ガソリン高騰を受け、ICBC契約者に110ドルの払い戻し

 ガソリン高騰の負担を緩和するため、ブリティッシュ・コロンビア保険公社(ICBC)が自動車保険契約者に110ドルの払い戻しを行う。ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府が3月25日、発表した。

 現在、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で、ガソリン価格が世界で高騰している。ガソリン代のみならず、物価も全体的に上昇していて、州民の日常生活に影響が出ている。ジョン・ホーガン州首相はプレスリリースで「プーチンが始めた不法な戦争の連鎖反応として、BC州の人たちは生活費の増加に直面している」と語った。

 今回の発表によると、2月にICBCの基本的な自動車保険に加入していたの大半は、110ドルの支払い対象となるという。商業用車両は保険も高額のため、返金額は165ドルを予定している。

 支払いは5月で、ダイレクトデポジット(直接支払い)を設定している場合はダイレクトデポジット、そうでなければクレジットカードへの返金か、小切手での支払いになる。小切手の場合は支払いは6月を予定している。

 ダイレクトデポジットを希望する人は、4月30日までに手続きをすると指定口座に支払われる。基本的な自動車保険でゴルフカートやオフロード車に対する保険は保険料の返金対象ではない。電気自動車(EV)はガソリン高騰の影響を受けていないが対象となる。

 ICBCの純利益は2022年3月31日までの会計年度で19億ドル、一方、払い戻し金は総額3億9500万ドルを超えると予測されている。残った利益は資本準備金として再投資することで、保険料の長期安定を目指す。

 ICBCでは、この返金に関する、詐欺メールやテキストメッセージを受け取っている州民もいるとして、メールやテキストが契約者に送信されることはないので、受信した場合は直ちに削除するようにと呼びかけている。

 自動車保険の保険料払い戻しは、2021年にも2回行われ、保険の契約者は平均で300ドルを受け取った。新型コロナウイルス感染拡大で州民の家計が大きな影響を受けたことが理由だった。今回のは1回のみを予定している。

ICBCは払い戻しに関する詐欺メールについて警告している。

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