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関税25%問題、BC州は2028年までに690億ドル損失の可能性

The Legislative Assembly of British Columbia, Victoria, Canada.
ブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアにある州議事堂。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府は1月16日の会見で、アメリカのドナルド・トランプ次期大統領がカナダからの輸入品に25%の関税をかけるとしている問題について言及した。BC州のGDPに深刻な影響を与える可能性があるという。

 トランプ氏の在任期間中に課税が続けられ、カナダが報復関税を実施した場合、BC州の経済損失は2028年までに690億ドルになる可能性があると試算した。アメリカはBC州最大の輸出相手国で輸出額の約54%を占めている。BC州ブレンダ・ベイリー財務大臣は、このような関税は前代未聞で分析は難しいと説明する。

 さらに労働市場の試算も厳しく、今後3年間で124,000件の雇用が失われ、失業率は2025年だけで6.7%、26年には7.1%まで上昇する可能性があるとした。

 デイビッド・イービー州首相は、関税の影響をできるだけ緩和し、これをチャンスと捉えアジア太平洋諸国との貿易関係強化を図り、アメリカへの依存を少なくすると言う。州首相は会見の数日前には、関税が課された場合、BC州産の主要な鉱物についてアメリカへの輸出を禁止すると示唆していた。

(記事 編集部)

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BC保守党、2024年州議会選挙の見直しを要求

The Legislative Assembly of British Columbia, Victoria, Canada.
ブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアにある州議事堂。

 BC保守党は1月8日、昨年10月に実施されたブリティッシュ・コロンビア(BC)州州議員選挙で複数の「不法行為」があったとして、独立機関による審査を要求すると発表した。ジョン・ラスタッド党首はBC選挙管理委員会に不服申立てをしたとことを明らかにした。

 選挙直後には集計過程を信頼し選挙結果を受け入れるとしていたBC保守党が、一転主張を変更した。特にBC新民主党(BCNDP)ゲイリー・ベグ候補が、22票という僅差でBC保守党ホンビア・シング・ランダワ候補を上回ったサレー‐ギルフォード選挙区について抗議の声を上げている。

 BC保守党が投票過程や管理委員会の報告を見直した結果、同選挙区では同じ人が2回投票したり、選挙管理委員会に登録した住所に居住していない人が投票したり、郵送投票に第三者が関与したりした疑いがあるという。

 ランダワ氏は、同選挙区内のケア施設で第三者が入居者に郵送用の投票用紙の書き方を教えたり、頼まれていない郵送用の投票キットを渡したりしたと話している。当該施設のオーナー兼マネージャーはCBCニュース電子版の取材に対し、保守党の主張に「ショックを受けた」と関与を否定している。ランダワ氏はベグ議員の当選を無効にするよう個人として署名を集めBC州最高裁に提出すると話している。

 州議員選挙の結果は接戦で、BCNDPが1議席差で過半数47議席(全93議席)を獲得、なんとか政権を維持した。選挙結果については、集計されていない投票用紙の箱が見つかったり、最終結果までに約3週間かかったりと選挙管理委員会の対応が批判された。BCNDPは全ての政党からなる委員会で選挙管理委員会の集計を見直すことを提案している。

(記事 編集部)

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宝くじ当選の男性に分け前を求めた同僚の訴えが却下される

 宝くじに当たった男性に対し、勤務先の同僚が分け前を求めていた裁判で、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州最高裁判所は1月10日、同僚の訴えを却下した。

 BC州サレー市在住のマンディープ・シング・マーンさんは2022年8月15日にBC/49で200万ドルが当たった。その後宝くじを共同購入していたという同僚4人が分け前を求めて裁判を起こした。

 原告によると、2021年から2022年までグループチャットを通して週に2回宝くじを共同購入していたという。同僚は、マーンさんがグループの資金を使って当選くじを買ったか、8月15日にグループに頼まれてくじを買ったと主張した。

 これに対しマーンさんは、共同購入は定期的でも頻繁なものでもなかった、当選した宝くじは自分の金で買ったと主張。個人的に毎月約400ドルを宝くじに使っているという。 

 リリアン・バントーラキス裁判長は判決で、同僚たちのマーンさんに金を渡した詳細についての証言に矛盾があり、グループ購入も継続的な購入スケジュールや一定の出資額があったかどうか証拠不十分で証明できないとし、マーンさんが当選くじをグループの金で買ったという証拠はないと説明した。

