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メトロバンクーバーのサレー市教育区、アメリカへのフィールドトリップを一時中止

オンタリオ州オタワ市にあるアメリカ大使館の星条旗。2025年4月2日。撮影 日加トゥデイ
オンタリオ州オタワ市にあるアメリカ大使館の星条旗。2025年4月2日。撮影 日加トゥデイ

 先行き不透明な昨今のアメリカの政情を受けて、メトロバンクーバーのサレー市教育区は域内の学校のアメリカへのフィールドトリップを全て一時中止すると発表した。

 サレー市教育区はブリティッシュ・コロンビア(BC)州最大の教育区。マーク・ピアメイン教育区長はサレー市はさまざまなバックグラウンドを持った生徒が集まっているとし、国境でのトラブルを避けるために中止に踏み切ったという。「生徒のなかには、両親の仕事のために一時的にカナダに滞在している生徒もいる。教育区は常に生徒やスタッフの安全を考慮している」

 同教育区では毎年40〜60の海外へのフィールドトリップが行われ、約半数の行き先はアメリカだという。内容はスポーツ関係からダンス・コンペティション、音楽など多岐にわたる。

 ピアメイソン教育長は教員にBC州を含むカナダ国内の旅行を検討するよう勧めているという。一方で将来的にアメリカへの旅行が可能になることを望んでいると述べた。

 サレー市教育区の措置はニューブランズウィック州のフランス語教育区に続くもの。同教育区ではハイスクールのオーケストラのアメリカ旅行をキャンセルすると発表した。

 BC州のほかの教育区では同様の措置は取っていない。しかしバンクーバー市教育区は声明で、現在はアメリカへのフィールドトリップを禁止してはいないものの要望を受けた場合には政治情勢を考慮すると述べている。

(記事 編集部)

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ごみ箱に捨てられたミニチュアプードル、順調に回復

 バンクーバー市のごみ箱で4月2日、けがをしたミニチュアプードルが発見されるというショッキングな事件が起きた。

 オスカーと名付けられたこの犬を発見したのはテリー・スパローさんと婚約者のクリスタ・ブリスクさん。ブリティッシュコロンビア大学近くにあるパシフィック・スピリット・リージョナルパークを散歩している途中、ガムを捨てようとごみ箱のふたを開けてオスカーに気づいたという。

 発見時のオスカーは骨折や股関節脱臼などのけがを負い、鳴くことも歩くことも出来ない状態だった。けがの原因については分かっていない。またマイクロチップをつけていたが未登録状態で飼い主を探すのは難しいという。

 現在は手術を受けて順調に回復している。オスカーの支援には7,000ドルの寄付が集まった。不足分は治療にあたっているCanada West Veterinary Specialistsが補足した。

 警察と動物保護団体BCSPCAはこの件についての情報を求めている。BC州の動物虐待防止法では、動物の遺棄には最高75,000ドルの罰金および最長2年の禁固刑が科せられる。カナダ刑法に基づいて有罪となった場合には最高1万ドルの罰金および最長2年の禁固刑が科せられるという。

(記事 編集部)

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日本とカナダの学生&企業を結ぶキャリアフェアに約480人が集結!

2025年3月25日、BC(ブリティッシュコロンビア)州バンクーバー市にて、日本とカナダに関わりのある学生と企業を繋ぐキャリアイベント「Japan Connect」が開催された。

カナダに拠点を置く日系企業28社と、BC州の学生/社会人およそ480名が参加。活気溢れる1日となった。

今回のイベントは、UBC大学の学生団体「Japan Career Network(JCN)」と日本・カナダ商工会議所の共催で実現。世界最大級の日英バイリンガル向け就活イベント、ボストンキャリアフォーラム(通称ボスキャリ)を主催するキャリタスも企画運営に携わった。

2019年より「Nikkei Connect」の名で親しまれたこのイベントは、改名し今年で第4回目の開催。今年は過去最大規模、昨年度の1.5倍以上の参加人数を記録した。


