日本のプロダクト・デザインを紹介する巡回展、新「現代日本のデザイン100選」が日系文化センター・博物館(日系センター)で5月7日に始まった。6月26日まで。館内唐沢ギャラリーと、その向かいのインタージェネレーショナル・ルームで展示が行われている。
国際交流基金事業による海外巡回展で、7日午後2時からはオープニング式典が開催され、羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事、日系センターのハーブ小野理事長、ラジ・チョーハン州議会議員、バーナビー市マイク・ハーリー市長らが出席した。
ハーブ小野理事長は「現代日本のデザインのショーケースである展覧会を、日系センターで開催できたことについて、日本国際交流基金、在バンクーバー日本国総領事館、ブリティッシュ・コロンビア・アート・カウンシル、日系センタースタッフやボランティアにお礼を言いたい」とあいさつした。
羽鳥総領事は「展覧会では醬油さしや、私の年代では懐かしいウォークマンから新幹線まで、さまざまな現代日本のデザインが紹介されています。ユニークな展示100点を楽しんでください」と語った。
リボンカットのあとは楽一のメンバーが囃子に合わせて獅子舞を披露して、開会を祝った。
展覧会では家具、家電、文具、食器、衣服、医療品、乗り物などのプロダクト・デザインを中心に、ここ10年ほどの間に生み出された製品と、1955年製の炊飯器や59年製のカメラなど、日本デザインの源流ともいえる戦後モダンデザインを紹介している。新しい製品の中にはコメからパンを作ることができるパン焼き機「GOPAN」や珪藻土を用いたバスマットなどがある。
また、展示は「家具・什器」、「テーブルウエア・調理器具」、「衣服・アクセサリー」、「子ども用品」、「文房具」、「ホビー」、「健康用品」、「災害救援」、「トランスポーテション」の9つのジャンル別となっている。
柳宗理の片手鍋や渡辺力のスツール、三宅一生のリサイクルした材料で作ったドレスなども展示。世界的に有名な日本工業デザインの第一人者、柳宗理がデザインしたステンレス片手鍋は、シンプルなデザインで機能性も備えている。
国際交流基金の展覧会のウェブページによると、「生活に身近な日用品のデザインは、人々の嗜好(しこう)や生活スタイルを直接的に反映する分野であり、本展の開催を通して、現代における日本デザインの傾向や特色を示すのみならず、日本文化の現況を紹介することを試みます」と説明。災害救援のコーナーでは、折りたたんで収納することができるヘルメット「タタメット」も入場者の目を引いていた。
ウォークマンの展示の前で記念撮影をしていた20代の女性2人は、「親からウォークマンというものがあったと聞いたことがありますが、初めて見ました」と語った。日系センターには別のイベントで訪れ、無料の展覧会も開催していると聞き、立ち寄った。「畳めるヘルメットやカップヌードルのふたを押さえるホルダーなどもあって、おもしろかったです」
展覧会は2014年6月にアメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校で始まり、以後、世界各地を巡回している。
現代日本のデザイン100選
期間 5月7日から6月26日まで(日・月曜休館)
時間 10:00 am ~ 5:00 pm
場所 日系文化センター・博物館(6688 Southoaks Crescent, Burnaby)
料金 無料
現代日本のデザイン100選
https://www.jpf.go.jp/j/project/culture/exhibit/traveling/n_design_100.html
日系文化センター・博物館
https://centre.nikkeiplace.org/
(取材 西川桂子)
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