続いてモントリオールにも、カナダ政府はウクライナ人支援策を発表
オンタリオ州トロントの小児病院、Hospital For Sick Children(通称、SickKids)にウクライナの小児がん患者が到着した。SickKidsがツイッターに3月16日、投稿した。戦禍を逃れてカナダで治療を継続する。
同病院では14日、ウェブサイトで48時間以内に患者を受け入れる予定であると発表していた。ただし、患者とその家族のプライバシーを守るために、年齢や性別などの詳細は明らかにしていない。
「トロントには強いウクライナ系コミュニティがあり、SickKidsもウクライナの小児病院と長年パートナーシップ関係で結ばれてきた」。2013年からウクライナ小児科フェローシッププログラムにより医療活動を支援していて、「そのおかげで、今回の緊急事態に子どもたちをサポートできた」という。
モントリオールの小児病院、Montreal Children’s Hospitalにも、小児がんの治療を行っている子どもたちが間もなく到着する予定。Montreal Children’s Hospital協会では、子どもと家族は「着の身着のまま」で到着するとして募金活動も行っている。
P.K.サバン(Subban)協会が最大10万ドルまで、寄付額と同じ額を上乗せする。募金は宿泊費や食費、モントリオール到着後の病院への交通費、通訳や精神的サポートに充てられる。
P.K.サバンはトロント出身のアイスホッケー選手で、現在、ニュージャージー・デビルズ(NHL)でプレーしている。Montreal Children’s Hospitalへの募金活動を行うために、2015年に同協会を発足させた。モントリオール・カナディアンズでも活躍した。
・P.K.サバンの募金サイト、P.K.’s Helping Hand
https://fondationduchildren.com/en/heroes/young-ukranian-cancer-patients-coming-to-montreal-need-you-now
・SickKidsのウクライナの小児がん患者とその家族への募金サイト(Ukrainian Pediatric Assistance Fund)
https://fundraise.sickkidsfoundation.com/ukraine
カナダ政府によるウクライナからの避難者支援策
カナダ政府は17日、ロシアの侵攻から逃れてきたウクライナ人やその家族を受け入れる特別なプログラム、Canada-Ukraine authorization for emergency travel(CUAET)制度を発表。海外からカナダに来るウクライナ人とその家族は、無料のビジタービザで3年間、滞在できるようになる。通常、ビジタービザでは6カ月までの滞在となっている。
さらに、滞在のためのビザと同時に、迅速な就職を可能にするため、雇用主が決まっていない状態での就労ビザ、オープン就労許可も申請することができる。
CUAETは、ロシア侵攻による危機を逃れるため一時的にカナダに来て、安全になったら帰国することを希望するウクライナ人とその家族に対するもので、難民プログラムではないという。
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