参加者の声

学生にとっては企業と直接会話出来るチャンスとなった「Japan Connect」。まず今年の参加者の声を聞いてみよう。

「これからしっかり将来のことを考えないと、と思ったタイミングだったので、様々な企業の話を聞いてみたいと思い参加した」

そう話すのは、日本で社会人経験を積んだのちカナダにCo-op留学で来た学生。プログラムの一環で、カナダでの就職を目指しているという。イベントの規模の大きさに驚いたのと同時に、様々な企業が出展していて興味深かったと語った。

同じくCo-op留学で来た学生は、「日本に帰ればすぐ就活が始まるので、日本企業だけではなく、カナダにある企業を色々見られるのはありがたい」と話した。今回のイベントでカナダの企業文化や働き方に触れることで、日本だけでは見えなかったキャリアの視点が得られた様子だった。

また、企業側のボランティアとして参加した学生は、「企業も学生も、どちら側から見ても役に立つイベントだと思う」と語った。


参加企業の声

企業にとっては次世代の人材と直接繋がれる貴重な機会となった今回のイベント。参加企業の声を聞いてみよう。

日本航空株式会社 | ケーシー若林 総務スーパーバイザー 

感想:「日本航空にとても興味のある学生が沢山いて圧倒された。現地採用や本社部門の採用の情報についての質問が多くあった印象。」

参加者へメッセージ:「好きなことや色々な事にぜひ挑戦して欲しい。どんな経験でもプラスになる。」

在バンクーバー日本国総領事館 | 木山雅之 経済担当領事

感想:「会場全体からものすごい熱気を感じた。去年カナダに赴任したばかりなので、カナダで仕事をしたいと思っている日本の方々と出会える素晴らしい機会だった。」

参加者へメッセージ:「日本にいてもカナダで働いていても、日本の良さを時々思い出して欲しい。どこに行っても日本人として誇らしく生きていって欲しい。」

Crescent Moon Enterprises Ltd. GIFTS AND THINGS | 小野塚裕香 Supervisor

感想:「大盛況。皆とても意欲のある方々だと思う。会社が今後拡大していくにあたって、知名度を上げたく今回出展したが、想像以上に沢山の方がブースに来てくれ嬉しい。」

参加者へメッセージ:「カナダに来て、こういったイベントに参加している方々はきっと志の高い方々。ぜひ自分が楽しんで出来る仕事を見つけていって欲しい。」


実行委員の声

この大規模なイベントを陰で支えてくれた実行委員。そんな縁の下の力持ち達の声も聞いてみよう。

UBC学生団体 Japan Career Network(JCN)| 久保孝太朗 会長

感想:「昨年の規模を上回る盛り上がり様で嬉しい。参加企業含め、運営に携わって頂いた全ての方々には大変感謝している。このイベントは今後より一層良いものになると確信している。先輩方が作り上げたこの伝統を受け継いで、今後の世代の役員にも頑張っていって欲しい。」

参加者へメッセージ:「新たな出会いや繋がりをつくる中で、キャリアの選択肢を増やして欲しい。このイベントを通じて自身のキャリアパスへのヒントを少しでも見つけられたのなら非常に嬉しく思う。」

日本・カナダ商工会議所 | ウィットレッド太朗 副会長

感想:「このイベントで意外なコネクションが出来て、それがまた何か他の事に繋がるような、色々な意味でキッカケを作る場になったと思う。思いがけず、日本カナダ商工会議所に興味を持って入会したいと言う方やボランティアしたいという方にも出会えて、とても有意義な時間が過ごせた。今後はより参加者によりメリットを感じてもらえるイベントに発展させていきたい。」

参加者へメッセージ:「このイベントを通して何か次の新しいステップに繋がるような出会いや機会を見つけることが出来たなら嬉しい。今回参加出来なかった方もぜひ来年参加して、キャリアやネットワークが広がることに繋がる出会いを見つけて欲しい。」

