9月半ばに全日空で羽田に入国したSIさん(50代女性)が体験と写真をバンクーバー新報に寄せてくれた。「出発前の情報収集に苦労したので、今後、日本に渡航する人の役に立てば」とのこと。
SIさんは大阪出身で最終目的地は大阪のため、東京到着後2週間、自主隔離をしてから国内線で移動した。
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今回の渡航には日本航空、エアカナダ、全日空のどれを利用するか悩んだのですが、出発時間や羽田空港に到着すること、サービスの良さで、全日空を選択しました。
バンクーバー空港に着いて、チェックインをしようとしてまず驚いたのが、”Fit to Fly Certificate”や”COVID TEST RESULT”を準備などと看板が出ていたこと。よく見るとタイパスポート、タイ以外のパスポートとあったので、最終目的地がタイの人に対するもののようでした。
機内は思ったより混んでいました。タイへ乗り継ぐ人たちもいたからかもしれません。それでも幸運にも三席並びの席を一人占めでき、横になって眠ることができました。
いつもと比べるとガラガラで、CAさんに「孫が全日空のファンで」と話をすると、涙ウルウルで「ANAを応援してくださって本当に感謝します!」と「お孫さんに」とプレゼントをいただきました。こちらもウルウルです。コロナ禍、飛行機のスタッフさん達も大変な思いで飛んでいらっしゃるようです。
自己隔離は息子が東京に住んでいて、いつもは息子のところに泊めてもらいます。でも会社の借り上げのマンションなので、自己隔離をする私は今回は滞在できません。自己隔離パックを利用するつもりでしたが、友人のお嬢さんがAirbnbに滞在するとのこと。調べると蒲田に手頃な物件が見つかったので、私もAirbnbにしました。
14日間の滞在なので、かなりの出費になります。比較的手ごろだった蒲田のAirbnbを選びました。ネットで調べると”検疫所のバス”が蒲田まで出ているとありました。
ただ、心配だったのが空港から出ているという”検疫所のバス”(注)の詳細を探したのですが、はっきりした情報が見つかりません。もし、バスが見つからなくても、蒲田なら歩いて30分強のようだったので、最悪の場合は歩くことにしました。
無事到着。書類関係はあらかじめ調べておいたのと、日本語だったので、さほど心配はしませんでした。唾液でのPCRは求められる量を出すのに苦労する人もると聞いていましたが、私も出なくて困りました。時間をかけて口腔内に溜めること数回でなんとか採取。
あまり時間をかけていたからか途中で係員さんが、「大丈夫ですか?」って聞きにきてくれました。何とか足りて無事陰性!
その後はスムーズ。着陸してから1時間半くらいで、入国審査を終えて、ゲートの外へ。
ゲートを出たら、係りの男性が待ち構えていて「巡回バスご利用の方?」と聞いてきてくれました。男性がバス乗り場までエスコートしてくれて、10分後ぐらいに出発。
バスに乗ったのは、私以外に3組ぐらい。快適でした。バス出発まで時間があるなら、スマホの充電を空港で済ませたいと思ったのですが’、車内で充電できるとのこと。車内で充電しました。
また、車内には運転手の他に案内係もいて、ご親切に「Airbnbですか? 住所わかりますか?」と聞いてくれました。その上、わざわざ自分のケータイでGoogleマップ見て「そこに近い道で降ろしてあげるから、そこからこう行って…」と道順まで教えてくれました。さすが、日本のおもてなしです。
無事にAirbnbに着くことができました。
自己隔離中は他人と接触しないようになら外出してもいいということだったので、早朝に散歩に出ました。そこでレンタサイクルを発見。結局、レンタサイクルを利用して何度か羽田まで日の出を見に行きました。あちこちに無人レンタルポートがあって、15分70円。無人なので他の人に接触することがないのがよかったです。
他の人に迷惑をかけないように手袋と除菌ジェルを利用しました。
私の場合、自己隔離については日本での主な滞在地として実家の住所を書いたので、大阪府某自治体の保健所からemail来ました。毎日、email「異常なし」って送るだけ。「こんなんウソ言うてもわからないのでは?」と心配になりました。
興味があったので、保健所に「陰性で帰国した人がその後14日間の自粛中に陽転した人の確率はどのくらいですか?」って質問してみました。「ご質問の件ですが、申し訳ありませんが、検査後の転帰についての情報は公表しておりませんのでお答えが難しいです」とのこと。残念ながら教えてもらえませんでした。
(注)⋆空港での検疫後、公共交通機関を使わずに移動する手段(迎えの車、ハイヤー、レンタカー等)で隔離場所まで移動する必要がある。また「空港周辺~蒲田、川崎、品川駅周辺までに限り、検疫所が周回バスを運行している。
参考:東京検疫所の『羽田空港での検疫の流れについて(令和2年7月29日現在)
https://www.forth.go.jp/keneki/tokyo/access/200714-01.pdf
*記事中の個々のサービスに関する感想は取材協力者の個人的な感想です。
(取材 西川桂子)
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