大型クルーズ船の入港禁止期間を延長、経済的打撃は避けられず

 カナダ政府は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、カナダの都市に寄港する大型クルーズ客船の入港禁止措置を2022年2月28日まで延長すると発表した。

 クルーズ船は、昨年3月に乗客500人以上の大型旅客船の入港が禁止されて以来延長されているが、今回は、100人以上の客船の入港禁止となっている。

 オマー・アルガブラ運輸大臣は、今回の措置は新型コロナ感染拡大と変異株から遠隔地のコミュニティを守るために必要と声明で説明している。

 クルーズ船の寄港地では、新型コロナ対策への理解を示しながらも、経済に大きな影響を与えると懸念を示している。

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーには、毎年春から秋にかけて、アラスカへのクルーズ船が多く寄港する。バンクーバー港湾局によると、地域経済への影響は、直接的には1隻着岸すると約317万ドルの効果があるとし、全体では22億ドルにもなるという。

 クルーズ船が寄港することで、乗船客による宿泊、飲食、観光などで、新型コロナ後の地域経済に貢献するとみられている。それが少なくとも2022年春以降に延期されたことになる。

 東海岸州でも同様で、クルーズ船寄港禁止措置のさらなる延期は、すでに大きな打撃を受けている観光業界にさらなる追い打ちになることは避けられない。