Career-Tasu USA(キャリタスUSA)| 実川 奈那 Marketing Coordinator

感想:「JCNと日本・カナダ商工会議所のビジョンを叶えるサポートという形で今回運営に携わった。今年は昨年の1.5倍の規模に成長したので、これからこのイベントがどういう風に大きく発展していくのか楽しみ。」

参加者へメッセージ:「就活だけでなく、文化に興味がある方など幅広い層の方が参加している。ここで色々な人と繋がる事によって、未来を描くための視野が広がるきっかけになるだろう。」


まとめ ー 堅苦しさ無し! 新しい形のキャリアフェア

大盛況だった今回の「Japan Connect」。480名の学生/社会人と、28の企業。肩書きもバックグラウンドも違う沢山の人々が同じ会場に集まった。そこには、説明会や就活といった堅苦しい言葉では表せきれない、熱くリアルな会話が広がっていた。

勇気を出して企業ブースに足を運んだこと。初めて聞く業界の話を面白いと感じたこと。たまたま隣にいた学生との会話から、視野が広がったこと。そんなひとつひとつの小さなキッカケが重なって、きっとあなたの未来をかたちづくる土台になっていく。

今年大成功を収めたこのフェアが、来年はどんな風に進化し、どんな出会いを生むのか。すでに楽しみにしている人も多いはずだ。

<参加企業一覧>

  • Azuma Foods (Canada) Co., Ltd
  • Pio Creative Marketing
  • Life Assist Canada
  • TWIN WOODS HUMAN RESOURCE CORP
  • KM Pacific Investments Inc.
  • Japan Airlines Co., Ltd
  • PGT Education Inc.
  • Canadasenmon
  • Coast Hotels
  • Mitsui & Co. (Canada) Ltd.
  • VSWI Canadian Immigration Service Inc
  • TSUKIJI FISH MARKET Inc.
  • AK Japan Imports
  • take R enterprise.inc
  • Kanatani Trading Ltc. (D.B.A.) Windbell Motorcycle
  • Trans Med Consulting Services Ltd.
  • SADE Counselling
  • Okeya Kyujiro
  • CRESCO LTD.
  • BLOOM CONSULTING Inc.
  • Nikoniko Home Care
  • CRESCENT MOON ENTERPRISE LTD (GIFTS AND THINGS)
  • Maple Fun Tours
  • enjoi Japan KK / enjoi Innovation Inc
  • Vanmates Consulting Corp.
  • Remedios & Company
  • Japan Canada Chamber of Commerce
  • Japan Career Network

<Japan Connect 実行委員会>

  • 学生団体「UBC Japan Career Network」
    • 久保孝太朗
    • 保井祐理
    • 大西真央
    • 内田百香
    • その他JCN役員17名
  • 日本・カナダ商工会議所
    • サミー高橋
    • ウィットレッド太朗

著者: 西田珠乃(JCNマーケティング担当)
撮影: 乘峯良輔

(寄稿 日本・カナダ商工会議所)

MLSホワイトキャップス、バンクーバーに新しいスタジアム建設を検討

バンクーバーダウンタウンにあるBCプレース。バンクーバー・ホワイトキャップスがホームグランドとしている。撮影 日加トゥデイ
バンクーバーダウンタウンにあるBCプレース。バンクーバー・ホワイトキャップスがホームグランドとしている。撮影 日加トゥデイ

 カナダ・バンクーバーに本拠地を置く、MLS(メジャーリーグサッカー)バンクーバー・ホワイトキャップスFCは4月4日、バンクーバー市東部にあるPNE(Pacific National Exhibition)敷地内に新たなスタジアムを建設することを検討していると発表した。同クラブCEOアクセル・シュスター氏はチームをバンクーバーに留めるための長期計画の一環だと説明した。

 ホワイトキャップスのオーナーシップグループは昨年12月に同クラブ売却を決定し、現在準備を進めている。その中で次のオーナーが収益性を求めて、クラブを別の都市に移転させるのではないかという懸念が広がっている。