 宝くじの販売を行うBC州宝くじ公社(BCLC)は、グループ購入をする際はルールと記録を残すよう呼びかけている。

(記事 編集部)

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BC州、医療施設でのマスク着用を義務化

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では1月6日より、医療施設でのマスク着用を義務付ける。BC保健省によると、対象は州内の病院、長期ケア施設など。施設内の「患者が主にケアを受ける場所」で、スタッフ、患者、訪問者、ボランティアなど全ての人々がマスク着用を求められる。飲食中や患者の1人の部屋を訪問する人は対象外。

 背景には州内での呼吸器感染症の流行がある。BC州疾病管理センター(BCCDC)のデータでは11月からインフルエンザA型とRSV(RSウイルス)の感染者数が増加している。

 最も多いのはインフルエンザA型。2024年12月22日から28日までの陽性率は11.7%で、前週から2.5%増加した。RSV陽性率も0.3%増加しており、この傾向は小児患者が牽引しているという。新型コロナウイルスの感染者数は安定しているが増加の兆しが見られるとしている。

 当局はインフルエンザと新型コロナの予防接種を勧めるとともに、手を洗う、咳やくしゃみをする時は口を覆う、体調不良時は外出しないなどの対策をするよう呼びかけている。

 例年インフルエンザのシーズンは3月終わりまでのためマスク着用措置は今春までの予定。

(記事 編集部)

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ジャスティン・トルドー首相、辞任を表明

Parlament, Ottawa, Canada; File Photo by Japan Canada Today

 ジャスティン・トルドー首相は1月6日、オタワで首相と自由党党首を辞任すると発表した。次期党首決定後に退く。

 トルドー首相は2013年に自由党党首に選ばれ、2015年に選挙で自由党が圧勝し首相に就任した。しかし最近は支持率が低迷し、党内からも辞任を求める声が上がっていた。昨年12月にはクリスティア・フリーランド前財務大臣兼副首相の突然の辞任により、さらに首相への非難が高まり、去就が注目されていた。

 トルドー首相は、メアリー・サイモン総督に3月24日まで国会を休会するよう求め、了承されたと述べた。今後、自由党は次期党首を選出し、次の選挙に備える。

 一方、アメリカではドナルド・トランプ次期大統領の就任が2週間後に迫っている。トランプ氏は、カナダの輸出品全てに25%の関税をかけると公言しており、このタイミングでの首相辞任がさらなる混乱をもたらすことが懸念されている。昨年12月にトルドー政権は、国境警備の予算を約10億ドル増強すると発表したが、それが25%関税の阻止につながるかどうかは不明。

 2025年に内閣不信任決議を行うとしていた保守党ピエール・ポリエブル党首は、トルドー首相の辞任について「何も変わらない」とし、ただちに選挙を行うよう求めた。新民主党(NDP)ジャグミート・シング党首も、医療制度の不安定さなどを理由に「自由党に二度目のチャンスはない。誰が党首になっても同じだ」と話している。 

(記事 編集部)

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トルドー首相が内閣改造、野党は不信任決議を要求

Parlament, Ottawa, Canada; File Photo by Japan Canada Today

 ジャスティン・トルドー首相は12月20日、内閣改造を発表した。与野党からトルドー首相の辞職要求が叫ばれるなか、アメリカのドナルド・トランプ次期大統領の就任1カ月前の内閣改造となった。

 今回は8人が新たに入閣、現職閣僚4人が役職変更や追加となった。12月16日のクリスティア・フリーランド前財務大臣の突然の辞任で財務大臣を引き継いだドミニク・ルブラン前公安大臣は変更がなかった。財務大臣には前カナダ中央銀行総裁マーク・カーネイ氏の名前も挙がっていたが、ルブラン財相が留任した。公安大臣には国家安全情報委員会デイビッド・マクギニティ委員長が就任した。ショーン・フレーザー前住宅大臣は16日に次期選挙に出馬しない意向を発表、住宅大臣はナサニエル・アースキン‐スミス議員が就いた。

 性別や地域のバランスを考えた顔ぶれで、大臣数は前内閣に引き続き男女19で同数となっている。

 内閣改造により低迷している自由党の支持率が上がることはなく、トルドー首相と新内閣の先行きは不透明。野党第2党新民主党(NDP)ジャグミー・シング党首は12月20日に2025年に内閣不信任決議案を提出するとした書簡を公表した。少数与党の自由党にとってNDPは政権存続の鍵であり、その打撃は大きい。

