Proof of Vaccination」をクリックすると、全国版ワクチンパスポートがダウンロードされる。

 アプリを使わない場合は、生年月日、Personal Health Number (PHN)、ワクチン接種を受けた日にち(1回目または2回目)が必要となる。

・電話 (1-833-838-2323)で郵送を依頼
 Japanese pleaseといえば、日本語対応あり。
 北米以外からは1-604-681-4261に電話をする。
 7:00 am ~7:00 pm (PDT)まで。祝日は9:00 am ~5:00 pm(PDT)

・サービスカナダのオフィスで発行してもらう。
 サービスカナダのオフィス 
https://www2.gov.bc.ca/gov/content/governments/organizational-structure/ministries-organizations/ministries/citizens-services/servicebc

 全国版パスポートは現在、ブリティッシュ・コロンビア州、マニトバ州、オンタリオ州、ケベック州、サスカチュワン州、ニューファンドランド&ラブラドール州、ノバスコシア州、プリンスエドワード島州、ユーコン準州、ヌナブト準州、ノースウエストテリトリー準州の住民が利用ができる。

 アルバータ州 、ニューブランズウィック州もまもなく利用できるようになるという。


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津田佐江子氏の旭日小綬章、叙勲伝達式、なごやかに

 令和3年(2021年)春の叙勲で、旭日小綬章(英語名:The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Rosette)を受章した津田佐江子氏の叙勲伝達式が10月22日、在バンクーバー日本国総領事公邸で開かれた。

 バンクーバー新報の社主として2020年4月まで41年にわたり、バンクーバー新報を発行することなど、日本とカナダとの相互理解促進に貢献してきた功労が認められた。今回の旭日小綬章受章者には、女優のいしだあゆみさん、歌手の森進一さんら有名人も名を連ねている。

受勲のあいさつで41年間の思い出を語る津田氏。「みなさんと喜びを共有できることがうれしい」と笑顔を見せる。Photo by © the Vancouver Shinpo
受勲のあいさつで41年間の思い出を語る津田氏。「みなさんと喜びを共有できることがうれしい」と笑顔を見せる。Photo by © the Vancouver Shinpo

 津田氏は小田実さんのベストセラー本「何でも見てやろう」の精神で72年に貨客船でバンクーバーに来たという。貨客船とは貨物船と客船が一緒になったもので、貨物が中心で乗客はたったの10人程度だった。そのバイタリティが、当時、日系コミュニティが強く望んだ日本語新聞の発刊につながった。

 伝達式は「気心のしれた人たちと、こじんまりと喜びを分かち合いたい」との要望で、長年バンクーバー新報社で津田氏を支えてきたスタッフや、カナダで苦楽を共にしてきた日系団体の関係者ら10人が集まって受章を祝った。

羽鳥総領事が功績を称える祝辞

 式は羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事の祝辞で始まった。1978年12月に日本のニュースを知りたい、日本語の読みものを読みたいという日系コミュニティの声に応えようと、仲間数人とともに立ち上げたバンクーバー新報は、移民1世と帰化2世らとの懸け橋としての役割も果たした。

まるで総領事館がやるような仕事をしてきたと称賛した羽鳥総領事。Photo by © the Vancouver Shinpo
まるで総領事館がやるような仕事をしてきたと称賛した羽鳥総領事。Photo by © the Vancouver Shinpo

 86年にバンクーバーで国際交通博覧会が開かれたこと、日加間でワーキングホリデー制度が始まったことで日本で一大カナダブームが起こる。カナダを訪れる若者が増えた際に求人広告により「先に移住していた日本人と、新たに留学で来た若者との融和・交流を図り、結果として日本人の海外進出や移住の促進にも貢献」したことも受章理由の一つとして挙げる。

 さらには日系コミュニティの市場動向からカナダに進出するための物資や手続きに関する情報を紙面で紹介するなど、日本企業をサポートするといった活動も行っていたと驚嘆を示した。

日系女性企業家協会(JWBA)黒住会長から花束贈呈。Photo by © the Vancouver Shinpo
日系女性企業家協会(JWBA)黒住会長から花束贈呈。Photo by © the Vancouver Shinpo

