デイライトセイビング、いわゆる『夏時間』が終わり、日が急に短くなった。バンクーバーは秋から雨の日が多く、屋内で過ごすことが増えるこの時期は、読書にぴったりの季節ともいえる。
日本には『読書の秋』という言葉がある。秋の夜長となったこの時期のバンクーバーにまさにピッタリの言葉ということで、今回はメトロバンクーバーで日本語の本を楽しむ方法を調べてみた。どこで新刊や古本を購入できるのか、あるいは借りることができるのか、日本語のある図書館はどこなのかなど。
アジア図書館をはじめとする一部図書館・図書室は新型コロナウイルス感染防止のため、今も閉館しているため割愛した。(データは2020年10月現在)
書店
Blue Tree Books
「カナダ初のオンライン日本語書籍専門サイト」とある、ウェブサイトで日本の書籍や雑貨などの注文ができるオンライン書店。
日本で新刊として販売されるほとんどの書籍が注文可能。
例えば、120万部を販売した『医者に殺されない47の心得 必携版 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法』近藤誠著(アスコム)や、バンクーバー新報の連載を骨組みに出版された『太平洋を渡った杉原ビザ』高橋文著(岐阜新聞社)、新報でコラムを連載していた小倉マコさんの『日本びいきのハーフっ子と里帰り』(イーストプレス)なども注文できる。
ウェブサイトに出てこない書籍については問い合わせる。
料金体系については、カナダドルに換算した書籍代(日本の代金とほぼ同額)プラス国際輸送料(重量により1冊10~17ドル)と税金。リッチモンドか、バンクーバーダウンタウンのオフィス、トロントの店舗でピックアップできる。自宅などカナダの希望の場所まで配送も可能。ただし、配送の場合は別途国内運賃がかかる。
航空便は毎週一便入ってくるので、最速で月曜日に注文した本が金曜日に入荷する。早く紙の本を手に入れたい場合に便利。詳細は問い合わせを。
購入した本のピックアップ場所
・バンクーバー
住所:1300-1500 West Georgia Street, Vancouver
TEL: 604-688-0121
営業時間:月~金 10:00 am – 4:00 pm
・リッチモンド
住所:195-4851 Miller Rd, Richmond
TEL: 604-800-3693
営業時間:月~金 10:00 am – 4:00 pm
店舗
トロントには「リアル店舗」もあり
・トロント
住所:3160 Steeles Ave East, Unit 1 Markham, Ontario
TEL: 905-415-0611
営業時間:火~日 11:00 am – 6:00 pm(新型コロナ対応時間で営業)、月曜定休
https://bluetreebooks.com/ja/
日系ブックストア
日系文化センター・博物館2階にある古本屋。コミュニティが寄付した書籍が手に入る。金曜、土曜のみのオープン。小説の単行本や文庫本、マンガ、児童書、実用書や趣味の本など。(2020年10月時点で一冊3ドル)
また、同センターでは年に数回「古本市」も開催。店舗には約1万2000冊が並んでいるが、それ以外の在庫も約5万冊あり、店舗に入りきらない書籍を古本市で販売する。通常の1冊3ドルより、安く販売している。
住所:6688 Southoaks Crescent, Burnaby(日系文化センター・博物館2階)
TEL: 604-777-7000
営業時間:金 1:00 pm – 5:00 pm、土 11:00 am – 3:00 pm
https://centre.nikkeiplace.org/japanese-book-store/
隣組
隣組の図書室で本とCDの販売も行っている。ただし、図書室を利用するのに会員登録が必要。
場所:101-42 West 8th Avenue, Vancouver
TEL: 604-687-2172
開館時間:月~木 10:00 am – 2:00 pm
*新型コロナウイルス対策として現在、完全予約制
*人数制限中で、利用は一人ずつ
www.tonarigumi.ca/ja/
電子書籍
アマゾンや楽天Koboブックスを利用して、カナダにいながら日本の電子書籍を購入して、ダウンロードして楽しむことができる。
アマゾンは日本の書籍については、ダウンロード、つまり購入する本の数に制限がかかることもあるので注意が必要。一方、楽天Kobo(電子書籍)は購入する書籍数に制限はないため、ダウンロード可能な書籍数も利用端末の容量次第。
電子書籍を読むにはパソコンやタブレット、スマホ、あるいはKindleやKoboといった専用端末が必要だが、逆にいえばこれらがあればいつでもどこでも読むことができる。
パソコンや専用端末にダウンロードして利用するので本棚のような場所も取らず、電子本になっているものであれば在庫切れのような問題もない。
ただし、ページをめくる感覚が好き、あるいは本が大好きで本に囲まれて暮らすのが幸せという人には合わないかもしれない。
そのほか、デメリットは他人に貸す、あるいは他人から借りるのが難しい、『古本』がない、目が疲れるなど。
メトロバンクーバーの公立図書館
ほとんどの自治体の図書館で日本語書籍のセクションがあるが、もっとも蔵書が多いのはバンクーバー中央図書館だろう。
中央図書館まで足を運んでもいいし、読みたい本はウェブサイトで検索、Interlibrary Loanというサービスを使って、自分の最寄りの図書館に希望の本を送ってもらうこともできる。
バンクーバー中央図書館 日本語セクション
2019年の年間ベストセラー第2位『一切なりゆき 樹木希林のことば』樹木希林著(文春新書)や、『メモの魔力』前田裕二著(NewsPicks Book)から、最近子どもたちに大人気のトロル著『おしりたんてい』シリーズ(ポプラ社)まで、人気タイトルも比較的早いうちに本棚に並んでいる。
日本語の蔵書は5000冊以上、さらにデジタルサービスで、日本語の最新の雑誌や毎日新聞のような新聞も利用できる。
住所:350 West Georgia Street, Vancouver
TEL:604–331–3603
開館時間:月~水、金、土 11:00 am – 6:00 pm、木 1:00 pm – 8:00 pm、日曜休館
www.vpl.ca
また、スティーブストン図書館でスティーブストン日本語学校が寄贈した子ども向け日本語書籍100冊が利用できる。
隣組の図書室
隣組の2階にある蔵書数7000冊の図書室。会員のみ、完全予約制で最大30分の利用。映画やドラマのDVDも借りることができる。
住所:101-42 West 8th Avenue, Vancouver
TEL: 604-687-2172
開館時間:月~木 10:00 am – 2:00 pm
www.tonarigumi.ca/ja/
(取材 西川桂子)