豪雨による被害のBC州で非常事態宣言

アボツフォードでは広範囲で冠水している。©the Vancouver Shinpo
広範囲で冠水したアボツフォード。©the Vancouver Shinpo

 週末から月曜にかけての豪雨による土砂崩れと水害で、甚大な被害が出ている中、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府が11月17日、緊急事態宣言を発令した。

 土砂崩れと重大な水害で遮断されている輸送網や物資の動きへの影響を軽減し、復旧活動を支援するためとしている。

 ハイウェイ99号線のリルエット付近で起きた土砂崩れでは、現在のところ一人の死亡が確認されている。また、内陸のメリット市で市全体、およびフレイザーバレーのアボツフォードの一部地域で、避難命令が出た。

 ジョン・ホーガン州首相は「被災した人たちは極めて厳しい状況に置かれています。数千人が避難していて、一人の方が亡くなりました。今後、死者が増える恐れもあります」と述べた。

 そして「緊急事態宣言により、救急スタッフらとともに州や連邦政府、自治体では、被災した人やコミュニティに必要な支援が確実に届くようにします」という。

 マイク・ファーンワース公安大臣は、鉄道と道路網の復旧が最優先事項との考えを述べた。宣言により州内陸部や北部と、ロワーメインランドやバンクーバー島を結ぶ交通網を早急に復旧。寸断されたサプライチェーンを復活させる。

 緊急事態宣言は現在のところ14日間の実施で状況に応じて延長する。

 17日午前の時点でBC州では水害により約17,775人が避難している。

 BC州政府はハイウェイ7号線のアガシーとホープ間が17日午後5時に通行を再開したと発表した。ただし、西行き、乗用車のみで、ホープで足止めになっていた人をロワーメインランドに戻すためという。

 ジャスティン・トルドー首相は、BC州に対する支援を表明した。トルドー首相は現在、アメリカのバイデン大統領、メキシコのロペス・オブラドール大統領との首脳会議のため、ワシントンを訪れている。

アボツフォード市は16日、ツィッターで空から確認した被害の様子を伝えた。

緊急事態宣言発令を発表するホーガン州首相のツィート。

ホープで足止めとなっていた車が、17日夜、西に向かうことができた。