友好の絆、トーテムポールが和歌山でお披露目

 和歌山県美浜町三尾地区にある日ノ岬・アメリカ村で、5月11日(日本時間)にブリティッシュ・コロンビア州のアーティストが制作したトーテムポールの除幕式があった。

 カナダ移民の功労者として知られる工野儀兵衛の出身地である同地区は、現在、高齢化や過疎化が進んでいる。その状況を知った日本カナダ商工会議所のサミー高橋会長が地域を支援したいと商工会としてスポンサーを見つけ、カナダのシンボルであるトーテムポールを寄贈することを提案した。

 さらに高橋氏はこの構想を工野儀兵衛のひ孫で、国際協力推進協議会の代表でもある高井利夫氏に相談。高井氏が協力を快諾して、氏が代表理事を務めるNPO法人国際協力推進協議会がスポンサーとなって今回の寄贈が実現した。

 制作を行ったのはウエストバンクーバーに住むスコーミッシュ族のダレン・イエルトン氏で、3カ月をかけて高さ約4メートルのポールを彫り終えた。

 除幕式では髙井氏や籔内美和子町長らが幕を引いた。

(取材 西川桂子)

【編集部】
日ノ岬・アメリカ村へカナダからトーテムポールが寄贈された経緯や日系移民の歴史について、サンダース宮松敬子さんがコラム『V島 見たり聴いたり』で『トーテンポールが取りもつ歴史の絆』として、3回に分けて取り上げる。

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