 今回発表されたスタジアム建設案について専門家は収益増加を狙った戦略の一つと説明する。スポーツ・コメンテーターのガープリート・シアン氏はCBCニュース電子版の取材に対し、ホワイトキャップスはメジャーリーグの中でも数少ない「自前のスタジアムを持たないクラブ」のひとつであり、それが同クラブのフランチャイズとしての評価を低くしている可能性があると指摘した。

 バンクーバー市当局もスタジアム建設について同クラブと話し合いを進めていることを認めた。バンクーバー市ケン・シム市長は4月7日、ホワイトキャップスの移転を阻止するために「出来ることは何でもする」と述べている。

 新スタジアムがPNE敷地内のどこに建設されるかなど詳細については公表されていない。また、市がどういう形で建設を支援するのか、公共交通機関の整備はどうするのかといった点についても、明らかにはなっていない。

 ホワイトキャップスは昨季にチーム創設50周年を迎えた。その間に、現在PNE内にあるエンパイアフィールド(前エンパイアスタジアム)、バーナビー市にあるスワンガードスタジアムをホームグラウンドとしてきた。MLSに昇格してからは1年目を除いてBCプレースをホームとしている。一時期はバンクーバー港近くに専用スタジアム建設の話が持ち上がったが実現しなかった。

(記事 編集部)

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アメリカの「相互関税」カナダは対象外、ただし自動車への関税は発動

オンタリオ州オタワ市にあるアメリカ大使館の星条旗。2025年4月2日。撮影 日加トゥデイ
オンタリオ州オタワ市にあるアメリカ大使館の星条旗。2025年4月2日。撮影 日加トゥデイ

 アメリカのドナルド・トランプ大統領は4月2日、世界の注目を集める中、「相互関税」と称する新たな関税の詳細を発表した。

 トランプ大統領は外国からの全ての輸入品に対し「最低ラインの関税」として一律10%を課すと述べた。さらに「アメリカを不当に利用してきた」とみなされる国々には、より高い税率を適用すると発表。これには、日本(24%)、中国(34%)、EU(20%)などが含まれる。前者は4月5日、後者は4月9日にスタートする。

 しかしホワイトハウスによるとカナダはこの最低ラインの関税対象外となる。3月に発動された25%(エネルギー製品10%)の国境関連の関税が引き続き適用されるためだという。

 一方、2日深夜に発動された「外国製自動車への25%の関税」はカナダも対象で、国内の自動車産業に深刻な影響を与える可能性がある。ホワイトハウスによると、この関税はカナダで製造された乗用車にも適用されるが、その車両の「アメリカ製ではない部品」にのみ課される。

 これを受けてマーク・カーニー首相は、報復措置としてCUSMA(カナダ・アメリカ・メキシコ協定)の条件を満たしていないアメリカ製自動車に25%の関税を課すと発表した。また、CUSMAの条件を満たしていてもカナダ製の部品を使用していないアメリカ製車両は課税対象となる。

 カーニー首相はこの報復関税によって約80億ドルを徴収できると試算、その資金は自動車産業で職を失った人々や損失を被る企業への支援に充てるとしている。さらにカーニー首相は、自身が選挙に勝利すれば20億ドルの戦略的救済基金を設立すると表明している。

(記事 編集部)

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カナダ政府アメリカ入国に注意喚起、厳格な入国審査と電子機器検査の準備を

Vancouver Airport, British Columbia; File Photo by Japan Canada Today
Vancouver Airport, British Columbia; File Photo by Japan Canada Today

 カナダ連邦政府は4月4日に「旅行者への注意」を更新、アメリカに渡航するカナダ国民に「厳しい入国審査」に備えるよう注意喚起した。

 ウェブサイトに追加されたのは「アメリカの国境警備官は、審査にあたって広範な裁量権を持っており、そこには携帯電話やパソコンなど電子機器の検査も含まれる」という内容。厳格な審査が行われる可能性に言及し、渡航者は正直かつ協力的に対応するよう勧告している。