 コミュニティをつなぐだけでなく、日系女性企業家協会(JWBA)、日本・カナダ商工会議所(JCCOC)の設立に尽力して会長、さらには日本の海外日系新聞放送協会では女性で初めての会長を務めるなど、リーダーシップを発揮してきた。

 羽鳥総領事は「長年にわたり毎週、休むことなく紙の新聞を発行する重責から解放された津田氏の今後の活躍に期待、健康をお祈りします」と締めくくった。

世代間を結び付けた、新報主催のソフトボール大会

 勲記と勲章の授与の後、津田氏が謝辞を述べ、歩みを振り返った。バンクーバー新報は創刊翌年の1979年に始まったソフトボール大会、「グリーンカップ」を主催。さらにはパウエル祭の相撲大会、ゲートボール大会といったコミュニティイベントではバンクーバー新報杯を出すなどサポートした。

 中でもソフトボール大会は、2010年まで31年続き、津田氏の印象に強く残っている。当初は5~6チームが参加して行われたが、全盛期には16チームがしのぎを削った。

 判定をめぐって乱闘が起こったり、手の内を知られたくないと練習も相手チームに知られないように努めるなど、コミュニティが熱くなった。延べ4,500人がプレイしたという。「多くの日系2世や3世も一緒にプレイしたことで、世代間を結びつけることもできました」と当時を懐かしんだ。

 NHKのど自慢大会が2003年にバンクーバーで開催された経緯も披露した。カリフォルニアで開催されたときに、当時の海老沢勝二会長に「バンクーバーにも来てほしい」とコミュニティメンバーを送って直接依頼。誘致、開催にこぎつけたそうだ。

 「クイーンエリザベス劇場で開かれた大会には300人以上のボランティアが活躍しました。このようにコミュニティの人たちと一緒に多くの楽しいことに関わることができて幸せでした」と微笑んだ。

仲間や元スタッフが祝福

 バンクーバー新報は、一時、パウエルストリートの日本食レストランの入っていたビルの2階にオフィスを構えていた。現在、日系文化センター・博物館に隣接する新さくら荘の前身となるさくら荘や、隣組も当時はパウエルストリート付近にあった。

バンクーバー新報草創期のころから知る隣組初代事務局長山城氏がエピソードを披露。Photo by © the Vancouver Shinpo
バンクーバー新報草創期のころから知る隣組初代事務局長山城氏がエピソードを披露。Photo by © the Vancouver Shinpo

 隣組創設メンバーの一人で、バンクーバー新報が生まれる前から津田氏と親交がある山城猛夫さんは、「70年代中盤に朝日新聞のブレインと呼ばれた人の一人が『バンクーバーには戦前は日刊新聞は3紙発行されていたのに、今は日本語の新聞がない。新聞はコミュニティのコミュニケーションのカギだ』と話をしたことが新報創刊のきっかけとなりました」と誕生秘話を紹介した。

 一時は記事執筆も担当した山城さんは「新報とともに私も一緒に成長させてもらいました」と語った。

 スタッフを代表してお祝いの言葉を贈った安達昭子さんは、1987年1月から8年半、バンクーバー新報で勤務した。安達さんが働いていた当時は6人体制が長かったと振り返った。

バンクーバー新報元編集長安達氏が元スタッフ代表でお祝いのあいさつ。Photo by © the Vancouver Shinpo
バンクーバー新報元編集長安達氏が元スタッフ代表でお祝いのあいさつ。Photo by © the Vancouver Shinpo

 「水曜日は『お弁当の日』で津田社長がピザやお弁当を差し入れてくれて、みんなで食べました」と和気あいあいとした職場だったという。

 当時はインターネットがまだ普及していない時代で、情報収集は難しかった。日系コミュニティに関する質問は新報に聞けば分かるといった風潮があって、尋ね人の相談なども届いた。そんなときには津田氏自ら情報を求めて動いた。

 「刷り上がった新聞に宛て名ラベルを貼り、郵便局に自ら持ち込んでいらっしゃいました。また、届かないと苦情があると、遠くでなければ自ら配達すると、強い使命感をもって仕事をしてこられました」とエピソードを挙げて、「本当に受章おめでとうございます」と締めくくった。