 さらに野党第1党保守党もピエール・ポリエブル党首が、ただちに内閣不信任決議を行うため、メアリー・サイモン総督に現在閉会中の国会を召集するよう求めるとしていた。

(記事 編集部)

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2023年、カナダで15,000人以上が安楽死を選択

 カナダで2023年に15,343人が医師のほう助による安楽死(MAID)を選択した。これは、12月11日に発表されたカナダ保健省の「2023年カナダにおける臨終医療支援に関する第5回年次報告書」に基づくもので、2022年度から15.8%増加。2019年から2022年の平均年間増加率は31%で、増加率は半減したが報告は「数字の安定化」と結論づけるには時期尚早としている。

 2023年には19,660人がMAIDを申請したが、2,906人が実施前に死亡、915人が条件を満たしていないとされ、496人が申請を取り下げている。

 MAIDを受けた人については、「自然死が合理的に予見できる」状態だった人が約96%、最も多い病状はガンで64%。年齢の中央値は78歳。州別に見ると、MAIDを受けた人が最も多かったのはケベック州で5,601人、次いでオンタリオ州4,644人、ブリティッシュ・コロンビア州2,759人だった。

 カナダでのMAIDは現時点では肉体的な疾患がある場合のみ合法とされている。しかし連邦政府マーク・ホランド保健大臣は、さまざまな要望に答える方向性を探っていると述べている。

(記事 編集部)

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カナダポストが業務再開、ただし未配達分処理に時間が必要

カナダポストの郵便ポスト。File photo by Japan Canada Today
カナダポストの郵便ポスト。File photo by Japan Canada Today

 カナダポスト労働組合(CUPW)組合員によるストライキが12月17日にようやく解除された。ストは11月から約1カ月に渡って続いていた。

 12月15日にカナダ労使関係委員会は労働組合員に対し17日から業務に戻るよう命じた。現在の雇用契約は2025年5月まで延長され、その間に停滞している労使交渉の再開を目指す。一方、CUPWはこの措置を「不法である」とし、1月に違憲訴訟を起こすとしている。

 ストは解除されたが、郵便業務がすぐに通常通りに戻るわけではない。カナダポストによると、ホリデーシーズンを前に数百万の郵便物が未配達の状態で、それを処理するのに時間がかかるという。これら未配達分については受付日の早い順に配達される。

 ストライキ中に停止されていた新規の郵便物についても受け付けが12月19日から始まった。配達は遠隔地向けが優先される。ただ、新規受け付けの手紙や小包がクリスマスシーズン中に宛先に到着する可能性は低く、遅配は1月まで続くと見られている。

(記事 編集部)

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連邦政府フリーランド財相、突然の辞任

 連邦政府クリスティア・フリーランド財務大臣が12月16日、辞任した。フリーランド議員は副首相も務めるなどジャスティン・トルドー首相からの信頼も厚かっただけに、突然の辞任発表に衝撃が走っている。

 フリーランド議員が辞任を表明したのは秋期の経済報告が行われるわずか数時間前。ソーシャルメディアで「トルドー首相に宛てた書簡」を公開。12月13日にトルドー首相から財務大臣ではないポジションを打診されたため、内閣を去る決意をしたと述べている。さらにアメリカのトランプ次期大統領による「25パーセントの関税通告」問題への対応についてもトルドー首相を批判している。

 報道によると、両者はカナダ政府が発表した「GST/HSTホリデー」(12月14日から2カ月間の免税)や「ワーキング・カナディアンズ・リベート」(一人250ドルの支援)を巡って対立していたという。トルドー首相は元カナダ銀行総裁マーク・カーネイ氏を財務大臣として迎え入れたい意向があるのではとも報道されている。

 フリーランド議員は大臣を辞任したものの自由党にはとどまり、次期選挙には前回同様オンタリオ州トロント市のユニバーシティ・ローズデイル選挙区から立候補するとしている。

 トルドー首相は新たな財務大臣にドミニク・ルブランク公安大臣を任命した。しかし、野党はもとより自由党内でもトルドー首相に責任を取るべきとの声が上がっている。

(記事 編集部)

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BCで天気大荒れ、停電や道路閉鎖など各地で被害

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では12月14日から強風などで大荒れの天気となり、各地で被害が相次いだ。