 またアメリカへの入国を拒否された場合は強制送還になる前に拘束される可能性があること、アメリカ滞在中は合法的な滞在である証明を常に携帯することなどの注意事項を記載している。

 アメリカの国境警備官は以前から旅行者の荷物を検査する権限を持っている。しかしカナダ政府はトランプ政権下でアメリカとの関係が緊張しているなかでガイダンスの更新に踏み切った。

 カナダに先立ち、3月にイギリス政府とドイツ政府がアメリカ渡航についての情報を更新し入国に関して注意を促している。両国ともその直前に、国民がアメリカ入国で拘束されたり強制送還されたりする事件が起きている。

 カナダでも3月にアメリカの労働ビザを更新するために国境を訪れたカナダ人女性が入国拒否にあったうえ、アメリカ国内で11日間にわたり拘束される事件が起こった。

(記事 編集部)

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炭素税撤廃でカナダ全国でガソリン価格が下落、BC州でも大幅安に

2025年4月1日から炭素税が撤廃された後のガソリン価格。ブリティッシュ・コロンビア州ノース・バンクーバー市。2025年4月7日。撮影 日加トゥデイ
2025年4月1日から炭素税が撤廃された後のガソリン価格。ブリティッシュ・コロンビア州ノース・バンクーバー市。2025年4月7日。撮影 日加トゥデイ

 カナダ政府が4月1日から炭素税を撤廃した。マーク・カーニー首相が約束した措置で、オンタリオ州など連邦政府が導入していた州で同日からガソリン価格が下落した。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州でも4月1日未明に消費者向け炭素税が撤廃され、州全体でガソリン価格が下落した。

 BC州は2008年に連邦政府に先駆けて北米で初めて広範な炭素税を消費税の形で導入、広い支持を得てきた。しかし、デイビッド・イービーBC州首相は連邦・州の保守派が長年にわたり炭素税廃止キャンペーンを展開してきたことで、炭素税は「有害」になったと説明。連邦政府が撤廃の手段を用意すれば州もそれに従うと公約していた。

 州政府は4月1日のガソリン価格が1リットルあたり約17セント下がると予測。同日午前11時時点での価格は、ペンティクトンで1.32ドル、ノースバンクーバーで1.77ドルとなっている。また、家庭向けに天然ガスを供給するFortisB.C.は平均的な世帯月額料金が23%あるいは約30ドル下がると予測している。

 一方、炭素税撤廃には批判もある。ブリティッシュコロンビア大学オカナガン校のロス・ヒッキー経済学教授はCBCニュース電子版の取材に対し、炭素税は主に高所得世帯が負担し、低所得層には還付金が給付される仕組みで「環境にも家計にも有益だった」と述べている。炭素税が撤廃されたため還付金も廃止される。

 イービー州首相は今後の気候変動対策について「産業部門の排出削減や低炭素テクノロジー導入の支援に重点を置く」としている。

(記事 編集部)

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バンクーバーで日本舞踊の普及に尽力した日本舞踊西川流師範 西川佳洋さん死去

 日本舞踊西川流師範の西川佳洋(松野洋子)さんが3月26日に死去した。85歳だった。

 西川佳洋さんは長年バンクーバーをはじめブリティッシュ・コロンビア州で日本舞踊の普及に尽力。2011年から日系文化センター・博物館で日本舞踊を教え始めたグループ「彩月会」の代表としても活躍し、日系イベントへの参加や施設訪問など日系コミュニティに貢献したほか、日本舞踊を通して日系以外の団体との交流もするなど、日本文化を広めることに尽力した。