勲章を受け取る津田氏(左)と、羽鳥総領事。Photo by © the Vancouver Shinpo
勲章を受け取る津田氏(左)と、羽鳥総領事。Photo by © the Vancouver Shinpo
勲章を手に笑顔を見せる津田氏(左)。Photo by © The Vancouver Shinpo
勲章を手に笑顔を見せる津田氏(左)。Photo by © The Vancouver Shinpo
羽鳥総領事が読み上げる勲記に神妙な面持ちの津田氏。Photo by © the Vancouver Shinpo
羽鳥総領事が読み上げる勲記に神妙な面持ちの津田氏。Photo by © the Vancouver Shinpo
津田氏を中央に、参加者全員で記念写真。Photo by © the Vancouver Shinpo
津田氏を中央に、参加者全員で記念写真。Photo by © the Vancouver Shinpo

(記事 西川桂子 / 動画 斉藤光一 / 写真 三島直美)

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日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会、レジデント・サービスのマネージャーに長谷川宏美さん

 日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会(NSHCHS)のレジデント・サービス・マネージャーに長谷川宏美さんが就任した。

 長谷川さんは日本で大学や一般病院で形成外科医として活躍していたが、2015年に休職して子ども3人を連れて渡加。2018年からクワントレン・ポリテクニック大学(KPU)でビジネスを学び、途中、教授の勧めでトリニティウエスタン大学の大学院に転校。リーダーシップの修士を取得した。

 2018年に一度日本に帰国、臨床医として復帰していたが、今年9月に再渡加。長谷川さんに話を聞いた。


– まず自己紹介をお願いします。医師免許を持っているということですね。

はい、日本で形成外科医として褥瘡(じょくそう)・難治性潰瘍、糖尿病性の足潰瘍の治療も行ってきました。カナダの医師免許は持っていないため、カナダでは治療などはできません。

– 日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会のレジデント・サービス・マネージャーとのことで、新さくら荘と日系ホームの両方を見ているのでしょうか。

 新さくら荘はシニアが自立した生活をする集合住宅のIndependent Living、一方、日系ホームはAssisted Livingで介護付き住宅になります。業務は日系ホームと新さくら荘の両施設に関してで人事やスケジューリング、両施設の入居や退居手続き、入居者の管理など、多岐にわたります。

 9月14日にオンラインでトレーニングを始めて、22日から日系ホームで勤務を始めました。

– 日系ホームは認知症があると、退居しなければいけないそうですよね?

 はい。ブリティッシュ・コロンビア(BC)州の介護施設にはAssisted LivingとLong Term Careの2種類があり、日系ホームはAssisted Livingになります。

 Assisted Livingは自分で受けたいケアを決めることができる人が入居します。軽度の認知症なら入居を続けることができますが、進行するとご自身でそのような決定ができなくなるため、長期療養施設、Long Term Careなどのほかの施設に移動していただくことになります。

 ご存知ない方が多いのではないかと思うのは、Assisted Livingは自由度が高いことで、飲酒も可能です。

 基本的には、入居者の独立した行動に対して、私たちが入居者を注意深く見守り、必要なお手伝いをしますが、行動制限をすることはありません。私は介護や家事のサービスのある「アパート」と同じような感覚だと思っています。居室はご自宅として自由に過ごしていただけます。

 日系ホームでは個人に応じたケアプランをたて、その方に合わせた身体的介助と朝夕2食やお掃除やシーツの交換の家事サービスがつきます。昼食は、お部屋のキッチンでご自身で作ることも可能ですし、オプションのランチプログラムもご利用いただけます。

 現在は、コロナ下で制限がありますが、通常であれば、お友達や家族を招くことも、家族の訪問宿泊も可能です。

 また、入居者向けのアクティビティプログラム以外に、「いきいきプログラム」のようなZoomを用いた、入居者以外の地域のシニアの方向けの生活機能維持や改善のためのプログラムがあります。こちらの地域向けのプログラムにも入居者の皆さんに参加いただけ、地域の方との交流が可能となっています。

