アメリカとの国境再開は8月中旬を予定とトルドー首相、9月には世界からの渡航者入国へ

 カナダ政府が、現在閉鎖されているアメリカとの国境再開について、8月中旬をめどにしていることがわかった。

 ジャスティン・トルドー首相事務所が7月15日付で公開した全国州首相との33回目の会談内容の声明によると「アメリカと協議中の国境再開計画について、ワクチン接種を完了したアメリカ市民権、永住権者の入国を8月中旬から開始する予定」とトルドー首相が州首相らに語ったとしている。

 また「現在の好調なワクチン接種率と公衆衛生状況が続けば、カナダは9月上旬には世界中からワクチン接種完了者を迎え入れることができるだろう」とも語っている。

 ただ、正確な日にちには言及しておらず、来週早々に関係省大臣が詳細を会見で明らかにする予定。

 この発表について、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州ジョン・ホーガン州首相は16日の会見で、BC州はアメリカとの国境は陸路、空路、航路とあるが、準備を進めたいと語った。カナダ運輸省は15日には2022年としていたクルーズ船の寄港を今年11月1日からと前倒しを発表し、国境再開ムードは確実に広がっている。

 カナダとアメリカとの国境は2020年3月22日から物流などの必要不可欠な理由を除き、全面的に往来を閉鎖。以来、毎月の期限を前に1カ月ずつ延長されている。次の期限は7月21日。

 アメリカ以外の国々との国境閉鎖も次の期限は7月21日となっている。

 入国規制に関してカナダ政府は、カナダ市民権・永住権者やその家族、労働ビザなどの有効なビザを保有している人に限定して、ワクチン接種を完了していれば7月5日から緩和している。

 ただ今回は、国境再開に向けて入国制限がどのくらい緩和されるのかは発表されておらず、カナダ政府はワクチン完了を示す何らかの証明書の提示を求める考えを示している。しかし、アメリカ政府はいわゆるワクチンパスポートの発行には否定的な考えをすでに表明している。

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