 彩月会は、西川流西川千雅家元の承認を得て2023年6月16日に正式名称を「西川流カナダ彩月会」と変更。同年に彩月会からは2人が「名取式」を経て正式に、かおりリトンさんが「西川洋香」を、芦田有希子さんが「西川洋雪」を授与された。佳洋さんは「4歳の時から踊りを始めて、50年以上踊りを教えています。西川洋香、西川洋雪の2人が西川流の苗字内に入れることを許されまして、私はとてもうれしくて、長い間踊りを教えて、踊り一筋に生きてきてよかったと思っています」と語っていた。

 2024年4月には西川流カナダ彩月会として日系文化センターで温習会を開催。会場は客席が足りないほどの観客であふれた。大成功した温習会のあと佳洋さんは「私の持っている踊りを教えて、次に繋げていきたいです。私で終わりかなと思っていたけど、その希望が出ました。がんばります」といつものお茶目な笑顔を見せていた。今年は彩月会からさらに3人が名取に挑むことになっており、楽しみにしていた。

 日系コミュニティからは悼む声が相次いでいる。

西川佳洋師範による「川の流れのように」。2024年4月27日、日系文化センター・博物館。Photo by Koichi Saito
西川佳洋師範による「川の流れのように」。2024年4月27日、日系文化センター・博物館。Photo by Koichi Saito
西川流カナダ彩月会第三回「温習会」和と洋の調べに心寄せて。2024年4月27日、日系文化センター・博物館。Photo by Koichi Saito
西川流カナダ彩月会第三回「温習会」和と洋の調べに心寄せて。2024年4月27日、日系文化センター・博物館。Photo by Koichi Saito

(記事 編集部)

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バンクーバー桜まつり2025開幕、雨模様も元気いっぱいの開会式

開会式での鏡開き。左端に髙橋総領事、左から3番目がリンダさん。2025年3月29日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一
開会式での鏡開き。左端に髙橋総領事、左から3番目がリンダさん。2025年3月29日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一

 すでに各地でイベントが開催されているバンクーバー桜まつり、この日はバンクーバー市デイビッド・ラム公園で開会式が行われた。

 特設ステージではバンクーバー桜まつりの創設者リンダ・ポールさんや在バンクーバー日本国総領事館髙橋良明総領事が参加した鏡開きやバンクーバー沖縄太鼓の演舞。あいにくの雨模様の中でもあっぱれよさこいバンクーバーが元気いっぱいの踊りで会場を盛り上げた。

 今年は3月が比較的雨が多く寒い日が続いたため桜のつぼみはまだ少し固いが、今週は天気が回復する見込みという。4月の声を聞くと一気にバンクーバーがさくら色に染まりそうだ。

 バンクーバー桜まつり委員会によるとバンクーバーには4万2千本の桜があるという。その多くが日本から贈られたもので、日加友好の証がバンクーバー中に広がっている。

 4月12日、13日にはバンデューセン植物園でさくらデイズ・ジャパンフェアも開催される。

 今年もバンクーバーに春を告げる桜まつりが開幕した。

バンクーバー沖縄太鼓の演舞。2025年3月29日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一
バンクーバー沖縄太鼓の演舞。2025年3月29日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一
あっぱれよさこいバンクーバーのパフォーマンスで会場が一気に盛り上がる。2025年3月29日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一
あっぱれよさこいバンクーバーのパフォーマンスで会場が一気に盛り上がる。2025年3月29日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一
毎年参加するバンクーバー総領事館のブース。2025年3月29日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一
毎年参加するバンクーバー総領事館のブース。2025年3月29日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一
隣組もブースで参加。2025年3月29日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一
隣組もブースで参加。2025年3月29日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一

(記事 編集部)

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カーニー・トランプ会談、「非常に」建設的も関税は発動の方向

Parlament, Ottawa, Canada; File Photo by Japan Canada Today

 マーク・カーニー首相は3月28日、就任後初めてアメリカのドナルド・トランプ大統領と電話で会談した。終了後、両首脳はともに非常に建設的な話し合いだったと述べた。

 今回の会談はトランプ大統領がアメリカ国外で製造された自動車に4月2日から関税25%を課すと発表した数日後に行われた。関税問題に決定的な変化はなかったが、カーニー首相は「進展があった」としトランプ大統領が「公のコメントでも非公式な対話でもカナダの主権を尊重した」と語った。