 入居者の独立した生活を尊重していて行動制限がないので、高度の認知症を発症されると、Assisted Livingで暮らしていただくのは安全上難しくなります。

 現在のところ、Assisted Livingよりも高度な医療ケアに対応できるLong Term Careで、日本語に対応する施設はBCにはなく、カナダではトロント辺りに1カ所あるだけと聞いています。

 認知症を発症した日系の入居者が、日本語対応の施設が良いと、日系ホームからトロントに移られたこともあるそうです。でも、多くの方は、バンクーバー周辺の日本語対応していない施設に入居します。今後、BCにも日本語対応のLong Term Careができるといいと思います。

– 日系ホームで暮らすには費用はどれぐらいですか。

 家賃は収入と個人資産の約70%と、個人の資産に応じた割合で計算されます。例えば、年金生活の方でしたら、年金の約7割です。

– 日系ホーム、新さくら荘は人気が高くてなかなか入居できないイメージがあります。

 確かに新さくら荘は長いwaitlistがあり、入居に平均8~9年お待ちいただいていますが、日系ホームはそんなことはありません。比較的すぐに入ることができます。 

– カナダ人の義理のお母さんが、歩けなくなっているのと、オムツが必要になっているので、介護施設への入居を考えているという人がいます。日系ホームは日系人が中心ですよね。

 日系ホームは民間施設ではなく、フレイザーヘルス傘下の施設になるので、日系人に制限したものではなく、日系人を含むアジア人はもちろん、そのほかの民族の方も入居されています。

 食事も日本人以外の方にも楽しんでいただけるように日本食と洋食から選んでいただけます。最近見学されて入居を決められた方も日系人ではありません。

- 日系コミュニティにメッセージがあれば。

 日系ホームを高齢になったときの住居として、もっと気軽に入居を考えていただければと思います。

 現在は、1人で暮らすのには不安がある方や、ほとんどのことは自分でできるけどお風呂などに手助けがいる方、あるいはご夫婦のどちらかの身体が弱って、老々介護では自宅で暮らすのが困難になったということで入居されている方が多いです。

 我々の日系ホームのような施設の認知度が低いために、介護付き住宅(Assisted Living)の利用をされずに、何とか自宅で暮らし、Long Term Careへ入居される方がまだ多いように思います。

 先に、お話したとおり、Assisted Livingは自由度が高い施設です。家賃は支払っていただく必要はありますが、入居後もご自宅としてお友達や家族を招いたり、旅行で留守にしたりすることも可能です。

 入居中に、認知症やご病気になり、長期療養施設、Long Term Careに移っていただくことになったとしても、入居先が見つかるまでは日系ホームに残っていただけます。是非、我々の存在を広く知って、もっとたくさんの方に利用していただきたいです。

日系ホーム Photo ©バンクーバー新報
日系ホーム Photo ©バンクーバー新報

日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会
Nikkei Seniors Health Care and Housing Society 

6680 Southoaks Crescent
Burnaby
TEL:
604-777-5000
E-mail:
Srhousing@Nikkeiplace.Org
ウェブサイト:
https://seniors.nikkeiplace.org/

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MOM出産準備クラス11月コース参加者募集

出産予定2022年1月後半~2022年3月

 MOMの出産準備教室は、日本語で妊娠、出産、育児の基礎知識を学ぶ集まりです。また、国際結婚家庭のご主人やご家族にも十分に理解して協力していただくために、英語の同時通訳者も用意していますから、日本語がわからない方も安心してご参加ください。  

 この集まりに参加することにより、同じ環境、立場にある新しい友達を見つけていただくことも皆さんの不安を解消する一助となるでしょう。  

 出産準備教室は全4講義で構成。参加者は出産後の日本人看護婦による産後訪問指導と母乳マッサージを割引料金で受けることもできます。産後すぐに看護婦が訪問しての指導は、実際の赤ちゃんを通して、お風呂の入れ方、日常の世話、授乳の方法、母乳分泌のチェック、授乳量の測定、母乳育児の成功への指導、母体のチェック、赤ちゃんのチェックなどあらゆる不安を解消をします。  

 出産準備教室には参加していない方でも産後訪問指導だけを別途受けることも可能です。(別途お問い合わせください) 