 BC州の電力会社BCハイドロによると、強風の影響によりメトロバンクーバーとサンシャインコーストを合わせた地域で、約28万世帯が停電(14日午後5時15分現在)。地域別では、サレー市57,000世帯、バーナビー市13,000世帯、ポートコキットラム市7,000世帯が停電となった。

 BCハイドロは停電について、強風で倒れた木や落ちた枝が電力設備に被害を与えたことが原因としている。特に、最近数年続いた干ばつで州内の植物が弱っており、風の影響をより受けやすい状態にあるという。

 悪天候は道路状況にも影響した。バンクーバー市ナイト・ストリートと32番アベニューでは車両の上に木が倒れ道路が閉鎖された。またスタンレーパークは倒木の危険があるとして公園を閉鎖した。ノースバンクーバー市周辺でも倒木の報告が相次いだことから、リン・キャニオンやヘイウッドなど複数の公園でトレールが閉鎖された。さらにバンクーバーからウィスラーの方へ向かうシー・トゥ・スカイ・ハイウェイのライオンズ・ベイ付近では土砂崩れが起き、ハイウェイは両車線とも通行止めとなった。

 BCフェリーは、強風や大雨、洪水の警告を受けて、14日午前のメインランド・バンクーバー島間のほぼ全ての便を事前欠航。カナダ環境省は、グレーター・ビクトリアやバンクーバー島西海岸の住民に向けて、強風と高潮による洪水に注意するよう呼び掛けていた。

(記事 編集部)

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カナダポストのストで詐欺が急増

カナダポストの郵便ポスト。File photo by Japan Canada Today
カナダポストの郵便ポスト。File photo by Japan Canada Today

 カナダポストのストライキの影響で郵便に関する詐欺が増えている。

 消費者信用情報機関エキファックス・カナダは、ストライキが始まって以降フィッシング・メールや合成音声による電話などの詐欺が急増していると注意を促している。ホリデーシーズンが近づいているのも一因だが、ストによる配達の混乱に乗じて増加しているとみられている。

 ベター・ビジネス・ビューロー(BBB)は、スト中の偽の配達サービスに気をつけるよう呼びかけている。聞きなれない配達業者からのしつこい勧誘は避けること、利用する際は業者についてよく調べ、BBBから認証されているか確認するようアドバイスしている。

 また、カナダポストやほかの配達業者のふりをした詐欺犯が、「プライオリティ(優先)サービス」や未配達の商品があるとして支払いをするようテキストメッセージやメールを送ってくるような場合は、送られてきたリンクをクリックしないよう警告している。

 カナダポストは、利用者からの要望がない限りテキストメッセージやメールを送ることはないと述べている。また詐欺の見分け方として、文法的におかしな文章、不明瞭なロゴ、通常と異なるトラッキングナンバーなどを挙げている。

(記事 編集部)

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バンクーバーで通行人を殴った男、別の無差別事件にも関与

バンクーバー市キャンビー通りにあるバンクーバー市警。Photo by The Vancouver Shinpo
バンクーバー市キャンビー通りにあるバンクーバー市警。Photo by The Vancouver Shinpo

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市ダウンタウンで、見知らぬ人の顔をいきなり殴った男が起訴された。容疑者は、さらに2件の無差別攻撃事件を起こしていたことが分かった。

 起訴されたのはザッカリー・ティレル・シェトル容疑者(29歳)。11月28日午後10時ごろ、ハドソン・ベイ百貨店近くのウエスト・ジョージア・ストリートの路上で、28歳の男性の顔をいきなり殴り、地面に叩きつけた。シェトル容疑者はそのまま逃走、バンクーバー市警察は事件を映し出したビデオを公開した。12月3日に警察はバンクーバー中央図書館付近でシェトル容疑者を逮捕した。

 12月10日の発表によると、シェトル容疑者はこの件を含む3件の暴行事件に関して起訴されたという。11月24日と25日にも、ダウンタウン中心部で、それぞれ35歳と29歳の男性に暴行していたことが分かっている。いずれの事件においても、容疑者と被害者の間に面識はなく、暴行に至るまでに接触もなかったと警察は見ている。

 ダウンタウンでは12月4日にもコンビニエンスストアで刺傷事件を起こした男が警察に銃撃されて死亡するなど、暴行事件が立て続けに起きている。バンクーバー市ケン・シム市長は「こうした事件はコミュニティ全体に影響を与え、不安にさせる」と懸念を示している。

(記事 編集部)

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