今年も9月30日は連邦政府が定める「真実と和解のための日 “the National Day for Truth and Reconciliation”」となる。
現在、「真実と和解のための日」は連邦政府の法定休日で、連邦政府が規制する職場にのみ適用され、銀行、航空会社、カナダポストなどが含まれる。そのため、連邦機関や銀行は休業となる。
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府は、「2022 年はキンダーからグレード12までの公立学校を含む公共機関に対して、昨年と同様の手続きを取るよう要請している」と8月に声明を発表した。BC州では昨年は公立学校と高等教育機関が休校となった。
9月30日については、州によって対応が決定される。
「真実と和解のための日 “the National Day for Truth and Reconciliation”」
9月30日は「オレンジシャツデー」として知られている。この日は、フィリス・ウェブスタッドさんが創設した草の根運動から始まった。オレンジシャツデー・ソサエティによると、オレンジシャツデーは、2013年5月にBC州ウィリアムズレイクで行われたセントジョセフミッション(SJM)レジデンシャルスクール(1891-1981)記念プロジェクトとリユニオンイベントから始まったという。
レジデンシャルスクール(寄宿学校)の体験を忘れないために、生存者とその家族の癒しの旅に立ち会い、敬意を表し、現在進行中の和解のプロセスに参加するために企画されたイベントだった。
オレンジ色のシャツを着るのは、元生徒でこのイベントに先立つリユニオングループのスポークスパーソンだったフィリス(ジャック)・ウェブスタッドさんが、6歳だった時に祖母に買ってもらった真新しいオレンジのシャツをレジデンシャルスクールでの初日に奪われたというエピソードを披露したことがきっかけとなった。
以来この日は、先住民族の人々が体験したレジデンシャルスクールでの出来事を理解し、議論するための日となった。
そしてカナダ政府は2021年6月、法案C-5を可決し、9月30日を「真実と和解のための日」として制定した。
2021年5月27日に、BC州内陸部のカムループス近くにあったレジデンシャルスクール跡地で215人の遺骨が見つかったと先住民族Tk’emlúps te Secwépemcが発表した。その後、全国その他のレジデンシャルスクール跡地でも遺骨が見つかっている。
オレンジシャツデー・ソサエティのウェブサイト:https://www.orangeshirtday.org/
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