 しかしカナダで製造された自動車への関税は予定通り4月2日に発動される見込みだ。これに対してカーニー首相は会談で報復関税で対抗することを伝えたという。トランプ大統領はカナダが報復関税を課した場合は大規模な関税措置を「絶対に」実施すると改めて強調した。

 一方でトランプ大統領はカナダに対する強硬な姿勢をやや和らげている。これまでは「カナダがアメリカをぼったくって騙している」などと非難してきたが、今回はそうした発言を控えた。4月2日に発動予定の相互関税について言及した時には「私はカナダについて言っているのではない。多くのほかの国が我々を利用してきた」と述べた。

 今回の会談後、トランプ大統領は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、両者は多くの点で合意に達したと投稿。「カナダの総選挙後すぐに会談を行う」とした。

 カナダの総選挙は4月28日。カーニー首相は3月27日は選挙戦から離れ、トランプ大統領の関税措置への対応について閣僚と話し合った。

(記事 編集部)

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ロバートソン元バンクーバー市長、連邦総選挙に自由党から出馬

Parlament, Ottawa, Canada; File Photo by Japan Canada Today

 元バンクーバー市長のグレゴール・ロバートソン氏が連邦総選挙に自由党候補として立候補することを表明した。

 3月23日の声明でロバートソン氏は自由党マーク・カーニー党首から出馬の打診があったことを明かし「私たちは今、前代未聞の緊急かつ複雑な課題を抱えている。それに立ち向かい、我々を導くことができるのはマーク・カーニー自由党党首をおいて他にいない」と述べた。

 ロバートソン氏が出馬するのはバンクーバー市フレーザービュー・サウスバーナビー選挙区。今回新しく設置された選挙区だが、旧バンクーバー・サウス選挙区の大部分を引き継ぐ。バンクーバー・サウス選挙区は自由党のハージット・セイジャン氏が長く議員を務めていたが、今回選挙には出馬しないことを表明している。

 バンクーバー・サウス選挙区は設置された2003年から自由党と保守党が競い合う激戦区で、2015年からはセイジャン氏が議席を維持していた。新民主党(NDP)候補が勝利したことはない。新しいフレーザービュー・サウスバーナビー選挙区でも2党の熾烈な争いが予想されている。

 ロバートソン氏は2008年から2018年までバンクーバー市長を務め、自転車専用レーンの拡大や違法薬物の非犯罪化などに注力した。2005年から2008年にはBCNDP所属の州議会議員を務めている。

(記事 編集部)

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「51番目の州」の文言を使ったスカイトレイン駅の広告に非難の声

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市の公共交通機関スカイトレイン駅構内で、「51番目の州」という文言を使用した広告が批判を浴び、広告主が謝罪した。

 問題となったのはリッチモンド市でビタミングミなどの健康食品を製造しているハーバランド社の広告。バンクーバー・ダウンタウンのシティセンター駅の壁広告には、同社の製品とメープルリーフの画像とともに、大きく「Herbaland proudly made in (the 51st state) Canada」という文章が書かれている。「ハーバランド(製品)は誇りを持って、カナダ(51番目の州)で製造されています」という意味だが、「(51番目の州)」の部分は白い線で打ち消されていた。

 しかしアメリカのトランプ大統領がカナダ併合を公に口にする中で、この広告に非難の声が上がった。ソーシャルメディアでは「ジョークだとしても許容できない」などと投稿されていた。

 これを受けハーバランド社は広告が「不適切だった」として謝罪、3月18日に広告を撤去した。同社は声明で「『カナダをアメリカの51番目の州に』という考えに反対することが広告の目的で、そのために取り消し線を入れた。しかしこの文言を使うこと自体が不適切だった」と説明した。

(記事 編集部)

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