  現在オンライン講義となっておりますので、遠方の方でも参加できます。

MOM 出産準備教室 講義内容 
・第1回 11月25日 
 妊娠全期間の基礎知識、生理、身体変化とその対処法、異常の早期発見、栄養、体操

・第2回 12月9日 
 分娩の実際、過程、陣痛緩和の胸式呼吸法、産後の生活指導について

・第3回 12月16日 
 新生児について、沐浴指導、育児の基礎知識、赤ちゃんの成長過程、産後の母体ケア

・第4回 1月6日 
 母乳育児のための産前産後の乳房ケア、授乳法、マッサージなど

 なお、上記の他に出席者交流会を行います。 

 19時開始~21時45分終了予定 (現在オンライン講義となっております) 

参加費用 
全4回講義+テキスト
$200 (産後訪問指導、母乳マッサージ1回つき$280) 
・クラスは2ヶ月ごとに新コースがスタートします。
  

MOM Family support
お申し込み、お問い合わせは

E-mail 
momwestcanada@hotmail.com
Tel
778-862-8539

Michelle Yuki Leon MOM Family Support
http://www.canadamombaby.com/

Twitter:
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日系シニアズヘルスケア協会の講演シリーズとアクティビティプログラム

日系ホーム Photo by Keiko Nishikawa
日系ホーム Photo by Keiko Nishikawa

 日系シニアズヘルスケア住宅協会が、新型コロナウイルス感染拡大下で、日常生活を改善するための実践的なヒントや情報を紹介する講演会「健康トーク」を開催する。

 講演会では、感染を防ぐ方法、ワクチンの有効性、新型コロナウイルスの感染拡大が長引くことで心身に生じる症状(二次健康障害)について説明する。

 全てZoomを通してのバーチャル講演で、英語と日本語で毎週金曜日に行われる。各セッションの定員は25名。通訳がついて英語と日本語のセミナーが同時進行するものと、時間を分けて英語だけ、日本語だけで行うセミナーの2種類がある。

 日系シニアズヘルスケア住宅協会の渡瀬容子さんは「英語と日本語の両方で提供しますので、高齢の親が日本語で聞いて、日本語が苦手な子ども世代が英語セミナーに参加するということも可能です。そうすることで、共通の理解が図れます」と家族での参加も呼び掛けている。

日英で行われる講演会「健康トーク」

1. COVID19の高齢者への影響と活力を取り戻すためのリハビリテーション
【日時】10月29日(金)午後2時~ 
【言語】英語(日本語通訳付き)  
【講演者 】マーシャ・カー :クリニカル・ナース・スペシャリスト、老年医学、老年精神医学スペシャリスト

2. 家庭医から見たCOVID19の効果的な予防法
【日時】11月12日(金)午後2時~ 英語、午後3時~日本語
【言語】英語/日本語 
【講演者】
 田中朝絵 医師  家庭医

3. パンデミックにおける予防接種とその他の病気(予定)
【日時】11月19日(金)午後2時~ 英語、午後3時~ 日本語
【言語】英語/日本語 
【講演者】
佐藤 厚 : 薬剤師

4. COVIDとシニアのメンタルヘルス~心の豊かさを保つには
【日時】12月10日(金) 午後2時 
【言語】日本語(英語通訳付き) 
【講演者】 
アンダーソン佐久間雅子:BC 州公認クリニカルソーシャルワーカー 
専門:メンタルヘルス、高齢者ケア、認知症ケア、エンドオブライフ・ケア

5. COVID19パンデミックにおける歯の問題
【日時】(未定) 
【言語】英語/日本語 
【講演者】(未定)

健康トークの参加方法
a.ズームセッションの日程
b.名前
c. 電子メールアドレス 
d. 連絡先の電話番号または携帯電話番号

NHActivities@nikkeishc.comまでメールで送付すると、参加希望者のメールアドレスにZoomのリンクが届く。

【申込み・プログラム詳細】
NHActivities@nikkeishc.com 
または604-777-5000 Ext:2109まで。

Zoomを通してトレーニング

 また9月27日に始まった健康促進のためのアウトリーチプログラムは、以前は日系ホームで開催されていた「いきいきプログラム」などをZoomを通して行う。

 オープンドアプログラムとして、パーキンソン病患者向けの「アウトファイト」、運動と認知トレーニングを組み合わせて認知機能低下を予防する「ビーフィット」の2つ、さらに「いきいきプログラム」、食べて動いて楽しむ「食動楽」の合計4種類のプログラム。

