バンクーバーのバンデューセン植物園で、4月9日(土)、10日(日)の2日間、サクラデイズ・ジャパンフェアが開催された。両日で合計1万3千人が訪れ、大盛況となった。このイベントは、日本の花見に着想を得て、桜が花開く春に合わせて市内各地でイベントを開催しているバンクーバー・チェリーブロッサム・フェスティバル(VCBF)の一環である。
サクラデイズ・ジャパンフェアは午前10時から午後5時まで。開会式に鏡割りが行われたほか、約1時間おきに特設のステージイベントがあり、日本舞踊、太鼓、居合道、ポップスとR&Bバンドなど日本文化やカナダ在住アーティストによる演奏で、来場者を歓迎した。3年ぶりの屋外開催ということもあり多くの人が足を運び、家族や友人と、植物園の桜をはじめとする見頃を迎えた花々や、相撲と忍者の顔はめパネルでの写真撮影に興じる姿があった。
新型コロナウイルス感染症対策により、2019年以来の屋外開催。開会のあいさつを羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事が行ったほか、総領事館もブースを出展。日本紹介のフリーマガジンや日本各地の観光情報、JETプログラム、日本留学情報などを配布した。
また、会場内では、屋台で買った焼きそばやラーメンなどの日本食を桜の下で楽しむ人々でにぎわった。ビジターセンター内では生け花展示をはじめ、裏千家淡交会バンクーバー協会による茶道体験、建友会の風車作り、日本酒協会による試飲会など感染症対策により開催を見送っていた内容も復活。茶道体験はチケットが完売。日本酒の試飲イベントは、閉場時間まで列が途切れなかった。
出店者も心待ちにした屋外開催
日本酒の試飲イベントを行ったBC州日本酒協会(The Sake Association of British Columbia、以下SABC)の渡井清憲会長によると、協会で行った試飲会自体も昨年の日系祭り以来。来場者とともに開催を心待ちにしていた。今回は11社が計12銘柄を提供。純米吟醸酒をはじめ、あらごし生姜を使ったリキュールや国内で人気の高い焼酎、宇治茶を使用した梅酒など、会場に集まった日本酒ファンの心を掴むべく、さまざまなテイストを揃えた。
SABCの小西貴之副会長は「地酒の魅力は地域の水と米を使用していること。地産地消という言葉をもじって『知産知消』と呼んでいます。海に近い地域の米と水を使って醸されたお酒は海の食物と非常によく合います。山で作られたお酒も同じようにその土地の食物と相性がいいです」
日本の地酒は種類がたくさんあり熱燗、冷やなど飲み方の好みも千差万別。「これからも試飲の機会を増やし日本酒をもっと知ってほしい」と今回の試飲会復活を契機にさらなる開催を望んだ。
(取材 生沼未樹)
合わせて読みたい関連記事