先住民コミュニティとBC州政府、スピリットベア保護のため一部地域でブラックベアの狩猟を禁止に

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府はグレート・ベア・レインフォレスト内のKitasoo/Xai’xaisとGitga’at先住民族領域におけるブラックベアの狩猟を禁止した。7月19日の発表では、BC州プリンス・ルパートとベラ・クーラの間の約8,158平方キロメートルに及ぶ地域で、2022年7月1日から2024年6月20日までの間、狩猟が禁止される。世界でも稀少なクマであるスピリットベアの保護が目的。

 スピリットベアはブラックベアの一種で、突然変異によって毛色が白くなったもの。Kitasoo/Xai’xais、Gitga’atスチュワードシップ・オーソリティによると、同領域では、以前は約400頭のスピリットベアが生息していると考えられていた。しかし現在進行中の調査によると、この数字は多すぎる可能性があるという。

 BC州ではスピリットベアの狩猟は禁止されているが、スチュワードシップのグループは、同領域内でのブラックベア狩猟の禁止を求めていた。ブラックベアはスピリットベアの遺伝子を持っている可能性があり、それは見た目だけでは判断できないからだ。

 Kitasoo/Xai’xaisとGitga’atの人々にとって、スピリットベアは伝統文化的にも経済的にも重要な存在である。伝承や歌、舞踊などに登場するほか、観光資源としての役割も大きい。各先住民族はグレート・ベア・レインフォレスト内で各自エコツーリズムを行っており、その収益はクマ狩猟をしのぐという。

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