バンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア州)とトロント(オンタリオ州)がワールドカップ開催都市に決定した。
CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)は16日、2026年にアメリカ・カナダ・メキシコの3カ国で共同開催されるFIFA(国際サッカー連盟)男子ワールドカップの開催16都市を発表。カナダでは2都市が選ばれた。立候補していたエドモントン(アルバータ州)は選ばれなかった。
今回選ばれたのは、アメリカでは、シアトル、サンフランシスコ、ロサンゼルス、カンザスシティ、ダラス、アトランタ、ヒューストン、ボストン、フィラデルフィア、マイアミ、ニューヨーク/ニュージャージの11都市、メキシコは、メキシコシティ、モンテレイ、グアダラハラの3都市となった。
試合数は、カナダとメキシコで各10試合、残り60試合はアメリカで行われる予定。2026年大会から参加国数は48に拡大される。
BC州は立候補拒否から一転開催都市へ
BC州政府は2018年にジョン・ホーガン州首相が「開催費用がいくらになるのか立候補時にわからない」と膨大な費用になる可能性があること理由に立候補しないと明言した。しかし新型コロナウイルス感染拡大による経済悪化から脱却する起爆剤にと昨夏になって立候補を表明した。
会場となるのはバンクーバー・ダウンタウンにあるBCプレース。2011年に開閉式屋根に改修した、収容最大人数約54,000人の多目的施設。
バンクーバーを本拠地とするMLS(メジャーリーグサッカー)バンクーバー・ホワイトキャップスやCFL(カナディアン・フットボール・リーグ)BCライオンズのホームグランドで、国際大会の会場としても使用されている。
2010年2月冬季オリンピックでは開閉会式に、3月冬季パラリンピックでは開会式に使用された。2015年には女子W杯カナダ大会が開催され、決勝戦も行われた。
BC州ツーリズム・アート・文化・スポーツ省メラニー・マーク大臣は、新型コロナの影響でBCプレースは2年間も使用されない時期が続いたが、W杯でファンが多く訪れ、町全体が活気づくと語り、「BC州政府は、これ(開催都市に決定したこと)は将来への先行投資と位置付けている。(かかる費用については)払い戻せるだろう」と述べた。
BCプレースは天然芝に変更、費用はBC負担
会場となるBCプレースは現在人工芝を利用している。しかし、W杯では天然芝に変更しなければならない。
マーク大臣によると、天然芝への変更を含めたW杯仕様への改修工事には2億4000万から2億6000万ドルかかると試算しているという。州民の生活費が高騰して大変なことは承知しているが、W杯に「投資」することで「BC州に10億ドルの経済効果があると見込んでいる」と語った。
2015年にカナダ全国で開催された女子W杯では、すべて人工芝で行うことが決定し、選手らから反対運動が起こった。それでも2015年女子W杯が天然芝で開催されることはなかった。
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