【申込み・プログラム詳細】
日系シニアズヘルスケア協会
松雄ストーリー
Email:MStory@nikkeishc.com

(取材 西川桂子)

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華やかに、50回目を迎えたスーパーレディースゴルフ大会

記念すべき第50回大会に参加した皆さん。写真提供 塩入勝子さん
記念すべき第50回大会に参加した皆さん。写真提供 塩入勝子さん

 女性ゴルファーが集うスーパーレディースゴルフ大会が9月20日、バンクーバー市内のユニバーシティ・ゴルフ・クラブ(University Golf Club: UGC)で開催された。

 同大会は1988年に始まり、今年は33年目。第50回の記念すべき大会となった当日は、前日から降った雨も朝にはあがり、女性ゴルファー32人が意気揚々とプレーした。

 コミュニティのサポートを受けて開かれる大会には、毎回、多くの賞品が集まる。50回目ということで、5位、15位、25位には特別賞が贈られた。

 日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長からも祝辞が届いた。小林会長は日系文化センター・博物館開館の際に行われた、ファンドレイジングチャリティゴルフに参加するなど、7年間にわたりプレーして約10万ドルの寄付を行ったという。

 初回からの参加者や、80歳代のゴルファーも数人いた。大会を主催している塩入勝子さんは、「ここまで参加いただいた多くの皆さま、本当にありがとうございました。これからもできるだけ続けて行きたいと思います」と感謝した。

 「このパンデミックの中でゴルフだけは問題なくできたことに本当に感謝しています。どうぞ、これからもぜひエンジョイしてプレイしましょう。来年もぜひご参加ください。そして楽しい1日を久しぶりのお友達と過ごしましょう」と来年に向けての参加も呼びかけた。

結果

Low Gross: Ruby Chen 88   
2位: Kumiko Yamazaki 91

ネット優勝: Mitsuyo Shikauchi 72
2位: Harue Oyama 73
3位: Kumiko Yamaza 74  

優勝した鹿内さんにはバンクーバー新報元社主の津田佐江子さんからトロフィー、賞金、松茸が渡された。写真提供 塩入勝子さん
優勝した鹿内さんにはバンクーバー新報元社主の津田佐江子さんからトロフィー、賞金、松茸が渡された。写真提供 塩入勝子さん

チーム賞: Murakami、Oyama、Ishikawa、Matsushita

チーム優勝のMurakami、Oyama、Ishikawa、Sueshitaさん。写真提供 塩入勝子さん
チーム優勝のMurakami、Oyama、Ishikawa、Sueshitaさん。写真提供 塩入勝子さん

(取材 西川桂子 / 写真提供 塩入勝子さん)

***

御礼

この度の第50回スーパーレディースゴルフ大会をサポート頂きました皆様にこの場をお借りして心からお礼申し上げます。

お陰様でメンバーそれぞれが賞品を手にすることができました。これを励みに、そして51回大会の参加を楽しみに、またプレーに精進致します。

ゴルフを通じて人の輪ができ、楽しい1日を過ごせることに感謝して、皆様のますますの繁栄をお祈りいたします。

ありがとうございました。

スーパーレデース 塩入勝子 他メンバー一同

スポンサー(敬称略 順不同)

児島高子(Meadow Gardens Golf Club owner)
小林浩美(プロゴルファー)
菊池クリス
Quilchena Golf Club
Meadow Gardens Golf Club                 
Ponderosa mushroom food
Fujiya
Japan Airlines
Seaborn Seafood(武田美千代)
匠寿司
津田佐江子

村上ナンシー
Hiroko Wennevold
石川麻紀 
大山春恵 
寺岡尚美 
林マリ 
大草憲子
石倉ひとみ
大西令子
塩入勝子

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