バンクーバー生け花協会(VIA)が10月10日、日系文化センター・博物館で『生け花展』を開催した。会場には約50点の作品が展示され、訪れた人たちはフラワーアレンジメントとは異なる日本の伝統文化、生け花の魅力を楽しんだ。
今回、参加したのは、会員5流派のうち池坊、華道すみ、山月流、草月流の4流派。毎年、春に催されている展示会だが、昨年は新型コロナウイルス感染拡大で中止となったほか、今年も春ではなくコロナワクチン接種が進んだ秋の開催となった。
1965年にバンクーバー生け花協会が発足してから、秋の展示会となるのは2014年に続き今回が2回目。池坊のセシリー・チャングさんによると「秋の花材は黄色やオレンジ色の花が中心」になるという。芒(ススキ)で深みゆく秋を表現した作品もあった。
展示に加えて、デモンストレーションも行われた。
日本の生け花を見るのは初めてというスコットさんは「フラワーアレンジメントだと『花』をアレンジしているイメージなのですが、生け花は流木を使っていたりと材料もユニークですね」と感想を述べた。水草を浮かべて池を表現した上で花を活けた作品が印象深かったという。
セシリーさんに教室の再開状況について聞くと、池坊では現在、対面とオンラインでのレッスンを行っているとのこと。ただし、オンラインは上級の生徒が対象で、ある程度のレベルでないと生け花をオンラインでレッスンするのは難しいため、対面で教えているそうだ。
「携わる人が高齢化しているので、今回の展示会を通して若い人たちにも生け花のすばらしさを広めていきたいです」と生け花協会を代表してセシリーさんは抱負を語った。
(取材 西川桂子)
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