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Koichi Saito

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「カナダでの体験が紡ぐ物語、岡田誠司氏の農村での新しい挑戦の序章」カナダの魅力を語る~シリーズ第1回

岡田誠司氏
筑波大学大学院客員教授、明治大学特別招聘教授
前バチカン特命全権大使、元バンクーバー総領事
カナダ滞在歴:オタワ6年、バンクーバー3年

 1982年に外務省に入り、オタワのカールトン大学大学院での3年間の研修を経て、1986年からオタワの日本大使館での3年間の勤務を経て、2013年からバンクーバーの総領事としての3年間。カナダには総計9年間の滞在でした。
 食料自給率は、日本が37%ほどであるのに対し、カナダは230%という桁違いの数字です。食料安全保障の観点から見ても、日本にとってカナダは極めて重要な国であることは疑いありません。

 カナダ最大の魅力は素晴らしい自然にあります。それは誰も異存はないでしょう。車で大陸を横断したのですが、東西で異なる自然環境と文化を有し、まるで異なる国々を巡るような魅力にあふれていました。私はカヤック、スキーなどアウトドアが好きで、カナダでは様々な場所で多様なアクティビティを楽しむことができました。
 それと日本から訪れる人たちにとって印象的だと感じるのは住民、地域、そして文化の多様性でしょう。
 民族の多様性という中のひとつで、バンクーバー滞在中には日系人の方々とのお付き合いが強くでき、その中で知った日系カナダ人たちが辿ってきた苦難の歴史については、その記録を残すべきだと強く感じています。

 2023年7月、42年間の外交官生活にピリオドを打ち、妻と共に筑波山のふもとの小さな農村に住み、大学で教鞭をとりながら、農業に打ち込んでいます。
 若い学生たちとの交流も頻繁で、彼らに対してひとつ伝えたいことは、ぜひ外国へ足を運んでみてほしいということです。外国に身を置くことで気づくことは多く、それがとても重要だと信じています。外国に滞在した経験から、自分がいた日本という国の本質を改めて見つめ、自らが日本人であることを深く理解することができます。これがグローバリズムへの一歩だと考えています。

 長年外交官として、外国に日本文化を紹介し情報発信してきましたが、日本の田舎ではそのような文化活動が少ないことに疑問を感じていました。三味線や能などを知ってはいるのですが、実際に触れる機会が乏しい現状に矛盾を感じ、戻ってきてからは地元のコミュニティで積極的に情報発信していくことを決意しています。高齢化が進む過疎の農村で、コミュニティを活性化させる道を模索しています。

(動画・記事 斉藤光一)

バンクーバー2023年の幕開け「ポーラーベアスイム」寒中水泳

 バンクーバーの元日といえば、イングリッシュベイのポーラーベアスイム、寒中水泳。過去2年は新型コロナウイルス禍でオンラインのみで実施。実際には行われなかったため、待ちに待ったイベントとなった。

 このポーラーベアスイムは、1920年元日にギリシャ系移民のピーター・パンテージス(Peter Pantages)さんと友人の計10人でイングリッシュベイに飛び込んだのが始まり。その後にポーラーベアスイム・クラブという水泳クラブを作り、ポーラーベアスイムと名付けられた。

 ピーターさんの孫娘リサ(Lisa)さんが現在のポーラーベアスイム・クラブの会長を務めている(動画内では台の上でカウントダウンをして赤い旗を振っている女性)。

 今年は103回目を迎え、5,000人以上の事前登録があり、当日は6,000人以上が参加。他にもそれを見守る家族、友人をはじめ、このイベントを見ようと大勢の人がイングリッシュベイに詰めかけた。仮装して参加する人も多いのがこのポーラーベアスイムのおもしろいところ。水温は6.5度と例年より低めだったが、みんなが3年ぶりの寒中水泳を楽しんだ。

毎年参加者に配られる直径3cmほどの参加缶バッチ。毎年デザインが変わり、今年はシロクマが膝を抱えて水に飛び込んでいるイラスト。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
毎年参加者に配られる直径3cmほどの参加缶バッチ。毎年デザインが変わり、今年はシロクマが膝を抱えて水に飛び込んでいるイラスト。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(写真・動画 斉藤光一)

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