ディスクゴルフが楽しい!

オーバーハンドスローで投げるウィスラーディスクゴルフコースの名物18番ホール。©The Vancouver Shinpo
オーバーハンドスローで投げるウィスラーディスクゴルフコースの名物18番ホール。©The Vancouver Shinpo

 新型コロナウイルス以前からあったスポーツだが、パンデミック以降にウィスラーの若者にすごく流行ったのがディスクゴルフだ。

 まず、密にならない野外のアクティビティであること。また予約など必要ないので、行きたいときに行って好きなときにできる。そして基本、無料であること。また使う道具はフライングディスクだけ。服装も自由で動きやすければなんでもよい。

そもそもディスクゴルフってどんなスポーツ?

 ディスクゴルフはフライングディスク(フリスビー)とゴルフを組み合わせたスポーツで、ゴルフボールの代わりにディスクを使って各ホールに設置されたバスケットに向かって投げるもの。

 もともとは100年以上前にカナダで生まれたスポーツ(いくつか説はあるようだが)で、40カ国以上でプレーされている競技とのこと。日本でも専用のコースが全国に点在していて、レジャーのついでに誰でも楽しめるのが特長。車椅子の人でも、コースによっては一緒にプレーできるスポーツとなっている。

 基本的なルールは普通のゴルフと同じ。4人1組で周り、前のグループがホールアウトしたら次のグループがティーグラウンドから投げる。

 森や自然の中に設置されるバスケットは基本18ホール。ほとんどがパー3のコースで、だいたい60分ぐらいで周れるので結構気楽だ。

森の中に設置されているバスケットに向けて投げる。©The Vancouver Shinpo
森の中に設置されているバスケットに向けて投げる。©The Vancouver Shinpo

 筆者のよく行くウィスラーのコースは、少し大きくて27ホールある。もちろん18ホールで止めるのもよし。

 秋のマツタケシーズンには、投げたディスクを探していてマツタケを見つけたこともある。早朝に行くと動物も活発に動いていて、鹿やリス、あまり会いたくないけど黒クマにも遭遇した。

 11月上旬にウィスラービレッジまで雪に覆われたときには、雪の上にウサギや鹿、リスの足跡を発見。また真ん中に一本筋がある足跡があり、調べたところネズミの種類の足跡であることがわかっておもしろかった。

 から夏にかけては、新緑が出てきて日に日に夏に向かう様子も身近に感じられる。花々の変化やベリー類、ワラビの種類も生えてくる場所があり、目と舌で季節の変化を感じることができた。

 ここまで書くといいことばかりのようだが、もちろん森の中を歩くので滑ったり木の枝に引っかかったりして、切り傷や擦り傷を負ってしまうこともあった。蚊がひどいこともあるので、時には軽いハイキングぐらいの服装が好ましい。

コースや投げ方

 スコーミッシュからペンバートンのコースは森の中にある。樹々の間にバスケットが設置されていて、レッドティーやブルーティーが別々に設置されているところもある。

 ティーからバスケットが見えるコースはいいが、木の陰や森の奥にあってバスケットが見えないことも多い。そういう場合ティーからどのように投げるか戦略が必要。投げ方は基本的にバックハンドスローかフォアハンドスロー、キャッチボールのようなオーバーハンドスローなどある。

 ディスクはまっすぐ投げるのが基本中の基本だが、どうしても曲がっていく。その曲げ方も考えて、障害物の陰に隠れているバスケットを狙うのがディスクゴルフの醍醐味の一つだ。

 またゴルフ同様、打ち上げホールや打ち下ろしホールもある。いろいろな投げ方やテクニックを使ってホールを攻略していくのが楽しい。

 実際に大会になると、OB設定やアイランド設定もあり、入らなければペナルティが科せられる。

 ルールはほぼゴルフと同様だが、1投目で落ちたディスクのところに片足をつけて、その場所よりうしろから2投目を投げるというのが基本。沢や木の下など落ちた場所によっては投げるのも大変なときもあるので、初めは自分でルールを緩めにして楽しんだ方がいいだろう。

1番ホール、レッドティーとブルーティーとがある。©The Vancouver Shinpo
1番ホール、レッドティーとブルーティーとがある。©The Vancouver Shinpo
スコーミッシュのディスクゴルフコースの看板。©The Vancouver Shinpo
スコーミッシュのディスクゴルフコースの看板。©The Vancouver Shinpo

用具

 用具はディスクのみ。20〜30ドル程度で専用のディスクが購入できる。

 実はディスクにはさまざまな種類があり、大会に出る人や本格的な人は10枚以上そろえてプレーしている。遠くまで飛びやすく作られたロングレンジディスク、安定性の高いミドルレンジディスク、最後にバスケットに入れるパターディスク、カーブがしやすいディスクなど、それぞれ特徴がある。ゴルファーがその都度ドライバーやアイアンを変えるように、ディスクゴルファーは一投一投でディスクを変える。

 もちろんそれも楽しいのだが「始めてみようかな」というレベルで、何枚もそろえる必要はないだろう。筆者は最初ミドルレンジディスク1枚で全部楽しんでいた。フリスビーでもプレーできるが、飛ぶ距離などが違ってくるので、1枚は購入してトライすることを勧める。

 色は目立ちやすい蛍光オレンジや蛍光ピンクがおすすめ。筆者も欲が出て遠くまで投げたくなりロングレンジディスクを追加したが、遊びレベルでは2〜3枚もあれば十分楽しめる。

ディスクゴルフアプリ。GPS機能やスコア管理ができる。©The Vancouver Shinpo
ディスクゴルフアプリ。GPS機能やスコア管理ができる。©The Vancouver Shinpo

 バンクーバー近郊であれば、検索すれば意外と近くにディスクゴルフ場があるのがわかる。

 筆者はバンクーバー近郊のコースは経験してないが、本当にゴルフ場のような綺麗なコースもあるという。シーツースカイエリアは森の中のコースばかりだが、ウィスラー方面に遊びに来るとき、何枚かディスクを用意しておいて、森の散歩がてらディスクゴルフを楽しんでみるのも楽しい。

 携帯用のアプリを入れておくと初めてのコースでもGPSと連動していて、次のホールを見つけやすいし、スコアの管理もできる。本格的にプレーするようになれば、そういったアプリを利用するのもよいだろう。

 最初にたくさんお金もかるわけでもなく、気軽に始められるという点でも、この春に何か新しいものを始めてみようかなっていう人には、ディスクゴルフは絶対おすすめのアクティビティだと思う。

バンクーバー近郊のディスクゴルフコース

Queen Elizabeth Park Disc Golf Course
W 37th Ave, Vancouver

Jericho Hill Disc Golf Course
4196 West 4th Ave, Vancouver

Quilchena
4590 Magnolia St, Vancouver

上記3つのコースの詳細
https://vancitydiscgolf.ca/courses

Robert Burnaby Park Disc Golf Course
6770 Hill Ave, Burnaby
https://www.pdga.com/course-directory/course/robert-burnaby-park

Mundy Park Disc Golf Course
641 Hillcrest St, Coquitlam
https://www.pdga.com/course-directory/course/mundy-park

ウィスラーのディスクゴルフコース

Whistler Disc Golf Course
7328 Kirkpatrick Way, Whistler
https://www.pdga.com/course-directory/course/whistler-disc-golf-course

Whistler RV Park
55 BC-99, Whistler
https://www.whistlerrvpark.com/frisbee/     

(取材 野口英雄)

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