日系文化センター・博物館の日系ガーデンで開催されているファーマーズマーケットに出店しているArt of Soap(pinocanada)のShinoさん。カップケーキをはじめスイーツをイメージしたキュートなソープを販売している。
ソープづくりを始めたきっかけなど話を聞いた。
-まず、ご自身について教えてください。モノづくりに関わる仕事に就いていたのでしょうか。
いえ、以前はRN(*Registered Nurse=正看護師)と全く違う仕事をしていました。旅行が好きで、いろいろなところを訪れました。カナダに来たのが2004年で、RNだと移民になりやすいと聞き、英語を勉強して、就業ビザ、そして永住権を取りました。
-看護師だったShinoさんがソープを作るようになった経緯は?
カップケーキのソープをPinterest(アイデアを画像検索することができる視覚上の検索エンジン)で見つけて、かわいいな、私も作ってみたいなと思ったのがきっかけです。
美容に関するものが好きで、オーストラリアにいたときにタイマッサージの資格を取ったほどです。以前から化粧品やシャンプーのような「肌に触れるもの」に興味があり、市販品は買わずに自分で手作りしていました。その流れでソープづくりも始めました。
-作っているソープについて、原料などについても教えてください。
材料はローカルの有名な会社のものを使っています。例えばパームオイルについても、児童労働で作ったものではないもの、というようにエシカルな製品を扱っている会社です。
-かわいいソープなので、ずっと飾っておきたいと思ってしまいます。
プレゼントした友だちから、かわいくて使えないと聞いたりします。でも、防腐剤とか使っていませんので、早めに使ってねと言っています。できるだけ1年以内に使ってほしいです。
-とてもよくできているので食べてしまう人もいるのでは?
触ったら硬いので分かります。匂いも違います。でもお子さんは間違えるかもしれないので、気を付けていただきたいですね。
-手作りソープでは、四角い型に材料を流し込んで固まったら適当な大きさに切ってバーソープにするのが一般的と聞きますね。ケーキ型のソープはどうやって作るのですか?
トッピングのパーツを先に作っておいて、そのあとでカップケーキのベースの部分に取り掛かります。
ソープづくりは、時間との戦いです。絞り出すときも早くしないと、袋の中で固まってしまいます。
-バーソープと比べて、かなり手間がかかっていますよね。一度にどれぐらいの量を作るのでしょう?
一度に6個ずつ作ります。大きさは1個あたり150グラム弱で、普通のカップケーキより少し小さいです。
実は分量を測るのが大変です。ソープはLye(灰汁)とオイルを融合するときに起こる化学反応を利用して作るので、細かい単位まできちんと測らないと失敗します。
-Pinterestで見て作りたいと思ったということでしたが、クラスを受講したのでしょうか。
いえ、ユーチューブで見たり、インターネットで調べて自分で勉強しました。
-Shinoさんのソープは優しい色合いも魅力ですね。
自然な着色料のマイカ(雲母)という鉱物を使っています。
色も化学反応によるもので、0.01グラムと少しの分量の違いで、考えていた色にならなかったりします。きれいな緑にしたかったのに抹茶色になってしまったり…そこでノートを取って細かく記録しています。
-ソープのアイデアはどうやって集めていますか?
インターネット上でケーキやカップケーキの写真を見て、デザインを考えます。
-日本のパティシエのケーキなどを参考にするのでしょうか?
日本の方が作ったケーキ類は、細かすぎて難しいので、日本以外、おそらく北米のものを参考にしています。
Shinoさんはカップケーキ型ソープ以外にバーソープも作っている。チャコール入りの肌に良いものだという。
Art of Soapのソープは8月22日の日系文化センター・博物館のファーマーズマーケットで販売される。あるいはFacebookやInstagramでも手に入る。
https://www.facebook.com/pino.canada.9
https://www.instagram.com/pinocanada/
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